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第10話:奇妙な師匠と揺れる心

ギルドスとの戦いで惨敗した三人は、隠れ家で力尽きていた。それぞれの傷は深く、敗北の重圧が彼らを押しつぶしていた。


カイ(拳を握りしめながら):

「くそっ……全然歯が立たなかった。俺たち、弱すぎる……!」


リナ(冷静を装いながらも苦しい表情で):

「……今のままじゃ勝てない。力をつけないと。」


シン(短く):

「戦うには準備が足りなかった。それだけだ。」


暗い空気が流れる中、突然隠れ家の扉が勢いよく開く。


???(陽気な声で):

「おやおや、ここで沈んでる若者たちがいるとは思わなかったぞ!」


三人が振り返ると、そこにはヨレヨレの着物を着た奇妙な老人が立っていた。手には何やら古びた杖を持ち、笑顔を浮かべている。


カイ(驚きながら):

「じいさん、なんだよ急に!心臓止まるかと思った!」


リナ(警戒しながら):

「……何者なの?」


ジンザイ(得意げに胸を張りながら):

「わしの名はジンザイ。“紋章の賢者”と呼ばれた者じゃ。お前たちの落ち込んだ顔を見て、助けてやろうと思ってな。」


ジンザイは三人に向き直り、鋭い目で彼らの状態を見抜く。


ジンザイ:

「なるほど。夜影団にやられたか。だが、このままでは次も同じ結果だぞ。」


カイ(悔しそうに):

「分かってるさ!だけど、俺たちにはあいつらを倒すしか道がないんだ!」


リナ(冷静に):

「力を貸す理由は何?」


ジンザイ(ニヤリと笑いながら):

「理由なんていらんさ。ただ、お前たちが強くなれる。それだけじゃ。」


ジンザイの自信に満ちた態度に三人は半信半疑ながらも、藁にもすがる思いで彼に修行をお願いする。


ジンザイは三人を自分の住処である古びた寺院に連れて行く。そこは荒れ果てていたが、不思議な紋章がいたるところに刻まれており、修行のための仕掛けが施されていた。


ジンザイ:

「ここで特訓じゃ。ただし、覚悟しておけ。わしの修行は甘くないぞ!」


カイ(意気込んで):

「どんな修行でもこなしてみせる!」


ジンザイ(ニヤリとしながら):

「ではまず……リナ、お前には特別な修行を課してやろう。」


ジンザイはリナの肩に手を置き、不必要に顔を近づけてきた。


ジンザイ:

「美しい娘には特別な教えを授けねばな。この歳になると、若い者と触れ合うのが何よりの楽しみでなぁ……。」


リナ(驚きながら後退る):

「ちょっと待って!何をする気なの!?」


カイ(呆れながら):

「おいおい、じいさん、それは完全にアウトだぞ!」


ジンザイ(笑いながら):

「冗談じゃ、冗談じゃ!お前たちの反応を見たかったんじゃ。」


普段冷静なリナが動揺したことで、場の空気が少し和らぐ。


ジンザイは三人に個別の修行を課す。それぞれの課題は過酷だが、少しずつ成果が見え始める。

1.カイの修行:焔を一点に集中させる技術を習得。

ジンザイ: 「焔をただ燃やすだけでは弱い。すべての力を一点に込めて放て!」

カイ:

「分かった!やってみる!」

2.リナの修行:冷気を鋭い刃に変える技術を習得。

ジンザイ: 「お前の冷気には潜在力がある。その鋭さを引き出してみせろ。」

リナ:

「冷静に制御すれば……できるはず。」

3.シンの修行:雷の持続力を高める技術を習得。

ジンザイ: 「雷を制する者は戦場を支配する。持続させ、敵を追い詰めろ!」

シン(初めて軽く笑いながら):

「ああ、分かった。」


修行を通じて、三人の間には徐々に信頼感が生まれる。特にシンが少しずつ冗談を言うようになり、以前より柔らかい表情を見せるようになる。


カイ(笑いながら):

「お前、意外と笑うんだな。なんか変な感じだけど、悪くないかも。」


シン(照れながら):

「お前が軽すぎるだけだ。」


リナ(穏やかに微笑みながら):

「……少しはチームらしくなったわね。」


厳しい修行を終えた三人は、それぞれ新たな力を手に入れる。

•カイ: 「焔撃・烈火収束」――焔を一点に集中させる必殺技。

•リナ: 「氷撃・氷刃閃光」――冷気を鋭い刃に変える技術。

•シン: 「雷槍・雷鳴の鎖」――雷を持続させる技術。


ジンザイ:

「よく頑張ったな。これで夜影団に挑む準備はできた。だが、油断するなよ!」


三人はジンザイに感謝を伝え、再び夜影団本拠地への道を歩み始める。


カイ(拳を握りながら):

「じいさん、ありがとう!次こそギルドスを倒してみせる!」


リナ:

「感謝するわ。私たち、必ず勝つ。」


シン(短く頷きながら):

「必ず。」


三人は新たな力と決意を胸に、再び歩き出した。

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