スキル構築-04
受付嬢の後をついて階段を下り、地下に向かうと、そこには大量の棚が並んでいる倉庫があった。
棚の中には、ルービックキューブの欠片みたいのが大量に並んでいる。
「右端から三列が星1スキルパーツなので、そこから3つ自由に取ってきていいですよ」
え?自分で選ぶの?こういうのって基本のセットを選んでくれるんじゃなくて?
「その間に私はスキル構築に必須なパーツを揃えておくので」
なるほど、つまりスキルを構築できるパーツは元々セットにあって、ここで選べる3つは俺の作りたいスキルに合わせて選んでいいよってことか。
「了解です」
受付嬢と一旦別れ、右端の棚からスキルパーツを確認していく。
「これがスキルパーツか」
近くにあったスキルパーツを手に取り、細かく観察してみる。
まず見た目は、水色に光る小さな正方形の物体で、大きさは指先で持てるくらいのサイズだ。
「これどんな効果があるんだろ?」
そう思い、更に観察しようとすると、眼の前にウィンドウが出てくる。
『対象指定パーツ・星1』
「おっ確認できるのか」
出てきたのは名前だけで、詳しい効果はわからないけど、これ名前から察するに対象を選べるってことだよな?指定だけだと効果ないけど、他のスキルと組み合わせるのに使えそうだな。
「一旦保留っと」
俺は持っていた対象指定のスキルパーツを一旦戻し、使えそうなスキルパーツを探していく。
1時間ほど、パーツを手に取り中身を確認して戻すというのを繰り返し、最終的に俺は候補を6つに絞った。
・筋力強化
・速度強化
・持続時間増加
・再使用時間短縮
・魔力消費量削減
・低級回復
「うーん、強化をどっちにするか、それとも回復にするか....」
スキルに直接効果を及ぼす訳では無いが、持続時間増加や魔力消費量削減などはだいぶ重要そうだ。
「3つだもんなぁ.....」
てか、ここで選んだのが受付嬢が選んでくれるやつの中にも入ってたら損だな?
一旦こっちを決める前に何をもらえるのか聞きに行くのがいいかもしれない。
「一旦戻るか」
先程受付嬢と別れた場所に行くと、受付嬢が近くの机になにかを広げているところだった。
「すみませーん」
「あっ決まりました?」
「いやぁ、決める前に受付嬢さんが何を選んでくれたのか知りたくてぇ」
「あぁ、たしかに被るということもありそうですしね、いいですよ」
「ありがとうございます」
「私の方で選んだのは、
・基本基盤:付与
・対象指定
・効果増幅
・魔力消費量削減
・持続時間増加
の5つですね、まず基本基盤:付与はスキル構築に必須なパーツとなっていて、付与系のスキルならこれと合わせるだけでスキルを発動させられます、ですがこれだと対象が自分固定になってしまうので対象指定も入れました。
残りの3つはシンプルにスキル効果を強化するものとなっていますね、星1の基本基盤に組み込めるパーツは4つまでなので、今回は基本基盤と4つセレクトしました」
魔力消費量削減と持続時間増加は被ってるな、その2つを抜けば選択肢は4つ、ここは筋力強化と低級回復、再使用時間短縮の3つにしようかな。
「決めました、今持ってきます」
「ではお待ちしてます」
しかし、さっきの話を聞く限り、基本基盤ってのがあればスキルはスキルとして機能するらしいな。
まぁ、スキルの発動のためにパーツを組み合わせないといけないシステムだと面倒くさすぎるからな。
こうやってスキルの中身を弄れるぐらいがちょうどいいな。
「てか、再使用時間短縮よりもう1つ基本基盤取ったほうが良くないか?」
強化と回復が同時にできたほうが強いよな?
ん?てかその2つを1つの基盤に入れた場合どうなるんだ?回復と強化が同時に発動するスキルになるのか?
でも2つの効果を同時に使うだと使いにくいか?
