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そして「奴ら」がやってくる。

「死に慣れていない者にいきなり殺しへの躊躇いを無くせと言うのも酷な話だ。まずは、生き物の死に慣れていけ。」


ナイゼル将軍は俺に肉屋と魚屋の手伝いを命じた。家畜の屠殺や魚の解体で生き物を殺すことに慣れていけ、とのことだ。


正直、きつい。生物の肉に刃をを通したときの不快な感触、生臭い血の匂い、家畜を気絶させるときの悲痛な叫び。何もかもが気分を害してくる。


「…はあ、これを毎日続けてる肉屋さんと魚屋さんを尊敬するよ、ホント…。」

一月続けて少しは慣れて来たが、一応最初よりは進歩しているのだ。最初の頃は不快感で食事もできなくなっていたが、今では屠殺した後でも問題なく食事ができるようになった。





さらに3ヶ月が立ち、もう動物殺しは躊躇いなくできるようになった。最近ではナイゼル将軍に連れられて狩をするようになったくらいだ。


「そういえば、そろそろ奴らがやってくる時期ですね、将軍。」

?奴ら?


「ああ…また奴らか…。」

「あの、奴らって一体何ですか?」

将軍が答える。


「この近くに、どこの国にも属していない獣人族の集落がある。この集落は一年毎に長が変わるのだが、このときの新しい長の決め方がな…」




「制限時間を設定して、その間にできるだけお多くの人数だけ、我が国の国民を殺害するというものなのだ。」

「なんておぞましい…」

「この地で奴らが国民を殺す、その時点で我ら軍の管轄となるのだが、奴らは殺人をするとき、異形の怪物に化けてしまうのだ。とても強い上に小賢しく、もう何年も捕まえることができていなく、犠牲は年々増えていくばかりだ…。」


話す将軍の顔が怒りで歪んでいる。

「しかも、隣の国が集落を懐柔しようとしているとの噂もある。もし本当なら、ますます手出しができなくなる。そうなる前に、どうしても手を打たなくてはならないのだが………」


「タケル、我々に力を貸してくれ!これ以上奴らに好き勝手させるわけにはいかない!この悪夢を終わらせるため、どうか、力を貸して欲しい!

お願いだ………頼む………」


「分かりました、お手伝いします。俺も、奴らとやらがくるまでにもっと強くなりますから。全力で、悪夢を終わらせましょう……!!」

「ありがとう…。奴らがくるまでまだあと4ヶ月ほどある。それまでに、お前を一人前の魔法使いにしよう!」


「奴ら」がくるまで後4ヶ月、もっと、励まねば。


「そうだ、タケルさん、あなたに渡したいものがあります。ああ、もう大丈夫ですよね、将軍?」

「ああそうだな、そろそろ、アレの使い方とソームマジックについて教えないとな。

本来はもう少し後にするつもりだったが、仕方ない。」


え、なにそれ?すっごい気になる。

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