―温かい眼差し―
どうも、祈りです。
お手にとっていただき感謝です。
休日じゃないですが、時間があるので書きました。
温かい眼差しで見てください。
では本編へどうぞ!(っ´ω`)っ
桜の季節。
フリュウとマティルダは桜が満開に咲いている道を抜けてアスト王国最大の学校〈アストラル王立総合学校〉に来ていた。
今フリュウは入学の手続きをしながら、心の中でレイティアに文句を言っていた。
「護衛の方ですか、特待生として迎えるわけにはいきませんので...」
受付の学生らしき女性に申し訳なさそうに言われる。
レイティアのお陰でマティルダは特待生としてこの学校に入ることになった。
特待生はそうとうな実績、もしくは権力を持っていないとなれない。フリュウはレイティアがどんな根回しをしたのか気になって仕方がない。
フリュウはマティルダの保護者ではなく、マティルダお嬢様の護衛として入学することになった。
レイティアとオニマルのやつめ。
マティルダが学校に行くとき、一人では不安だからという理由で「フリュウさん、ついてきてよ」という話になった。
学校に行く道で「フリュウさんと離れるのはやだ!」とマティルダに駄々をこねられる。
そしてオニマルに丸め込まれるのだ。
「見た感じ15歳以上ですから、実技試験を受けてもらいます」
受付の女性に言われた。
一応エリート学校である、魔術の才能は10歳までに決まると言われており、幼い子供は魔術が使えるのを見せるだけで入学できるのだが。
筆記じゃなくて助かったよ。
実技試験でフリュウは安心していた。
「フリュウさん入学できるよね?」
マティルダが不安そうに聞いてくる。
「問題ないよ、行こうか。」
「えっと...フリュウ、ですね」
フリュウは呼び捨てで呼ばれることに眉をひそめる。
名字を持たないのはアスト王国では階級が低い家なのだ、エリート学校だからこその自尊心でやっているのだろう。
名無しとして馬鹿にする者もいる。
ちなみにフリュウには名字はあるのだが。
「そうだ、で?実技は何をすればいい」
フリュウもイラだちを隠さない。
フリュウは立ち上がって部屋に誘導される。マティルダも心配そうについていく。
部屋に入ると何人もの生徒が試験を受けていた。
試験の内容は実技戦闘、会場は熱気に包まれている。
「試験の対戦相手は学校の生徒です、勝つのは難しいでしょうから、勝たなくても才能を見せれば合格になります」
この学校はレベルがかなり高く、新入生と先輩との力の差はかなり大きい。
「自信満々だな」
「去年も、誰一人勝った人は出ませんでしたから」
フリュウの皮肉を含めた発言に皮肉で返す男子学生。
「も」ということは今年もまだ負けなしか。
フリュウは少し熱くなってきた。
「誰でもいいよ、はやくしてくれ」
フリュウの声に案内役の男子学生はニヤニヤしてとある学生試験相手に連れていく。
「試験相手です、俺が対物、対魔障壁を張りますので」
案内人の生徒は対物だけではなく魔まで張れるのか。
フリュウは素直にこの学校のレベルに感心した。
「ああ、はじめまして、マイク・アダムズです」
金髪でいかにもリーダー格って感じの雰囲気の学生だった。
アダムズ家か...。
アダムズ家はアスト王国を動かす有力家の1つだ。
「どうも、フリュウです」
名字を名乗らないが、相手は特に反応はない。
育ちがいいのか、単に気づいてないのか。
フリュウは障壁を張っている生徒のほうを見る。
「はじめっ!」
合図と同時にマイクは武装系統魔術を発動して、加速して突っ込んでくる。
筋肉を活性化させてるのか...。
フリュウは前にてを伸ばすだけだ。
自発的に作った氷の壁でマイクは止まる、はずだったが、すぐに左足で踏み込んで後ろに回り込まれる。
すごい切り替えの速さだ。
そう思ってもフリュウは余裕で見えている、マティルダをチラッと見たら不安そうな顔をしていた。
俺は負けないって。
マイクの勢いの乗った蹴りをフリュウは無意識に発動する氷で防ぐ。
ちょっと潰したくなっちゃったよ...。
フリュウは防いだ氷から棘を出した。
「ブシュッ」といい音がしてマイクの右足に無数の穴があいた。
ギョッとしている案内役の男子学生を見ながらフリュウはマイクに蹴りを放つ。
「くぅ!」
マイクは持ち前の反応速度でシールドを展開する。
マイクくんは強いけど...。そのレベルは兵団で飽きてるんだよなぁ...。
フリュウは拒絶の氷を足に纏わせた。シールドは氷に触れた瞬間消えてなくなる。
フリュウの躊躇いも何もない蹴りを顔面に受けたマイクはそのまま飛ばされて障壁にぶつかって止まった。
フリュウは久しく味わった意識を刈り取った感触に一時的に浸っていた。
マティルダが口を大きくあけて喜んでくれているのが印象に残った。それにフリュウはドヤ顔で返した。
試験は合格、入学に成功した。
端で見ていた学校の教員が誉めてくれた。「マイクに完封なら文句なし」とのことだ。
読んでいただき感謝です。
このくらいのペースなら続けていけそうです。
後書きといっても特に何もないですが...。
では応援おねがいします。
では、お疲れさまです。