第13話:闇を裂く光
アルカディスの待つ広間の手前、四人は最後の休憩を取る。緊張感が漂う中で、カイが重い息を吐きながら地面に腰を下ろす。
カイ:
「ふぅ……ここまで来たな。正直、これから戦うのは……ちょっと怖いぜ。」
リナ(冷静な口調で):
「怖いのは分かるけど、口に出すと余計に不安を煽るわよ。」
その言葉に、エリスが冷ややかに微笑む。
エリス(からかうように):
「ふふ、リナは本当に堅物ね。少しはリラックスしたらどう?」
リナ(ムッとしながら):
「堅物って……私はただ、冷静でいようとしてるだけよ。」
エリス(さらに追い打ちをかけるように):
「ねえ、リナ。ずっと気になってたんだけど……カイとシン、どっちが好みなの?」
リナ(驚いて赤面しながら動揺して):
「な、何を言い出すのよ、突然!」
カイ(興味津々で):
「おいおい、それ俺も気になるぞ!リナ、どっちだ?」
シン(無表情で):
「くだらない。」
リナ(さらに赤面して慌てながら):
「くだらないのはあなたたちの質問よ!今はそんなこと考える場面じゃないでしょう!」
エリス(にやりとしながら):
「ふふ、でもさあ、もしどっちかが死にそうになったら、思わず『実は好きだった』なんて告白するかもしれないわよ?」
リナ(さらに顔を赤くして):
「そ、そんなことあるわけないでしょ!それに、カイもシンもそういう目では見てないわ!」
カイ(ふざけた表情で):
「えー、それって俺たちに魅力がないってことかよ!」
シン(冷静に一言):
「無駄口を叩く暇があるなら準備しろ。」
カイ:
「おっと、怖い怖い!」
リナが必死に話題を変えようとしているのを見て、カイがエリスに目を向ける。
カイ:
「それにしても、エリス。お前はどうなんだよ?そういう話、興味ないのか?」
エリス(薄く笑いながら):
「私?そんなくだらない感情に振り回されるほど暇じゃないわ。」
カイ:
「うわー、冷てえな!そんなこと言ってるから友達いねえんじゃないのか?」
エリス(冷ややかに):
「フン、どう思われても結構よ。でも……そうね、もし相手を選ぶなら、心の弱い男は論外ね。」
カイ(ムッとして):
「心が弱いって……俺は違うぞ!」
エリス(にやりと笑いながら):
「さあ、どうかしらね。」
少し静かになった後、エリスがふと呟く。
エリス:
「アルカディスは強いわ。力だけじゃなく、相手の心を壊すのがあの男の本質。それに……彼は昔からそういう存在だった。」
リナ(驚きつつも問いかける):
「エリス、アルカディスのことを知っているの?」
エリス(視線を逸らしながら):
「そうね……かつて、私は彼の側にいたことがあるから。」
カイ(驚きながら):
「マジかよ!なんでそんな奴のところにいたんだ?」
エリス(淡々と):
「それを話すつもりはないわ。ただ、彼を倒さなければ未来はない。それだけ。」
リナ(静かに頷いて):
「分かった。あなたがその重荷を背負っているなら、私たちも力を合わせて絶対に倒すわ。」
エリスは少し驚いたような顔を見せるが、すぐに微笑む。
エリス:
「ふふ、強気なところは嫌いじゃないわ。」
全員が立ち上がり、それぞれの武器を手に準備を整える。
カイ:
「よし、ここまで来たらやるしかねえ!さっさとアルカディスをぶっ倒そうぜ!」
リナ:
「……ふざけたことばかり言ってたけど、しっかり戦ってよね。」
シン(短く頷きながら):
「ああ。」
エリス(先に歩きながら):
「フフ、期待してるわよ。あなたたちがどこまでやれるか。」
四人は緊張感を抱えながらも、少しだけ笑顔を見せつつ広間の扉を押し開く。
漆黒の広間に立つアルカディスが静かに四人を見下ろしている。その存在感だけで全員に圧倒的な重圧がのしかかる。
アルカディス(冷酷に):
「愚か者ども。ここまで来たことを称賛してやる……だが、この場がお前たちの墓場となる。」
カイ(拳を握りしめながら):
「墓場かどうかは、お前を倒して決めてやるよ!」
リナ(険しい表情で):
「……気を抜かないで。ここが最後の戦場よ。」
シン(短く):
「覚悟を決めろ。」
四人の決意が固まり、いよいよ最後の戦いが幕を開ける。