新たな武器と、初顔合わせ。
「私の父は25年前の隣国との戦争に参加しました。残念ながら敗北し、撤退を余儀なくされましたが、その時、1頭のドラゴン国王陛下にが襲いかかって来たのです。父はこの剣を使ってドラゴンに戦いを挑み、討伐に成功しました。
それ以降この剣は[龍滅剣]の名で呼ばれるようになったのです。」
長い説明を終えて、俺に剣が渡される。とてもでかい。全長が俺の身長以上の大剣だ。
「うお…重たい……」
「この剣、お父さんの大切なものなんだろう?なんで、俺なんかに渡そうと思ったんだ?」
「父はドラゴンを討伐した時重傷を負ってしまって、重いこの剣はもう持てなくなってしまいました。それで、[龍滅剣]の新たな持ち主を探していたんです。」
成る程、そこでギリメが新たな持ち主として、俺を推薦したのか。
「タケルさん、これから私の家に行きましょう。両親があなたに会ってみたいといっていたので。家に話はつけているので、すぐに行けますよ。」
着いた。見上げて、そのスケールの大きさに言葉を失ってしまった。デカい、とてもデカい。
「私の父はこの都市を治める領主なんです。因みに、さっきまでいた所がこの国の首都で、父の収めるこの地はその隣にあります。」
「さ、早く行きましょう。両親が首を長くして待ってますよ。」
邸に着くまでに何人もの使用人がいた。これだけ多くの人を雇える大貴族、ギリメの両親とは、一体どんな人なのだろうか。緊張で身を固くしながら、ギリメと共に邸の中へ入っていく。