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日本未来誌 FUTURITATES JAPONICAE

極北の攻防戦

作者: 鱈井 元衡

2361


 サガラ・シューはこの寒い土地で刹那的な日々を送っていた。

 故郷から離れてもう一年も経つと、この気候にもそろそろ慣れたかもしれない。船旅では何回も酔ったし、嵐にも見舞われたが奇跡的にここまで辿りつくことができた。フクイ人にとって、船に慣れていないというのは致命的な欠陥だ……。

 早く起きては畑を耕し、日が暮れるまでには寝る準備をする、という似た一日をここの所繰り返している。もっとも、『当番』が回って来たらその一日が少しだけ長くなり、急に忙しくなるのだが。

 少し離れた所には海が広がり、その反対側には城壁がある。城壁といっても土を盛上げ、木や石を埋めただけのごく素朴な防備。

 アオモリ人がオリコシナイと呼ぶこの地は今日も平凡だった。どこかで牛の鳴き声がする。広場からは誰かの話声がする。雨が降れば、城壁が崩れてしまうかもしれないと愁える内容。

 数十人だけでこの入植地を維持している。初めて住民がやって来たのが十年と少し前のことだ。顔見知りは少しだけできた。とはいえさほど話しあう仲でもない。なにしろサガラ自身が騒ぎを楽しむ方ではないのだから。

 彼には娘が一人いた。まだ十歳にもならないのに、才気煥発な子だ。

「フクイってどんな土地なの?」

 この辺境で物心ついたので、いつも自分が知らない祖国についてこう訊く。

「温かい所さ」と決まって答える。

「広くて、肥えている土地だよ」

 目の前では雨が降っている。

「どうしてそんな所からわざわざ出て行く必要があるの」 不服そうな表情をしている。

「カンサイにはキューシューやウミムコーから色んな船がやってきて交易してるここには何もないじゃない」

「それは……」

 舌がさまよう。大人の事情ってやつだ。子供にいちいち説明した所で分からない。いずれ戦士として働く時期に達すれば自然に分かる。サガラはあまり子を育てるのは上手ではないことを自覚していたから、ごまかして説明しようとする気にはなれなかった。それなのにこの子ときたら、本を読んだり、大人たちの会話を聴いたりしていつの間にか世の中のことに通暁してきている。父はその様子を見るたびに、男盛りだというのに体を衰えさせてはいけないと痛感する。

「もっと大きくなったら私ホカイドに住みたいな……だってここより広いし、街だって大きくて」

「そうだな、父さんが金を持っていたらできないこともないが……」

 それこそ面倒な手続きが必要になる。ツルガにある移民局に書類を提出しなければならないのだ。これにしたって机にしがみついて書かなければならない。しかも一年にどれくらいの人員を輸送するかも厳しく決められているので、軽い気持ちで土地を移動できるわけではないのだ。

 ましてや誰もが別に北に行きたいわけでもない。時には戦争捕虜や罪人が行かされることもある。本国にとどめておきたい。住民は年々増加しているが、それでも町と呼べる規模のものではない。食料や道具にしても本国から輸入するか、先住民と取引することでしか得られないのだ。驚くほど不安定な境遇だが、もう何年も住んでいる以上今さら元の住処に戻る訳にもいかないのである。


 サガラは今の生活にさして不満を持っているわけではなかった――元が張りつめた状況なのだから、自分の内側のことで悩んでいる場合ではない。娘が若干反抗的であること以外はさほど問題にならないが、問題はこの狭い土地をどうやって守っていくかだ。

 この場所は上から与えられたものだが、同時に防衛する義務をも住民には課されている。あいにく、雨の日だった。サガラは白くかすんだ視界の中で目をこすりながら、刃を間近にしつつ剣を磨いている。

 その日の仕事を終えると家の奥に行き、酒を一杯あおった。さほど飲んでも酔わない代物だ。

 壁に寄添うようにして本棚がある。収まっているのは古代の本だ。自分で読むのは疲れるので、いつも娘に読んでもらっている。

 メモ書きの側に方位磁石がある。航海の必需品。

 地図を見た。もう四百年ほど前のもので、現在ではもはや存在しない国家――その頃の国家は今よりも遥かに人間を支配していたという――が陸地に描かれていた。サガラは地図に関して非常に奇怪な話を耳にしたことがある。古代の人間は実際に天より高く舞昇り、大地と海が実際にこのような形をしているのを見たのだと! この噂は同時に、空を飛ぶ道具がもうだがもう実際の海岸やその距離を測量しようとする人間など一人もいないのが実情なのだった。ひょっとしたら、地形が変わっているかもしれないのだ。空ではなく海に頼るしかなくなってしまったほど文明が崩壊してしまった現代では、何が起きていてもおかしくはない。

 世界地図として知られている各地の、ごく一部の実情しか知らないのがサガラとここにいる住民たちだった。二ホンがほんの一部でしかないことは知っているが、他のアフリカやインドなどが今はどういう状態になっているのかまったく知らない。それでもフクイを離れ、アオモリにいること自体、サガラが確かに世界に対して無知ではないことを証明している。

