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始まり
出会い。
初めて会ったのは、私が5歳のとき。
君は7歳のとき。
私のお母さんと君のお父さんが再婚したのがきっかけ。
あれから何年もたった今、君を探している。
私の甘い記憶の中にいる、君を。
・・・どこで何をしているんだろう。
私を想ってくれているのだろうか。
私は今も君のことを、こんなにも想っているのに。
どうしてだろう?
こんなにも、涙があふれるのは。
・・・知らない。
こんな現実、私は知らない。
世界が、すべてが暗闇の世界。
何も見えない。
君がいれば、・・・それでよかったのに。
私達が何をしたというの?
悪いことだったの?
・・・返して。
あの人を返して!!
・・・ただ、愛しただけ。
愛し合っただけ。
・・・それが罪だというの?
知らない。
でも1つだけ確かなことがある。
私たちは確かに愛し合っていた。
それだけ。
記憶に
頭に
体に
すべて残っている。
覚えている。
・・・これだけは、奪わないで。
たった1つだけの
「印」
だから・・・
『 』