クラス選択-03
俺の視界を覆っていた光がだんだんと弱まっていき、周りの景色が認識できるようになる。
完全に視界が戻ったとき、俺は噴水のある広場、その中心に立っていた。
「ここが北の街?」
あたりを見渡そうとしたとき、視界の中に違和感がある。
見てみれば、それはステータス表記のようだった。
視界の右上に緑色のバーと水色のバーが並んでいて、その横には数字で1と書かれている。
多分緑がHPで水色はMP、数字は今のレベル的な感じだろう。
また、手元のあたりに点が3つ並んだ『・・・』というマークも浮かんでいる、タップしてみると、インベントリや細かいステータス、などの詳細項目がずらりと目の前に並んだ。
あと、1番下にログアウトボタンもあった。
手元にあるから何かしらの拍子に押してしまうのではとも思ったが、しっかり触ることを意識しないと触っても何も起きないようだ。
「どんな技術だよ....」
こんな所でもTEC社のヤバさが垣間見えたぜ。
認識を判別する技術なんて聞いたことないし、これも独自技術なんだろうなぁ。
そんな事を考えながら、辺りをキョロキョロと見渡していると、眼の前に毎度おなじみのウィンドウ君が出てきた。
『スキル構築のため、メインクラスを選択しましょう
・戦士クラス 近接戦闘に長けたスキルパーツを取得しやすい
・魔術クラス 遠距離戦闘に長けたスキルパーツを取得しやすい
・呪術クラス デバフ系の状態異常に長けたスキルパーツを取得しやすい
・付与クラス バフ系の支援に長けたスキルパーツを取得しやすい
選んだクラスのギルドに行けば、それぞれのクラスに対応した星1スキルパーツセットが受け取れます』
「クラス....職業みたいなやつだな」
FCOというゲームはスキルを自由に構築できるというその特徴を最大限活かすため、特定の職業でしか得ることができないスキルパーツというのは存在しない。
だが、ある程度方向性を定めておくことは必要なので、そのためのクラスなのだろう。
「見た目的に治癒クラス.....でもステ配分的には戦士クラス?」
上の2つはアタッカー向け、下の2つはサポート系かな。
俺が最終的にどんな戦い方をしたいか想像してみるか....
俺の理想は、自分にガンガンバフかけて、高耐久かつ回復手段持ちの完全ソロで戦えるスタイルだ。
てか、別にどのクラス選んでもスキルパーツは探せばあるんだし、今欲しいスキルを考えたほうがいいかもな。
今の俺のステータスは物理アタッカー寄りのステだから、攻撃伸ばしたほうがいいかも....
でも攻撃系のスキルメインにしたいわけじゃないし.....
「ここで付与クラスにして、バフスキルメインにするか?」
武器はメイスでそこそこ攻撃力あるだろうし、バフで力上げれば序盤の敵くらいなら殴り飛ばせるかも...
俺の考えてた聖女像とは全く違うけど、最終的にソロでやるなら火力は必須だし、最初からバフメインはいいかも。
「うっし、付与クラスにするか!」
俺はそ4つの選択肢の中から付与クラスを選択し、決定ボタンを押す。
すると、視界の隅に矢印が現れる。
矢印が指している方向を見てみれば、そこに付与と書かれた看板が飾ってあるのが見える。。
「ギルド近ッ!」
もしやと思って、周りを見てみるとわかったのだが。
どうやらクラスのギルドは全てこの広場に隣接しているみたいだ、どこもかしこもバカでかい看板掲げてるから非常にわかりやすい。
「まぁ、変に遠いよりはいいか」
俺は早速目の前にある付与クラスギルドに向けて歩き出す...歩き出すと言っても数十歩でつくけど。
正面入口かはわからないけど、なんか扉が空いているのでそこから中に入る。
中に入ると、壁にもたれかかっていた渋いおっさんに声をかけられる。
「おい、嬢ちゃんうちのギルドになんのようだ?」
「登録、的な?」
「ほう?」
俺が登録と口に出した瞬間、おっさんの目つきが変わる。
「今、登録、と確かにそう言ったな?」
やばい、なんか地雷踏んだか!?
俺が焦っていると、おっさんがこちらに向かって進んできて、俺の眼の前に立つ。
あ、終わったぁ。
そう思った瞬間、おっさんが俺の方を掴み、口を開く。
「新規登録だね!?いやぁー久しぶりだなぁ後輩ができるなんておじさん嬉しいよぉ」
「ほぇ?」
なんか思ってたんとちゃう喋り方し始めたぞ。
「困ったことがあれば僕みたいなひましてる先輩に声かけてね!何でも教えるから!」
おっさんはひとしきり喋った後、俺の肩から手を離す。
「じゃ、今日は用事があるからこれで失礼するよ!因みに新規の受付なら右奥だよ」
そう言って、おっさんは去っていく。
数秒の後俺は呟く。
「おっさんじゃなくてオジサンだったなぁ」
見た目めちゃくちゃ渋いのに、喋り方がなぁなんかイメージと違うわぁ。
「怖い人じゃなくてよかったけどさぁ」
渋いのは見た目だけで普通軽いけど、いい人だったな。
新規受付の場所教えてくれたし。
俺は無も知らぬおっさんの助言通り、右奥のカウンターへと進む、するとそこには受付嬢がいた。
「ここで新規登録できますぅ?」
「えぇできますよ、説明はお聞きになられますか?」
「あ、お願いします」
クラスギルドについて俺何も知らんからな、ウィンドウに導かれてきただけだし。
「まず、付与ギルドに所属されますと付与系統のスキルパーツが得られやすくなります」
「へぇー」
ここはさっきウィンドウに書いてあったな。
「それと、基本的なスキルの構築方法の伝授やクエストの斡旋なども行っております」
「クエスト?」
「はい、ギルドに入りたての方向けの簡単なものから、ベテラン向けの高難度のものまで揃えております」
「なるほど」
もしかしてこれも選ぶクラスによってクエストの内容も変わったりするのかな?
流石に4つのギルドで共通依頼ってことは無いだろうし。
「ここまでで質問したい点などございますか?」
「いえ大丈夫です」
「でしたら、早速登録の方と基本的なスキルの構築方法の方を伝授していきたいと思うのですがお時間は大丈夫ですか?」
「平気です」
「ではこちらに手をかざして、お名前をどうぞ」
そういって受付嬢は水晶玉を出してくるのだが、ここで問題発生。
名前考えてなかったぁ!てかここで来るのかよ!?
えーっと、流石に本名はまずいし、何かしらいい名前を考えなくては。
聖女で有名なのだとジャンヌ・ダルクとかだけど、流石に安直すぎか?
他になんか神聖な感じでぱっと思い浮かぶのはアマテラスとか?
やばい、俺の知識の無さのせいで何も参考にならない。
悩みまくった挙げ句最終的に俺の口から出たのは...
「ハルカで...」
自分の名前を少しもじっただけの名前だった。
ちなみの俺の名前は村山遥斗と言うぞ。
「それでは、登録が終わるまでの間に奥でスキル構築の方法をお教えしますね」
俺は、カウンターの扉を開け、付いて来いという受付嬢に付き添って、ギルドの奥の方へ進んでいく。
「それではまずハルカさん用にスキルパーツを倉庫から持ってきましょう」
ついにスキル構築に触れるのか!
CFOの目玉システムと言っていい自由構築システムに!
「はーい」
俺は地下への階段を下って行く受付嬢の後をウッキウキでついていくのだった。




