プロローグ-01
「と...当選!?」
俺は1つのメールの中身を確認し、静かにそう呟く。
「これ夢じゃないよな?」
自らの頬を引っ張ってみるが、たしかに痛みを感じる、どうやらこれは現実のようだ。
「まっさか当たるとは....」
今回俺が申し込んだのは、とあるVRMMOのベータテストだ。
そう、『VRMMO』なんだよ。
ここ数十年でVRってのは進化を続けてきたし、その過程でフルダイブ型のVRゲームってのも増えてきた。
でも今までVRMMOだけは無かった、存在してなかったんだ。
それはなぜか?単純な話だ。
普通に考えてただでさえ負荷がでかいVRの世界に、数千人と同時にアクセスされたら、その時点でサーバー側がパンクするんだよ、要するにキャパオーバーってことだ。
数人のマルチプレイ程度なら行けるらしいけどな、その数人のためにサーバーを稼働させるなんて金持ちしかできねぇ、だから無理だと言われていたんだ。
でも、今年の春、発表されちまったんだよ、VRMMOの発売が。
最初の方はみんな半信半疑だった、今まで散々無理だと言っていたのに今更?ってね。
でもその発表をしたのがフルダイブ型VR機器を開発したTEC社だとわかった時点でみんな手のひらを返したね、何故ならTEC社は一度不可能を可能に変えちまってるから。
そして、先日そのVRMMOの情報が正式に発表されたの、名前はFree Construction Online、略してFCO。
そして正式発表と同時に、正式リリースの前の最終テストとしてベータテストを実施するとも発表した。
だが、ベータテストの人数がイカれていた。
全世界で1000人、これが今回のベータテストに参加できる人数だ。
因みに応募者の総数は約6000万人ほどらしい。
つまりベータテスターに当選する確率は約6万分の1ということになる、ふざけてるだろ?
なんでも1000人を最小単位としてカウントして、最終的にどれぐらいまでなら受け入れられるのかを試すらしい。
そして俺は今回そんな超低確率であるベータテスターに当選してしまったというわけだ。
「誰かに知られたら絶対嫉妬で殺される....」
俺だって当たるとは思ってなかったんだ、ベータテストの期間は一ヶ月程度で、その後すぐに正式リリースって話だったから、当たればラッキーくらいの気持ちで申し込んだのに....
「でも、これ普通にうれしいな!」
昔は小説の題材になってたりもしたVRMMOってのを少なくとも6000万人より先にプレイできるってことだもんな!
多分開発スタッフとかが事前にテストしてるだろうから最初のプレイヤーではないと思うけど、それでも最古参だよな?今回の場合。
更に運がいいことに、俺は実家済みのニートだ。
つまり社会人や学生とは違い時間が無限にあるということだ。
「もしかしてランカーとか目指せるのか....?」
情報見た感じ、課金要素とかもなさげだったし、他の人より時間を注げば上位勢にもなれる?
「そう考えるとテンション上がってくるなぁ」
なんにせよ、CFOのベータテスト開始は3日後らしいし、それまでに色々調べたりもしないとな。
なんでもCFOはスキルシステムが特殊らしい。
なんでも、スキルは直接獲得するのではなくスキルパーツってのから自分だけのスキルを作っていくんだとか。
しかも、スキルを構築するのにスキルパーツごとにポイントが設定されていて、スキルの基礎となる部分のキャパを超える構築はできないが、そのキャパ内なら制限はないらしい。
自分でオリジナルのスキルを構築できて、それを死ぬほどリアルなVRMMOの世界で実際に使えるってめっちゃ面白そうなんだよなぁ
「後3日、興奮して眠れそうにないぜ」




