序章 始まりの呪い
初めての小説になりますっ。どのくらい続くのか、まだまだ分かりませんが、よろしくお願い致します。
『あなたが側にいてくれると安心します。急いで戻ってください。』
『貴様が王女を殺したのだ!』
『断首刑にしてやるぞ、コルヴォ・・・。』
ハッと目を覚まし、周りを見渡す男。
しかし、すぐに俯いた。
男の身体を一筋の光が照らしている。
身体は傷だらけでひどく汚れて、手は鎖で繋がれていた。
足元にはネズミがうろつく。
今、この街を腐らせているのは、このネズミたち。奴らが疫病を蔓延させているのだ。
しかし、そう思ったところで、もはやどうしようもない。
私は今、地下深くの牢獄。
そして王女も暗殺され、彼女の娘であるエミリーも誘拐されてしまったのだ。
すべては摂政伯爵の陰謀だった。
鮮明に覚えている、あの時あの場所で何が起こったのか。
もう一度目を閉じようとしたその時だった、
「・・・親愛なるコルヴォよ。」
ふと声がした方を見ると、人がいた。
顔は逆光でよく見えないが、衛兵ではない。
「なんと悲しい運命か。」
なぜこいつはこんな所にいる?ここは、衛兵しか来れないはず・・・。
「敬愛する王女は死に、お前が殺したと皆が思っている。」
何故かその声の主は、独特な雰囲気で、まるで全てを知っているかのように話してくる。
「しかし我々は真実を知る者、だろう?」
こいつは何を言っているんだ?
こちらから質問をしようとした、その時だった
男は消え、いつの間にか自分の横に来ていた。
「愚か者どもが喜ぶ姿を見ながら死にたくはない、だろう?」
これは夢か!?何だ何が起きている!?今こいつは・・・。
そう、この男は牢獄の外にいたはず。一瞬で私の横に移動するなどあり得ない。
焦るコルヴォを見てもなお、一方的に話を続ける。
「我々なら上手くやれる、状況を変えることができる・・・・。」
男がそう言い終わらないうちに、突如左手が熱みを帯びた。
「ッ!?・・・・」
シューっと音をたて煙を出したが、血は出ていない。
肉の焦げる嫌な臭いと同時に、寒気を感じた。
拷問の時の痛みとは違う。
手に不可解な刺青ができる。
それは黒く焦げ、青白く光る。
まるで呪いが染み込むように。
そして、男は最後にこう言った。
「その印は、・・・・私からの贈り物だ・・・。」
それを最後に、再び静寂が訪れた。
コツコツコツ
やや早歩きで誰かが来る。
衛兵だ。
「おい、今誰と話していた?それとも独り言か?ハッハッハ!神にでも祈ってたのか?どんなに足掻いてもお前は明日死ぬのさ。」
コルヴォが王女を殺したのだと皆信じ込んでいるため、軽蔑と怒りの眼差しで睨んでくる。
しかし、その濡れ衣も終わりにする。
「私じゃない・・・・。」
一言呟き、コルヴォは立ち上がった。
はじめまして!この度は、Bethesdaより発売されております、DISHONOREDを書かせて頂きました。
これからも、よろしくお願い致します。