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旅商人
コンドダートルの街に灯がともる
ナルッチェの街から馬車で4時間
石畳にあたる馬のひずめが閑散とした夕暮れを物語ってる
荷上げ用のチーズや葡萄酒を積み込んで今度はスーダリットに 向かう
あそこでこの荷物と引換に子豚を買えば今日の仕事は終わる
月明かりの中吟遊詩人達が語らい星の不思議を解き明かそうと している
そんな風景をあとに馬車は甲高い音を鳴らして走っていく
何時もと変わらぬ夜
草花は風になびき妖精と神様の悪口を言い合う
色んな音や声が聞こえてくる
子供たちは眠っている
売れ残った奴隷に使い道はない
私は森の神に捧げ旅路の無事を祈る
狼達は血の臭いを嗅ぎつけ奴隷に群がる
私は無事森を抜け街に入るともう朝だった




