第2話 初めての休日
はい。第2話です。まだなんとか続けられています。
不定期ですしいつ終わるかも私の気分次第!って感じですので、暇な時チラッと覗いて更新されてたら見るぐらいの気持ちで読んで下さると嬉しいです(ノ゜∀゜)ノ
あれから、1週間が経った。
アリゼおばさんのお店は、今大繁盛している。
もちろん、私も手伝っている。
「何でいきなりこんなお客さんが増えたのかねぇ。アリアちゃんのお陰かねぇ。」
「なんでしょうね?樹木の女神セレスティーヌ様の祝福のお陰でしょうか?」
お店の手伝いをしているうちに、商店街の他の人達とも仲良くなった。
繁盛した影響で、貰えるお金も少しずつ増えてきた。
「こんなに小さいのに、偉い子だねぇ。そこのパンを5つ頂戴。」
「ありがとう存じます!!」
お店が終わって、お店の制服から普段の服に着替える。
その時、隣で着替えていたアリゼおばさんが話しかけてきた。
「アリアちゃんも成長してきたもんだね。1週間でもうこんなに元気になって…出会った時は折れちゃいそうなぐらいだったのにねぇ。」
私は、自分の体を見直した。
まだまだ細いが華奢と言われるぐらいになった腕、脚。たまに来る子供よりは全然だけど、確かに少しずつ元気になってる気がする。
そういえば、私ってどんな顔をしているんだろう。街の人には可愛いって言われるから、そこまでブスではないとは思うけど…。
”鏡があったらな”
…鏡?
たまに、この世界に無いであろう物を思い出すことがある。何でこんなもの、知ってるんだろう?
私、まだ3歳だよね?アリゼおばさんにも、しっかりしてるねとはよく言われる。
私が生まれた時とかになにかあったのかな。覚えてる訳ないけど。
――ま、いっか。
「アリアちゃん?」
不意に声を掛けられて、ドキッとする。アリゼおばさんを見ると、もう寝間着に着替えていた。
「早く着替えないと、風邪を引いちゃうよ。」
「そ、そうですわね!は…は……っくしゅん!!!」
「あーそら、言ったそばからだ。暖かくして寝るんだよ。」
「はーい。」
私はそう言いながら、着替えるスピードを速めた。
「あ、そうだ。アリアちゃん。明日は花の日だからね。お洋服を買いに行こうか。」
「本当!?」
この世界では、火の日、水の日、樹木の日、風の日、土の日と平日が5日続いてから、花の日が休日になる。
そんな初めての花の日がショッピングだなんて。素敵!
今までは、アリゼおばさんが近所の人に貰った服とお店の制服を着ていた。
でも、やっと私個人の服が買えるんだ!
その日は楽しみで中々眠りにつけなかった。
そして、朝。
私は眠い目を擦りながら外に出るための服へ着替え、階段を降りる。
「あぁ、おはよう。アリアちゃん。」
「おはようございます。」
朝ご飯を食べる。ここでは食べる前の挨拶とか無いんだよね。
パンはいつも硬い。噛み切れるけど、噛むのが大変って感じ。でも、おばさんからまだ無償で衣食住を補ってもらってる分、我儘は言えないよね。
「さあ、行こうか。」
「はい!」
おばさんの後ろを、とててて…とついていく。どんな服屋さんに行くのかしら。
そういえば、私は曲がりなりにも貴族だったから、服屋さんというものに行ったことが無い。
貴族はお金を出して家に来てもらうのが普通だったものね。平民ではどんな感じなのかしら?
「着いたよ。ここさ。」
「ここが…服屋さん!」
そこには、この世界の文字で”中古服屋”と書かれていた。
中に入ると、茶色のベストを着たおじさんが迎えてくれた。
「いらっしゃいませ。よく見て行ってください。」
私は入口に置いてあった籠に、必要そうな服を選んで入れていく。
「アリゼおばさん、どれぐらい買えばよろしいの?」
「そうだねぇ…。最近は繁盛してお金もあるし、5枚くらい買ってもいいよ。」
やった!と心の中で思いながら選んでいると、視界の端に店のおじさんが何か困った顔で1つの服を見ていたのが見えた。
「おじさん。その服、どうかしたのですか?」
おじさんが見つめている服を見てみると、それは青紫色のローブだった。フードがついていて、何故かそれだけ中古にしては生地が高そうだし、しわも殆どついていなくて綺麗に思えた。
「ああ、お嬢ちゃんか。この服が中々売れなくてね。実はこの服は、貴族のお嬢さんが使っていたものなんだ。」
「お貴族様…。」
そういえば、私も7歳になればこんなローブを与えてもらえるって思ってたっけ。…その日は来なかったけれど。
「そう、お貴族様。普通はこんな平民の中古服屋には流れてこないんだがね、そのお嬢さんはこのお店に来て僕にこの服を渡して『これを売って欲しい。お金はいりません』と言い残してどこかへ走り去ってしまったのさ。」
「まあ…。」
「最初は困惑したけど、お嬢さんには売ってほしいと言われたことだしちゃんと売ろうと思ったのさ。でもみんな、お貴族様が使った服なんて恐縮だとかこんなローブは使わないと言って、ずっと売れなかったのさ。1年間売ってきたけど、これももう、廃棄するしかないのかねぇ…。」
確かに、ローブは魔法を使うことができる貴族が着るものだ。破れても貴族の残したものは生地がいいので、見栄えがとても悪くなってしまう。でも…私にはそれを見逃すことなんて、出来なかった。
「おじさん。この服、頂戴。」
「え…?」
「この服が欲しいの。値段はいくらかしら?」
「え、ええと、300ロゼンだよ。」
「300ロゼンね、はい。」
おじさんはとても驚き、唖然とした顔で私から大銅貨3枚を受け取った。
「あ、この服もお会計お願いね。」
「あ、ああ。」
「――アリアちゃん。どうしてあの服を買ったんだい?」
帰り際、私はアリゼおばさんに問われた。
「え?だって、おじさん困ってたし…それに、私も一応貴族よ。いつかはお母様やお父様に買っていただく物…今頂いたところで、ちょっと早まったくらいのものよ。」
「そんなもんかねぇ。」
私は上機嫌のまま、少し足早に帰ったのだった。
2話読んで下さった方々、ありがとうございます。
まだまだ泉にはいきません。もう少し街で暮らします。




