「夜の底」 「霧と雨と月と」
「夜の底」
何もかもが、
面倒になってゆく。
いつの間にか、
息をすることすら億劫で。
このまま消えていけたらな。
そんな消極的な想いは日々の生活に消えていき、
ただここで生きているだけの自分が存在すると、
認識す。
その薄甘い日常も、やはりというか終わりを迎え、
どん詰まりの夜の底に立っている。
底から、仄光る月を見上げた。
「霧と雨と月と」
霧と雨
その合間に浮かびあがる月を
美しいと思える心
それが愛おしい
たどたどしく綴った言葉と音を
聞き咎められても残したい
消失点は遥か彼方
この世の終わりを待ちわびてた過去を
過ぎ去って見えた未来
ここだ
鳥のさえずり
虫の声
風の流れを肌に感じて
日々の匂い




