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第17話:ルミナス・ドーン

第17話:終焉の激突


広間全体を覆っていた闇が、三人の紋章から放たれる光によって押し返される。それぞれの力が完全に覚醒し、三つのエネルギーが一つに収束し始める。


カイ(力強く叫びながら):

「リナ、シン!やるぞ!」


リナ(微笑みながら):

「ええ……これが私たちの全てよ!」


シン(短く熱く):

「俺たちの力……この闇を完全に断つ!」


炎、氷、雷のエネルギーが調和し、純粋な光となって広間全体を包む。その輝きがアルカディスの漆黒のエネルギーを浄化し始める。


しかし、アルカディスは三人の力を目の当たりにし、笑みを浮かべる。


アルカディスが両腕を広げると、漆黒のエネルギーが広間中から吸い寄せられ、一点に集中していく。その中心に、巨大な闇の竜がゆっくりと姿を現す。


リナ(驚愕しながら):

「な、何なの……この圧倒的な力は!?」


シン(冷静に分析しながら):

「……ただの攻撃じゃない。空間ごと消し飛ばすつもりだ。」


カイは拳を握りしめ、険しい表情を浮かべる。


カイ(叫びながら):

「ふざけるな!そんな技、俺たちが絶対に止めてやる!!」


召喚された闇の竜が空高く舞い上がり、広間全体に響き渡る咆哮を放つ。その声だけで壁が崩れ、地面がひび割れる。


アルカディス(冷酷に断言する):

「冥界の咆哮を受け止められる者など存在しない。この地も、貴様らも、すべて塵と化す!」


竜の口から無数の黒い光の粒子が放たれ、空中で渦を巻き始める。それが一つの巨大なエネルギー球となり、周囲を巻き込むように急速に膨張していく。


アルカディスが紋章に手をかざし、全力で叫ぶ。


アルカディス:

「冥界の闇よ……その命すら消し去れ!

《冥滅終焉咆》!!」


竜がエネルギー球を放ち、その一撃が敵へ向かって一直線に突撃する。球体が進むたびに地面がえぐられ、空間が歪むほどの衝撃波が発生する。


リナ(必死に叫びながら):

「止めなきゃ……こんなものが広がれば、全てが消えてしまう!」


シン:

「……全力でいくぞ!」


カイ:

「こんな力に負けてたまるかよ……!俺たちの絆で、全部覆してやる!!」


広間全体を覆う漆黒の闇の竜《冥滅終焉咆》が咆哮を上げ、敵味方すべてを飲み込もうとしている。周囲の空間が揺れ、地面が次々と裂けていく。


アルカディス:

「この冥界の咆哮に耐えられる者など存在しない……!終わりだ、愚かな光の徒ども!」


闇のエネルギーが一気に膨れ上がり、カイたちを押し潰そうとする。


リナ:

「こんな力……どうやって止めればいいの!?」


シン:

「怯むな……まだ終わっていない。」


カイは二人を見つめ、拳を強く握る。全身に焔紋が輝き始め、燃えるような赤い光が放たれる。


カイ(力強く叫ぶ):

「諦めてたまるかよ!俺たちの絆の力を……見せてやる!!」


カイの焔紋が紅蓮の輝きを放つと、リナの氷紋とシンの雷紋も共鳴を始める。三つの力が中央で絡み合い、螺旋状の光となって広がる。


リナ:

「カイ、シン……この力を一つにするのよ!」


シン:

「……光を貫け。」


三人はそれぞれの力を全力で解放し、巨大な光の球が広がっていく。それがやがて竜の形を取り、空高く舞い上がる。


カイ:

「これが俺たちの絆だ!受け取れ、アルカディス!」


三人:

「《ルミナス・ドーン》!!」


光の竜が咆哮を上げ、全身に炎、氷、雷を纏いながら突進を始める。その力は空間そのものを震わせ、漆黒の闇を切り裂いていく。


アルカディスの闇の竜《冥滅終焉咆》と光のルミナスドーンが正面から激突する。二体の竜が牙をむき合い、広間全体が光と闇の波動で埋め尽くされる。


アルカディス:

「この私が……!?貴様らの光ごときに!」


カイ:

「光がある限り……お前の闇は負けるんだ!」


リナとシンも光の竜に力を送り続ける。


リナ:

「私たちが繋いだ力……見せてあげる!」


シン:

「……闇はここで終わりだ。」


光の竜がさらに輝きを増し、闇の竜を完全に飲み込む。その瞬間、広間全体が白い光に包まれ、闇のエネルギーが爆発音とともに浄化されていく。


アルカディス:

「バカな……この……私があああ!!!」


アルカディスの姿が消え、闇の力が完全に消滅する。


光が静かに収まり、カイ、リナ、シンは疲れ切った表情で肩を寄せ合う。だが、その顔には確かな達成感があった。


カイ:

「俺たち……やったんだな……。」


リナ:

「そうね……この絆があったから、ここまで来れた。」


シン:

「……光が勝った。」


三人が見上げた空には、かつての闇の広間に差し込む一筋の光があった。

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