第18話:新たな旅立ち
アルカディスの闇が完全に消え去り、広間は穏やかな光に包まれている。三人は肩を寄せ合い、安堵の息をつく。
しばしの静寂が流れた後、カイが急にふざけたように肩をすくめる。
カイ:
「それにしてもリナの最後のあのポーズ、ちょっと決めすぎじゃね?」
リナ:
「何それ!全力でやった結果なんだから、文句言わないで!」
シン:
「……確かに、リナの決めポーズは……少し派手だった。」
リナ:
「ちょ、ちょっと!シンまでそんなこと言うの?」
三人のやりとりを聞いて、力を失ったエリスがくすくすと笑い出す。
エリス:
「本当に……あなたたちって面白いわね。緊張感をなくすのが得意みたい。」
カイがエリスに振り返り、大げさなジェスチャーを交えて言う。
カイ:
「それが俺たちの特技なんでな!ほら、エリスも笑ったほうが紋章なくても元気になるだろ?」
エリスは微笑みながらも、疲れた表情で肩をすくめる。
エリス:
「全く……もう少し慎みを持ちなさいよ。でも、ありがとう。」
リナが突然カイの肩をポンと叩きながら真顔になる。
リナ:
「カイ、さっきのあの攻撃……正直、かなり無茶だったわよね。私たち、あと少しで負けてたかも。」
カイ:
「そ、そんなことないだろ!俺たち、完璧だったって!」
シンが静かに呟く。
シン:
「……カイ、最後の叫び……少し大きすぎだ。」
リナが笑いをこらえきれず、シンも口元を緩める。カイは二人を見ながら肩をすくめる。
カイ:
「おいおい、なんで俺だけいじられるんだよ!」
エリスが三人を見つめながら、静かに口を開く。
エリス:
「でも……こんな風に笑っていられるのは、あなたたちが本当に強かったからよ。そして……心が一つだったから。」
三人は少し照れたような表情を見せるが、リナが柔らかく微笑む。
リナ:
「……ありがとう、エリス。あなたがいたから、私たちもここまで来られたわ。」
広間を後にしながら、三人は未来への決意を新たにする。
カイ:
「これで終わりじゃない!俺たちには、まだやるべきことがある!」
リナ:
「ええ。これからも、私たちの力を正しいことに使いましょう。」
シン:
「ああ……新たな旅だ。」
三人が歩き出そうとすると、突然カイの腹が鳴る。
カイ:
「はは、なんか……めっちゃ腹減った!」
リナ:
「こんな時に食べ物のことばっかり考えるなんて……本当にカイらしいわね。」
シン:
「……食事は……大事だ。」
エリスも笑いながら肩をすくめる。
エリス:
「全く……でも、それもあなたたちらしいわね。」
四人は笑い合いながら光の中へと歩き出す。その背中には、未来への希望がしっかりと刻まれていた。