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怒声  作者: 薩摩芋
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出会い

 雨はひたすら降り続ける。ここ三日は降り続けるこの雨は異常気象がもたらしたものだろうか。ニュースを見たってほかの地域は晴天らしい。だけど、この地域、この町に限って雨が降り続けているらしい。台風が直撃してるわけではないが三日間も、朝から晩まで、晩から朝まで、少しも晴れることなく、降り続けている。止む気配はない。路端に生えた雑草の葉は雫の重さに耐えきれず下を向き、通っていく車はヴァイパーとタイヤで雨や水溜まりの水を飛ばす。場所によっては腰のところまで水が溜まっているため、車が動かなくなってしまったのだろうか。水に浸かりながら放置されたものも見られる。この雨の中では歩行者はほとんどいない。傘をさしていてもすぐ目の前の視界ですら降る雫に阻まれ満足に見ることができないから。まともに歩けないから、歩いているのは物好きか、変わり者か、少々痛い奴くらいだ。この異常気象をもっと分かりやすく度合的に言い表すと、この町の学校、私立から公立の学校すべてに休校が告げられるほど。この地域のローカル電車が運航を中止するほど。それほどのレベルである。歴史的に類を見ない悪天気。そんな悪天候。

 その中で傘もささず、レインコートも羽織らずで、ただただ雨雫に打たれ震える少女がいたらあなたはどうするだろうか。か細い体を両腕で抱きしめ、ひたすら雨水がたまっていく水溜まりを虚ろな目で見ている少女がいたらあなたはどうするだろうか。

 僕は、今になって思えば、あんな思い付きで声をかけてしまってはいけなかったと、覚悟を持って話しかけなければならなかったと反省している。というよりは後悔している。あの行動は僕がどうこうというより、彼女に対してするべきではなかったのだ。

 でも、あの頃の僕はそんなことなんて知らない。知らない僕だから声をかけてしまったのだ。

「あの…大丈夫?」

「…」

これが僕と神様の出会いであった。


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