街の外へ-05
「スキル構築に関してなにか質問はありますか?」
受付嬢と共に地下から階段を登っていると、途中でこう聞かれた。
「んー、スキルパーツってどこで手に入ります?」
なので少し気になったことを聞いてみた。
「そうですね...基本的にはダンジョンの宝箱に入っていることが多いです」
ダンジョンの宝箱か...しかも手に入るのはスキル本体じゃなくてあくまでもパーツ、何個宝箱を開ければいいのか想像もできないな。
「後は、強力なモンスターが稀に落とすこともあるみたいですね」
強力なモンスターが稀に落とす?絶対強いやつ落とすやつやん。
気になるけど、今は無理だな。
「買うこととかはできるんですか?」
「一応できますが、買うとしたら最低でも20万ビルはしますね」
「20万ビル?それってどのぐらいの価値なんですか?」
このゲームにおいてお金はビルというのか。
「一般人の月収くらいですかね」
「えぇ...」
高すぎやろ、最低でもそれってバグってないか??
だって俺無料でさっきパーツを8個ももらっちゃったぞ!
そんな事を話しているうちに、いつの間にか俺はギルドの入口まで来ていた。
「スキル構築の際やアイテムの買い取りなどありましたらまたお越しください」
「ありがとーございましたー」
俺はギルドの外へ出る。
「そしたら次は街の外行ってみるか」
遠くに外壁のようなものが見えてるし、そこまで行って壁沿いに進めば外出られるだろ。
「モンスター倒してレベル上げだな」
あとお金欲しい。
回復のスキル作るために基本基盤のスキルパーツが欲しいので、取り敢えず20万ほどを目標にしたい。
「てか、街意外と狭いな」
少し歩いて思ったんだが、これ街の中直径で2km程度しかないかもしれない。
後ろを振り返れば壁見えるし、ちょっと歩くだけで壁がめちゃくちゃ近くまできてるし。
「でもプレイヤーからしたらこのぐらいのサイズがいいかも...」
正直街が広いと移動面倒くさいしな。
それにさっき広場を見た感じ、主要な建物は街の中心部にまとまってる感じしたし、多分俺が今歩いてる辺りはなにかしらのイベントとかクエスト用だろうな。
建物の感じはフランスに近いな。
ハ〇ルの動く城に出てくる街並みみたいな、そんな感じだ。
「海外来てるみたいだなぁ」
海外行ったことないけど、こんな感じなのか?
周りを観察しながら歩いていくと、すぐに壁の下までたどり着いた。
どうやら俺が歩いていたのはメイン道路だったみたいで、眼の前に大きな門がある。
「おおぉ、でけぇ」
門の両脇には衛兵?が立っていて、街の外を警戒しているみたいだ。
「お疲れ様でーす」
俺は衛兵の横を通り、街の外へ出る。
街の外は平原になっていて、かなり遠くまで見渡せる。
ずーっと先には森が広がっているみたいで、木が生い茂っている。
更にその先には巨大な山脈があるのも分かる。
「とりま平原探索しつつ森目指すか」
多分街の周りの平原にモンスターなんてほぼいないだろうし、居たとしても他のプレイヤーに倒されてそうなので、奥に見える森を目指すことにした。
「モンスター出てこーい」
腰に差してあったメイスを取り出し、右手でブンブン振り回しながら平原を真っすぐ進んでいく。
平原はまじで何にもなくて、偶に他のプレイヤーを見かけたりもしたが、5分ほど歩いて接敵は0。
「何も居ねぇ...」
と、ここで俺の目が遠くで跳ねている白い物体を捉えた。
「なんか居たッ!」
距離は離れているが、初めての獲物、逃がすわけがない。
「うおぉぉぉぉ!」
俺はメイス片手に全力ダッシュする、俺のAGIは80、多分レベル1平均よりは速い。
200mくらいは離れていたのだが、僅か20秒ほどで俺は跳ねる白い物体の前にたどり着く。
白い物体の正体、それは兎だった。
普通の兎だ、角が生えてるーとか、サイズがデカイーとかでもなく、どこからどう見ても通常の兎だ。
「これモンスター?」
「きゅー」
兎はつぶらな瞳でこちらを見つめてくる。
「まぁいいや」
俺はこちらを見つめている兎の顔面にメイスを振り下ろす。
ぐちゃぁ、そんな音がした。
メイスを離してみれば、そこには白い物体ではなく、ピンクと赤に塗れた肉の塊があった。
「うわぁグロ...」
ちなみにこのゲームは18禁である。
これはグロい描写があるからでもあるが、そもそもフルダイブ型のVR機器自体が18歳未満だと購入できないので、そこ繋がりでもある。
なんでも若い頃からフルダイブをしていると脳に影響が出るとかなんとか。
興味ないからうろ覚えだけどそんな感じだったはず。
「お、経験値はちゃんと入ってる」
視界右上にある数字が下の一部分だけ緑色になっている。
おそらくだが、この緑色が上まで行ったらレベルアップだと思われる。
「あ、兎消えてる」
少し目を話した隙に、兎の死骸は消えていた。
だが、先程まで兎がいた場所に小さな毛皮が1枚落ちている。
「ドロップアイテムか」
拾い上げてみると、情報が見える。
『野兎の毛皮
ふわふわしていて非常にさわり心地がいい、防具には不向きな素材』
「結構ちゃんとした情報出てくるな」
てか、やっぱりモンスターじゃなかったわ、野兎だって。
「まぁ街の周辺だし、モンスターは大体倒されてるんだろうな」
衛兵いるとはいえモンスターが街の周りにいるなんて危険だしな。
普通に考えたら駆除されてるに決まってるよな。
ゲーム的には街の近くにモンスターいないの珍しいけど、世界感的にはこれが正解だよな。
キャラメイクの時もなんか無骨な設定画面って感じじゃなくてファンタジー感溢れる感じで良かったし、このゲームは世界感重視だったりするのか?
俺としては世界感重視のほうが嬉しいな、自分が異世界にいるみたいな新鮮な気分でゲームを遊べるし。
野兎を倒した後は、特に何事もなく、俺は森のすぐ手前までたどり着いていた。
「街から結構離れてるし、この森ならモンスターいるだろ」
森は結構木が生えてるけど、密度がそんなにないのか薄暗かったりはしない。
だが、そこら辺に茂みがあって、死角となる場所は結構あるので警戒しながら進む必要がありそうだ。
「森にいるとしたらなんのモンスターだろ?」
ポピュラーなのでいうとやっぱゴブリンか?
それとも狼系モンスターか、スライムなんてのもあるかもしれない。
「モンスター早く出てこーい」
俺はメイスで眼の前の茂みを払い除けつつ、森の奥へ進んでいく。
流石に平原とは違いその進行スピードはゆっくりだ。
いつ敵が出てくるかもわからない上に、茂みが厄介だ。
引っかかると動きにくいので払うしかないが、それで余計に時間がかかる。
「リアルなのはッ.....いいけど、これ大変だぞっ!?」
所々ある木の根に足を取られそうになりながらも、必死に進む。
そしてある程度進んだところで、草が不自然に倒れている細い道のようなところに出た。
「これは、獣道っぽいな」
だとするとなにかしらの動物がいそうだな。
さっきの兎みたいにシンプルな野生動物って可能性もあるかもしれない。
「辿ってみるか」
俺は獣道らしきものを辿って進んでいく。
少し進んだところで、俺の耳が茂みが揺れる音を捉えた。
「後ろッ!?」
俺は後ろを振り返り、メイスを構えた。
次回からガンガン戦闘していきます。




