第12話:覚醒の時
広間全体を闇のエネルギーが覆い、ギルドスの姿が一層恐ろしい威圧感を纏う。その剣は闇の力をまとい、まるで全てを断ち切る死神の鎌のようだった。
ギルドス(冷酷に):
「貴様らの努力は認めてやる。だが、この程度では夜影団を超えることはできん。」
三人は全力で挑むが、その圧倒的な力の前に次々と追い詰められていく。
カイ(苦しそうに):
「くそっ……この力、全然太刀打ちできねえ!」
リナ(冷静を装いつつ声が震える):
「……冷静に対処しないと……!」
シン(短く):
「攻撃が通らない。」
三人はそれぞれの新技を駆使してギルドスに挑むが、闇のエネルギーがそれを全て無力化する。
カイ:
「烈火収束!」
カイの焔の拳はギルドスに軽々と弾き返される。
ギルドス(冷笑しながら):
「その程度の炎で、この私を倒せると思うな。」
リナ:
「氷刃閃光!」
リナの冷気がギルドスの足元を凍らせるが、闇の力が瞬時にそれを打ち破る。
ギルドス:
「氷も闇の前では無力だ。」
シン:
「雷鳴の鎖!」
シンの雷がギルドスに命中するが、彼の鎧にすら傷をつけられない。
ギルドス:
「無駄だ。全てが闇に飲まれる。」
ギルドスが最終的な一撃を放とうとした瞬間、広間に冷気が吹き荒れる。その冷気はギルドスの槍を一瞬凍らせ、彼の動きを鈍らせた。
カイ(驚きながら):
「何だ、この冷気……!?」
闇の中から現れたのは、氷の紋章使いエリスだった。彼女は冷ややかな微笑を浮かべながら三人の前に立つ。
エリス:
「ずいぶんと追い詰められてるみたいね。相変わらず未熟なこと。」
リナ(驚きつつ警戒して):
「……エリス!?どうしてここに……?」
エリス(肩をすくめながら):
「別に助けに来たわけじゃないわ。ただ、ギルドスが暴れ回るのを見るのも退屈だっただけよ。」
エリスは冷気を纏いながらギルドスに向き直る。
エリスが指を軽く動かすだけで冷気がギルドスを包み、その剣の動きを一瞬封じ込める。
ギルドス(怒りを露わにして):
「エリス……貴様、何をするつもりだ!」
エリス(冷たく微笑んで):
「何って?少し遊んでいるだけよ。」
エリスの冷気がギルドスの闇を押し返し、その隙に三人は体勢を立て直す。
エリス(振り返りながら):
「リナ、あとはあなたたちでやりなさい。この場はあなたたちの舞台よ。」
エリスの冷気に反応して、リナの紋章が強く輝く。氷の力が増幅され、彼女の冷気が広間全体を覆う。
リナ(驚きながら):
「……これが、私の力……!」
エリス(満足げに微笑みながら):
「そうよ。それがあなたに眠っていた本当の力。見せてごらんなさい。」
リナの覚醒した冷気はギルドスの闇を大きく押し返し、三人に反撃のチャンスを与えるが、ギルドスの巨大な槍が闇のエネルギーを纏い、広間を貫くように振り下ろされる。その一撃は地面を砕き、衝撃波がカイたちを飲み込む。
ギルドス(冷笑しながら):
「お前たちの小細工など、この力の前では無意味だ!」
3人は顔を見合わせ、一瞬のうちに意思を共有する。
リナ(鋭い声で指示を飛ばす):
「カイ、シン!一斉に攻撃を仕掛けるわよ!」
カイ(拳を燃やしながら):
「やるしかねえな!」
シン(短く頷きながら):
「ああ……全力でいく。」
リナは氷の剣を作り出し、ギルドスの動きを封じるべく突撃。
シンは雷刃を放ち、ギルドスの槍を弾く隙を作る。
カイは炎の力を全開にし、拳に巨大な炎を纏わせてギルドスに突進する。
ギルドス(冷静に笑いながら):
「その程度の力で、この私を倒せると思うか?」
ギルドスは槍を大きく振り回し、三人の攻撃をまとめて弾き返す。その力により、カイたちは広間の端へ吹き飛ばされる。
ギルドス(嘲笑しながら):
「見せてみろ。お前たちの『絆』とやらが、本当にこの絶望を乗り越えられるのかをな!」
カイは膝をつきながら立ち上がり、傷だらけのリナとシンを見て拳を強く握る。
カイ(怒りを込めて叫ぶ):
「こんなところで終われるかよ!俺たちには……まだやるべきことがあるんだ!」
三人の紋章が輝きを増し、互いに共鳴を始める。その光はギルドスの闇を押し返すように広がっていく。
リナ(決意を込めて):
「私たちが諦めない限り、この力は消えないわ!」
シン(静かだが力強く):
「……絆がある限り、勝つ。」
カイ(全力で叫びながら):
「行くぞ、リナ!シン!これで全部終わらせる!」
三人が紋章の力を解放し、巨大な氷、雷、炎のエネルギーが一つに融合していく。
リナ・シン・カイ(一斉に叫ぶ):
「《絆の一閃》!」
光の斬撃がギルドスの槍を粉々に砕き、その体を貫く。崩れ落ちたギルドスは、最後の力で三人を睨みつける。
ギルドス(低い声で):
「フッ……貴様ら……ここまで力をつけたか……だが、この勝利に意味はない……。」
カイ(息を切らしながら):
「意味がない?何言ってんだよ!お前を倒したんだろ!」
ギルドス(冷笑しながら):
「アルカディス様が全てを統べる。この程度の力で、あのお方に届くと思うな……。」
リナ(険しい表情で):
「アルカディス……それが夜影団の頂点……?」
ギルドス:
「アルカディス様の力は……世界を覆い尽くす闇だ……貴様らのような小僧どもでは……到底……及ばない……。」
そう言い残し、ギルドスの体は闇の霧となって消滅する。
ギルドスを倒した三人の前に、エリスが冷たく微笑みながら立ちはだかる。
エリス:
「みんなおめでとう。でも、次はもっと厄介な相手よ。」
カイ(警戒しながら):
「もっと厄介って……どういう意味だ?」
エリス(真剣な表情で):
「アルカディス……夜影団の頂点に立つ存在。その力は、ギルドスとは比べものにならない。」
リナ(冷静に分析しながら):
「……その力にどうやって対抗すればいいの?」
エリス(冷笑しながら):
「それを考えるのは貴方たちよ。でも……少しだけ手を貸してあげるわ。」
四人は夜影団の最深部を目指して歩みを進める。その道の先に待つのは、アルカディスとの決戦だった。
カイ:
「ここまで来たんだ……絶対に負けない!」
リナ:
「冷静に……最後まで戦い抜くわ。」
シン(短く):
「行くぞ。」
エリスは一歩後ろから彼らを見つめ、わずかに笑みを浮かべる。
エリス(小声で):
「どこまでやれるか、見せてもらおうかしら。」