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温かい心を拾いました。  作者: いのりさん
10/11

―温かい五人―

どうも、祈りです。

昨日、文と文に間を入れることにしました。

読みやすくなってるかな。

では本編へどうぞ!(っ´ω`)っ

「楽しみですね!」


 本格的に授業が始まる初日、マティルダは登校中の道で目を輝かせている。


「実技が多いからな、俺が教えてやるよ」


 フリュウの心の中は「どうでもいい」だった。

 マティルダのために通うことになっただけであって、学校で習うことなど完璧に近くマスターしているのだから。

 それでも自分の娘として勝手に受け入れたマティルダの成長を特等席で見ることが出来るのは楽しみだ。





 彼らの教室は1―D。

 生徒がいう「名無しの教室」だった。

 フリュウは学校の廊下でいきなり視線の十字砲火にあった。

 彼が声を拾ってみると、「あいつか」「副会長やったって」「名無しかよ」。


 名家の出という自尊心か...。

 お前ら大変だな、と労いと皮肉を言って教室に入るとフリュウは全く違う目を向けられた。


「フリュウ!お前すげえな!」

「フリュウくん!あなたどうなってるんですか!」


 ヒュースとへイランも昨日の出来事を知ってるらしい、フリュウを見るなり目の色を変えてよってきた。


「落ち着けよ、お前ら」

「悪い悪い、お前そんな強かったんだなってな」


 視線の十字砲火にイライラしてたフリュウの太い低い声で二人とも引き下がる。

 五十音での席順なので、ヒュースとへイランはすぐ近くなので、場所を変えただけになったが。


「フリュウくん、副会長どうだったんですか?」

「強かったよ、わりとヤバかった」

「へぇー、なんか余裕そうじゃんか」

「そんなことないさ」


 へイランとヒュースは名家の出というわけではないらしい、なのにこの学校入れてるのは実力はそうとうなのだろう。


「そういや二人とも、なんで制服なんだ...」


 二人だけじゃない、このクラス全員制服だった、一応制服は支給されてるが大事な行事以外は自由だ。

 白シャツに黒のカーディガン、柔らかい雰囲気はしているが、やはり私服が目立つ学校では堅苦しい。フリュウも普段の甚平だ、学校では浮きまくっている。

 二人は一瞬目を合わせてから。


「そりゃ目をつけられないようにな...」

「ははは...」


 名無しのメンバーは名家の出と比べて自分自身を見劣りしているらしい。

 差別を受けてる側が弱気でどうするんだ。


「お前ら貴族の連中と戦ったことあるのか...」


 フリュウはため息まじりにいい放つ。


「ないけどよ」

「やっぱり強いんでしょ?」


 貴族=優秀。これはこの王国に根強く染み付いてる感覚だった。

 当然血がいい者はいる。だがそれが全てではないのだから。


「お前らの考えてるほど強くはない、努力すれば追い越せる程度しかない」


 自信満々に貴族を「その程度」と言い切るフリュウに勇気を貰ったようだ、二人とも「やってやる!」といった顔をしていた。




「すごいんだねマティルダちゃんのお兄さん」

「そうでしょっ、フリュウさんすごいんだよ!」


 マティルダは昨日から友達になった年齢的に同年代の女の子と話していた。


「いいなー、私も欲しいなぁ」


 フリュウが聞いたら「なら死にかけで道端に倒れていろ」と言いそうな台詞だ。


「無理なこと言っちゃだめだよー」

「へへぇ、出来のいいお兄さんがいると楽そうでいいじゃんか」


 その質問にマティルダは答えられない、マティルダはフリュウのことをそのまま答えることは出来ないのでお兄さんと紹介してるわけだから。


「そんなこと、ないよ?」

「なんで疑問なの!?」


 マティルダは困ってるアピールに目をそらした。


「ならなら!私も実技でいっしょになっていい?」


 ミーティアの言葉にマティルダは歓喜する。

 彼女は不安なのだ、自分より背の高い人ばかりの学校生活が。


「いいよっ、フリュウさんもたぶん大丈夫だから」


 マティルダの話してるのはミーティア、人間での15歳の容姿をしている特徴的な緑髪紫眼の少女だ。

 マティルダは喜んでいる。

 理想の的な学校生活の滑り出しだ。

 マティルダはホクホク顔で一時限目を迎えた。




「フリュウくん、起きて」


 やっと終わったか。

 へイランの声で机から頭を起こす。


「実技の時間か?」

「うん、魔術戦闘のとこ行くんでしょ?」


 フリュウは論理的な思考で魔術や体術を習う黒板授業を全て放棄することにした。


「ふあぁぁぁ、終わったか」


 ヒュースも同じらしい、大あくびをしながら体を起こす。


「フリュウさん!」


 廊下にでて実技の会場となっている体育会に向かう途中、マティルダが追い付いてきた。


「お願いしますお兄さん!」

「おに...」


 フリュウはマティルダを見る、マティルダのニヤニヤしてる顔でだいたい察した。


「フリュウだ、よろしく」

「ミーティアです!お願いしますね!」

「ヒュースってんだ、よろしくな」

「へイランです、こちらこそ」


 この五人は名無しのクラスでの異端児となっていく。

 その始まりの日だった。

ほのぼの系ではなくなった。

そんなグダグダな私です。

学園もののほのぼの系人生ドラマを目指します。

では応援お願いします!

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