【女02】 バスト169センチ
【ドロップ♪ 女♪】
陽気なアナウンスが脳内に鳴り響き…
眼前の女神の頭が一瞬ガクンと揺れた。
「あ、あ、あ、あ…
ルヌマさぁん、しゅきぃ。」
『え? え? え?』
いや、今のは因果関係が明らかだった。
俺が『じゃあ、ヤラせろ』と言った瞬間に、女神に何らかの強い作用が働いた。
…この能力、汎用性高いな。
ぶっちゃけ、どんな女とでもヤレる能力なのか?
すげえ!
中学生の頃に欲しかった!!
『へ、へえ。
俺のこと、気に入ってくれたんだ。』
「はいっしゅ!
しゅきでしゅ!!」
『ははは。
そうかそうか。
いやあ、照れるなあ。
じゃあ、まずは君のこと教えてよ。』
「はいっしゅ!
シュテータシュ・オープン!」
そう叫ぶと女神はステータス画面を俺に向けて開いた。
おう、話が早くて助かるな。
ん。
どれどれ。
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【名称】
アルカナ・アル・アルルアルカン
【職業】
女神(主任補佐)
【ドロップ理由】
堂々とセックスを誘われた。
【偏差値】
51
【備考】
爆乳(バスト169センチ)
天界においても、その胸だけで評価されてる。
どちらかと言えば無能なのだが、爆乳なので給与考査で優遇されている。
幼少の頃から胸だけをガン見されて育ったので、性行為に対する激しい嫌悪感を抱いている。
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うん、やっぱり胸だよな。
この女の場合、胸という個性が強すぎて
《女神って何?》
《天界ってどこ?》
という当然抱かなくてはならない疑問を持てない。
胸にしか目が行かないのだ。
いやあ、マジでデカいな。
『あ、ちょっと触ってみていい?』
「はいっしゅ!
本当は胸の話をされるの嫌なんですけど
ルヌマさんなら大歓迎です。」
おお。
マジで落ちてるな。
【ドロップ】
とはよく言ったものだ。
『うーーーん、どれどれ。
うおっ!
滅茶苦茶柔らかい!!!
あ、これ凄い!
すっげ! すっげ!!』
その後、普通に客室に連れ込もうとしたのだが、宿屋側に厳しく抗議される。
「お客さーん。
困りますよ。
お客さんが宿泊されてるのは2人部屋でしょ!?
人数増やすんならファミリータイプに移って下さいよ!」
『あ、スミマセン。』
最初、俺が泊まった1人部屋は3000ウェン。
ヒッチをメンバーに加えた為に5000ウェンの2人部屋に移された。
そして…
ファミリータイプの宿泊料金は1万ウェン。
食事代が1人1日1000ウェン徴収されるので、これから毎日13000ウェン掛かってしまう事になる。
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【所持金】
93700ウェン (差額部屋代として6000ウェン支払い)
↓
87700ウェン
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…くっそ。
思わぬ出費だ。
うーーーーーん。
生活が軌道に乗ったと思った矢先にこの固定費倍増だよ。
「ご、ごめんさい!
怒ってます?」
『あ、いや怒ってはいないけど。』
…いや、まあ女とヤレる事はすごく嬉しいし、感謝もしている。
ただ1人で居れば3000ウェンで泊まれてしまうのだ…
女って微妙に維持費が高いよな…
とりあえず元を取る為に女神ともセックスをした。
爆乳は凄まじく最初の30分位は大興奮したのだが…
事が終わってしまうと、値上がりした宿代への怒りが湧いて来る。
『なあ、アルカナ。
俺がオマエを落としたんだよな?
それは間違いないよな?』
「はいっしゅ!
ルヌマさんに完堕ちっしゅ!!!」
『気持ちは嬉しいんだけどさ。
でも結局、宿代を負担しているのは俺な訳じゃない?
じゃあ、逆に俺が君に落とされたと言っても過言ではなくない?』
アルカナは怯えたような表情で反論する。
「あ、いえ。
でも私、女神だから現金持ってませんし。
それに宿代は…
社会通念上、男性が女の分も払うべきでは?
天界でもそうですよ?」
うーーーーーーーーーーーーーん。
天界を引き合いに出しますかぁ。
何か釈然としない。
そもそも論としてアルカナの発言は確かめようがないからな。
でもまあ、確かに…
日本でもデート代は基本的に男が出すよな。
というか婚活関連の話題でも、そこら辺が焦点になる事多いよな。
あっれーーー?
何か俺、チート能力を手に入れた筈なのに…
いや、まあ、別に宿代くらいは持ってやるけどさ…
いや、まあ別に俺も男だし、それくらいの負担は負うけどさぁ…
そう思って、ふと背後を振り返るとヒッチが泣きながら女神を殴り回している。
「この泥棒猫!!!
ぶっ殺す!!!」
「ぐぎゃああああ!!!」
『ちょ!!!
待て!!!
ヒッチ!!
待て!!
ストップ!!』
「この女が煽ってきたんスよーーー!!!!!」
『待て! 待て!! 待て!!
言う事を聞けー!!!』
それから仲裁の為に3時間くらいをドブに捨てる。
どっちが可愛いとか、どっちが正妻とか、そういうどうでもいい話を延々と続けられて辟易する。
『あの…
もう本音で話すね?
俺、セックスしたかっただけだから。
オマエらの事、嫌いじゃないけど
仲良く出来ないなら、もう出て行ってくれないかな?』
ギ―――――、バタン。
マジかよ。
2人共、宿代も払わずに去っちまった。
なるほど。
女は落とせるが…
落とした女同士を仲良くさせるまでの能力ではない、と。
…じゃあ、女は一匹ずつドロップするしかない、か。
【名前】
マルヌ・ユン
【職業】
冒険者(ランクG)
【ステータス】 ※20ポイント未使用
《LV》 3
《HP》 19/30
《MP》 6/10
《力》 10
《速度》 8+5(皮の靴補正)
《器用》 5
《魔力》 5
《知性》 2
《精神》 0+2(性交経験数補正)
《幸運》 9
《経験》 30
※次のレベルまで残り30ポイント。
【スキル】
「落ちこぼれ」
※必ず落ちこぼれる。
【所持金】
87700ウェン
【所持品】
石ころ
干し柿
皮の靴
果物ナイフ
ズタ袋
ブランドTシャツ
【放流済女】
ヒッチ・ウッドマン
アルカナ・アル・アルルアルカン