別々のほうが使い分けやすいよなぁ。
「いや、どうせ基盤なんて買えるでしょ」
いいや、変えなくて。
だってスキル構築がメインなのに、スキル作るのに必須なパーツが少ないなんてことないだろうし、そのうち店で買えたり、クエストの報酬で手に入ったりしそうだし。
てことで、俺はさっき決めた3つから変更することはなく、スキルパーツを手に持って受付嬢の下へ戻った。
「この3つに決めました」
そう言って、受付嬢に持ってきたスキルパーツを見せる。
「良いチョイスですね、早速スキル構築してみますか?」
「はいっ!」
「ではこちらへお掛けください」
俺は受付嬢の隣に座る。
「まず、スキル構築に必要な器具を説明しますね」
そういって机の上にある道具を指さしながら説明してくれる。
「まずこちらですが、これは構築盤と言ってスキルパーツを組み立てるものになります」
まず最初に受付嬢が指さしたのはチェス盤くらいの大きさの板だ。
板の上には変な文字が刻まれてて、中心にはスキルパーツはちょうど入りそうな穴が空いている。
「そしてこちらが鑑定ルーペですね、スキルパーツの細かい性能を確認するのに使います」
次に指さされたのは、虫眼鏡みたいな見た目してるやつだ、縁が金色でなんか高そう。
「最後にこちらがスキル刻印器ですね、構築し終わったスキルを体に刻むものになります」
最後に指さされたのは後ろにスキルパーツが入りそうな見た目をしているハンコみたいなやつだ。
「それぞれどうやって使うんですか?」
「そうですね、まずは使ってみましょうか」
受付嬢がそういった瞬間ウィンドウが出現する。
『お勧めスキルレシピ
・基本基盤+筋力強化+効果増幅+持続時間増加+魔力消費量削減(自己強化スキル)
・基本基盤+低級回復+効果増幅+魔力消費量削減+対象指定(指定回復スキル)』
オススメレシピぃ?
見た所、今使えるパーツを全部使った強化スキルか、回復スキルって所か....
これから先自分で自由にスキルなんて作れるんだから、最初くらいは運営オススメを作ってみるか?
それにオススメされてるってことは最低限の性能が保証されてるってことだしな。
「まず、こちらの構築盤に使いたいスキルパーツをすべて入れます」
「入るんですか?」
「穴に入れた瞬間スキルパーツは魔力として分解され中に保持されるので入りますよ」
言われた通り、まずは基本基盤:付与を穴に入れてみる。
すると穴に入れた瞬間水色の粒子となって消えていく。
「おおぉ」
オススメレシピに従い、強化スキル作成に必要な残りのパーツも構築盤にすべて入れる。
「そしたら構築版を操作して、なにを基本基盤に組み込むのか選びましょう」
構築盤に手を触れるとウィンドウが出てくる。
『基本基盤:付与残りパーツポイント4
組み込み可能パーツ
・筋力強化
・効果増幅
・持続時間増加
・魔力消費量削減 』
筋力強化の文字をタップすると、筋力強化の横に選択済みと文字が出て、基本基盤の残りパーツポイントが3に減る。
そして、基本基盤の横に「スキル構築」という文字も出現する。
俺は残りの3つも選択してからスキル構築を押す。
すると、構築盤が一瞬光を放ち、中心の穴から青色のスキルパーツが出てくる。
「構築が完了したみたいですね、そしたら次は鑑定ルーペで細かい性能を確認してみてください」
鑑定ルーペを手に取り、出てきた青色のスキルパーツを見てみると、このスキルの性能が確認できた。
『名称未設定:星1強化スキル
効果STR+6%
消費MP4
持続時間60秒
再使用時間100秒』
「おぉ、すげぇ」
性能的にはいいのか悪いのか判断できないな、でも俺の今のステータスだとSTRが6増えるだけか、MP的には12回使えるけど正直微妙か?
「確認できましたら、最後にスキル刻印器にスキルを入れ、体に刻むだけです」
俺はスキルをスキル刻印器に入れ、手のひらに押してみる。
「あっ、別に残るわけじゃないのか」
手のひらに押し付けると、少しくすぐったいような不思議な感じがあったが、手のひらを見てみてもなにか跡になっているということはない。
「スキルの名称はスキル発動に必要ですので、ご使用の前に設定してくださいね」
ステータスを開いてみると、1番下に取得したスキルが書いてある。
ハルカLv1
HP 70
MP 50
STR 100
INT 50
VIT 50
RES 0
AGI 80
DEX 50
LUC 0
取得スキル
パワー:星1強化スキル
効果STR+6%
消費MP4
持続時間60秒
再使用時間100秒
俺はスキルに名前を付け、ステータスを閉じた。




