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温かい心を拾いました。  作者: いのりさん
8/11

―熱い眼差し―

どうも、祈りです。

今日は昼が余裕あったので更新します。

応援よろしくお願いします。

では本編へどうぞ!(っ´ω`)っ

 入学式はフリュウが在校生を蹴り飛ばした一時間後に行われた。

 入学式といっても校長が長いこと話をして、大まかな学校の説明で終わるようだ。

 一番めんどくさいやつだ。フリュウはマティルダと共に指定された席についた。五十音なのか、フリュウとマティルダの間には何人か生徒がいる。

 マティルダは不安そうな顔でフリュウから離れていく。


「あのー」

「ん?」


 フリュウは声をかけてきたのは隣に座っている茶髪の女の子。年齢はフリュウと変わらないだろう。


「ヘイランです、これからよろしくね」

「フリュウだ、こちらこそよろしく」


 フリュウは可能な限り友好的な態度で返す。そのかいあってかヘイランから安心した、といった雰囲気が出ている。


「なぁ!俺はヒュースって言うんだ、俺もよろしく頼むぜ!」


 五十音であってるらしい。隣から元気のいい黒髪の男子学生が声をかけてくる。こちらもフリュウと同じような身体年齢だろう。


「フリュウだ、よろしくな」

「ヒュースくん、よろしくね」


 周りを見るとマティルダも同じように隣同士で仲良くなっていた。

 理想的な学生生活のすべりだしなのではないかな。

 フリュウは自分のことではなく、マティルダのことを思って微笑む。

 突然周りが暗くなって、校長と思わしき老人が出てきた。

 めんどうなやつか...。

 話を聞くまでもなく、フリュウの意識は現実から隔離された。





「フリュウくん、起きて」


 声が聞こえた。

 やっと終わったか。フリュウはヘイランの声で目を覚ました。


「...悪い」


 ヘイランのほうを見るとまだ困ったような顔をしている。隣でヒュースもさっき起きたようで、頭を抱えて眠そうにしている。

 入学式の会場はガヤガヤと騒がしく、生徒達が出口に向かって歩いている。


「これから教室いくから、ついてきて?」


 俺が寝てた間になんか言われたのか...。

 ありがたいことだ、そう感謝してヘイランについていく。マティルダは先に行ったらしくもういなかった。






 教室では学校の具体的な説明。

 1、2時限はこの教室のこのメンバーで固定の授業。3時限目以降は自由に組み立てていいとのこと。帰宅してもいいらしい。

 そして禁止事項、常識にのっとった行動をすれば問題ないということで安心した。

 今日は顔合わせ程度で終わり。マティルダの共に家に帰る。

 マティルダはよほど楽しいのか、鼻歌まじりで歩いている。それを見てフリュウも微笑む、しかし彼の笑みは校門を出てすぐ消えた。


「フリュウさん!」


 やる気のこもった男性の声にフリュウは振り向く。

 そこには試験で相手になったマイク・アダムズが真剣な面持ちでフリュウを見ている。


「俺ともう一度対戦してくれ!」


 周りの生徒達が騒ぎ出した。

 フリュウは寝ていてしらないが、彼は学校の生徒会副会長。

 この学校にどうしても入りたい!そういう志望が多いこの学校では有名人だ。

 そんな有名人が無名の新入生に対戦を申し込んだ、騒ぎが起こっても無理はない。


「めんどうだ、帰るよ」

「いいの?フリュウさん」


 マティルダが残念そうな顔をする。

 フリュウはあまり目立つのが好きではない、そのせいで守護神としての彼を知っているのは王家の人間と兵団のメンバーと同じ守護神のみとなっていた。


「たのむ!」


 マイクがフリュウの前に回り込んで頭を下げる。

 やはりフリュウは情熱とか、熱い人間の感情には免疫がない。すぐにマティルダに助けを求めるが。


「こんな言ってるんだし、いいじゃんか」


 マティルダはフリュウを助ける気はなかった。どちらかというとフリュウの戦う姿と、誰かを下す姿を見たかった。


「学校に戦闘用の場所とかあるのか?」


 フリュウの言葉にマイクの顔が一気に明るくなった。


「ありがとう!案内するぜ!」


 マイクが学校に戻っていく、それについていくフリュウとマティルダ。

 それだけではなく、副会長の戦闘を一目見ようと周りの生徒達も校舎に戻っていく。


「遠慮はいらないよ、全力できてくれ!」


 マイクに連れてこられた場所は体育館だ。この体育館は対魔の素材でつくられてるようだ。

 もっともフリュウが本気を出せば対魔という概念を破壊してしまえるのだが。

 会場は観客で満員だ。

 戦闘に使うスペースを空けているため、全生徒は入ることは出来ないため、わりと殺気だっている。


「全力で...ですか」

「ああ、先輩に花を持たせようとか考えなくていいからな!」


 台詞が終わると同時にマイクは一気に加速して、一瞬でフリュウの前にいる。

 さっきと同じか...。

 フリュウはすぐ終わらせるべく氷を展開した。


「...っ!?」


 フリュウの期待通りにはならなかった。

 マイクはそこにいなかったのだから。


 《幻影跳》―ファントムステップ―か...。

 フリュウは自分が慢心していたことを理解した。

 幻影跳は素早い動きと魔力を合わせた技だ。素早い動きで相手に自分の残像を見せる、そのまま魔力を可視化させて自分の服や体の色を再現して残像のように繋げる。こうして残像の影に隠れて術者は相手に認識されることなく動ける。近距離にしか使えないが、弱点らしい弱点がない優秀で難易度の高い魔術だ。


「貰ったよ!」


 上から勝ち誇った声と共に炎に包まれた蹴りが見えた。

 実際には炎ではなく攻撃という概念を具現化したものだが。


「フリュウさん!」


 マティルダの悲鳴にも似た声が聞こえた。

 おいおい、俺の呪いを忘れるなよ。

 嫌でも勝ってしまうんだから...。


「はぁ...」

「なっ!?」


 フリュウのため息に気づいたのか、単純に自信満々の一撃に反応されたからなのかはわからないが、今度はマイクが驚く側だ。

 虚無から作られた〈拒絶〉の具現。

 マイクの蹴りは彼から拒絶された。


「...くっ」


 フリュウは苦虫を噛み潰したような気分になった。

 悪いな...。

 重力に逆らうことは出来ず、体制を崩したまま落下していくマイク。

 まじかよ...。

 自分の本気が届かなかったこと、それ以上に自分より強い生徒がいることに驚きの感情を示して。

 フリュウの〈拒絶〉がマイクの意識を刈り取った。

読んでいただき感謝です。

ほのぼのがまったく出せません。

単純な学園、人生ドラマになりそうです。

ではお疲れさまです!

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