 サガラがいる場所からひたすら海と島々を北東に越えると、アメリカ大陸のアラスカに至る。さらに南に降るとカリフォルニアの国々が広がっている……。そこまでは多分一生この眼で見ることはないだろうとサガラも思う。それでもたまに使節や商人がホカイドまで訪れることがあり、その存在を蒙昧おぼろげであっても知ることはできる。


 アキタからアオモリにかけて、フクイ人はいくつかの入植地を建設した。さらに北のホカイドで、フクイ人はいくつかの都市を従属させている。

 なぜ、そんな僻陬の土地に固執するのか。

 サハリンやクリル、アリューシャンの島々から流れてくる毛織物や綿織物は非常に高価で、ニホンでは手に入らない。細々とわずかなそのためにフクイ王は自らの手でそれらを手に入れたいと思った。

 彼らは概して排他意識が強く、元から利益を渡さない、そのためには征伐し、自力で製品を手に入れるルートを開拓する他ない。他にも理由はある。人口が増え、もはや本国だけではまかないきれない人間がこういう辺境に追いやられるのだ。

 トーホク人にとってはフクイ人こそが侵略者なのだということを、彼らは認めようとしないし、そもそもその認識すらないだろう。フクイ人にとってはトーホクもホカイドも元から持っていた所持品のようなものであり、君主にまつろわない彼らを征服することは大義のようなものなのだから。


 ふと昔のことを思い出し、嫌な気分になる前にサガラはもう一杯あおった。今さらこんなことを想いかえしても無駄なことだ。

 こうしている間にも、ホカイドにいる仲間たちは彼らよりももっと精強で厄介な敵と戦っているのだ。

 ほんの数日前、芋畑の境界線をめぐりアオモリ人とフクイ人の間で戦闘が起きた。

 怪我人はいたが死者は出なかった。カンサイやホカイドでひっきりなしに起きている殺し合に比べれば喧嘩のようなものであったが一人の『捕虜』として捕えた。

 数日後、先住民相手に身代金を要求する手筈なのだ。ニーガタ訛りの召使いを呼ぶと、

「金はいくらある?」と尋ねる。

「五日分の食糧を調達するほどございますが」

 別に彼らに対して親しみがあるわけではなかったが、

「肉と魚を買ってこい。あの男を饗応せねばならんからな」

 彼の家には一人の捕虜がいた。捕虜といっても別に掘っ立て小屋に隔離されている程でもなく、むしろ客人と言えるくらいの扱いを与えていた。

 男の名前はタカハシといった。

 元々狩りをしていただけあり、がたいは良い方だった。一見粗野な風貌に見えて弁も立ち、何か深い教養を持っている様子をうかがわせた。ほぼ同じ年齢だが、彼の方がより世の中については深い視野を持っているかもしれない。彼は今この家より少しはこぶりな小屋に収容されていた。

 そこに行って彼と会った時には空が青白くなっていた。 ここから住民の誰もが寝ることを考え始める時刻だ。

「もう暗いな」

 召使の仕事は速かった。

 すでに二人のためにスープと飯が置かれていた。

 律儀にもタカハシは椅子に座り、席につくのを待っていた。

「そろそろ夏の終わりだからな。お前はこの寒さには強いだろう」

 普段あまりいいものを食べていないだけあって、この日ばかりはあえて豪勢なものを用意させたつもりだった。

 タカハシはしかし、時候のあいさつなど関心がないとばかりに、自分の話を始めた。

「知ってるか? 昔は夜が存在しなかったんだ。つい数十年前までアキタではそれが現実だったんだ」

「また、あの町が滅亡する前の話か」

 かなり扱いの難しい人間だ、という感想をこの男は彼らに抱かせた。

 彼はフクイ人に捕まった時ですらそういう話し方だったので、入植者たちも面食らったほどである。

「だがお前はアキタ人ではない」

「同じトーホク人だぞ! お前たちはその地を乗っ取って支配しているんだろうが」

 このやりとりを三回は繰り返した気がする。

「そこに土地があったからだ」

「土地はお前たちのものではない」

 タカハシは激しい口調で言ったが、それが虚しいことも同時に知っているかのようだった。

「そうでなくても、これは『文明』と『野蛮』の戦いだ。古代の歴史がそうであったようにこの地での歴史もな」

「昨日も言ったはずだ。俺たちは野蛮人などではない」

 タカハシは高貴さをひけらかすみたいに言った。

「カンサイでの歴史がどうか知らないが、このトーホクにも輝かしい過去があったのだよ。トサミナトと言ったか……この地には交易地があった。はるかに八百年ほど前のことだ。それ以前にもずっとこの地には様々な名君が君臨していた。お前たちのような暴君とは違ってな」

「知っているよ。だがここ数百年のお前たちはどうなんだ」

 タカハシはまたもや黙った。

 二人の人間としてなら対等に話せるが、背負っているものが違い過ぎる。

「自分たちで事実を書き記すこともなく、ひたすらに過去にすがっているだけじゃないのか?」

 タカハシたちは過去に生きている。未来を奪われているのだからそうするしかない。別にサガラが嫌いなわけではない。

 サガラもさすがに感情を高ぶらせたのか、椅子から立って床の上を

「だからアキタ人に代ってフクイ人に支配される。お前たちはそれに抗弁することもできない。フクイ人は正当な支配者の地位を継承したんだ」

「誰がそんなことを認めた!? それはお前たちが記した歴史だ!」

 結局は言葉に詰まり、

「いずれにしても、お前たちは先祖代々の土地を犯している。天罰が下るのは間違いないんだ!」

 しかしタカハシは決して手を挙げることはしない。

「逆に俺たちが多数派になれば、それは俺たちの土地になるんだ」

 数万年の歴史の間では人間がどこに住んでいるのが正当なのか。そんなものは極めて曖昧な物でしかない。

 民族という物さえ、意図的に造ることができる。だがそれは、やむにやまれず出来てしまうものなのだ。

「もしフクイ人がこの土地を完全に併呑すれば、ホカイド人が黙っていない」

 一人がそれに反旗を翻して何になるのだ。結局それは歴史を変えることに役立ちはしない。

「ならばまたフクイ人はただの侵略者に戻る。いずれにしろ、この点において俺は歯車だ。個人ではない」

「個人? お前はどうあっても奴らの一味としてしか生きれないだろう」

 話が不毛な方向に行きそうだったので、サガラはさっさと脱線させようとした。

「どうしても文句があれば、ツルガに行け」

「お前たちのカンサツのいる町か?」

 知らない言葉。まだ相手の話についていかなければならないのか。

「カンサツ?」

「お前ならジェタイが各地の統治をしきっていた時代があるのを知ってろうに……戦争への備えという大義名分でジェタイはカンサツという役人を送りこんだ」

 知らない単語がずらずら並べられたので、サガラは一気に頭が混乱してしまった。

「すまないが、『大災厄』の寸前の歴史はよく知らん。俺が読んでいた歴史教科書は2043年に発行されたものの写本でな」

 ここぞとばかりに無知を煽るタカハシ。

「何せ向こうでは古代末期の戦争で大方の文献は焼かれたのだろう? そこまで知らないのも無理はない」

 思いかえしたかのように、瞳が鋭くなる。

「だが過去の遺物全てが事実ってわけでもない。かつて一世を風靡しながらその偽りが暴露された史書もある」

「あれは真実だ!」

 タカハシは血走った眼で言った。

「たとえ虚偽であっても……それを創ろうとした人間の熱意は本物だ。それまで忘れ去られてはならん……歴史は人間の思いの集積だ。ただの出来事の羅列などではない」

「歴史は思い、か」

 何とも弱い言い訳だ、と思った。

 サガラは相手を被征服民であるという意識を捨てきれずにいる。これは全て歴史に押し付けられた役割に過ぎないというのに。だがまるで、タカハシの方も似た心境を抱いているかのようだった。

「貴様、郷里では同じ話題を話し合う友もいないであろう」

「ああ。何しろ長老たちが血なまぐさいことしか考えていないからな。その点では、まだお前の方が文明的な人間だ」

 酒をすすりながら、彼はふと遠い目になった。

「だがどこでそういう教育を受けたんだ?」 自分の投げかけた質問で、ふとサガラの心はざわついた。

「はるかに昔、親がアキタで教育を受けていたんだ。まだ謎の滅亡を遂げる前にな」

「例の、空飛ぶ車がかろうじて生き残っていたとかいう時代にか」

「あの頃にはもうたくさんの本があった。博物館もあった。センダイとハムフンを結ぶ船が運行していた。だがそれすら存在しない。時間はあらゆるものを消し去ってしまう。あれはあれで良い時代ではあったよ」

 だからあれほどアキタの栄光に固執するのか。

 いつの間にか感傷的な空気が場を支配していた。

「だが結局その時代が終わったとしても、支配者がアキタ人からフクイ人に変わったに過ぎない……」

 口元に悲観的な雰囲気が漂うのを観て、さすがのサガラも後ろめたくなった。

 すでにその瞬間にはタカハシはもう一度相手の眼を見やって、たたずまいを改めてこう言った。

「やめよう。未来も過去もいつか来た道だ。歴史は同じ道筋をずっと繰り返す。俺たちの心でさえも」

 タカハシはここまで来ると、サガラ相手にあまり居丈高になるのも遠慮したげな様子だった。お互い、人の心が分かるもの同士だと分かったからだ。歴史をよく知るものであれば少なくとも情趣を全く理解しない人間というわけでもない。

「いや、いい会話だったよ。一つの話でこれほど語り合えると鼻」

「敵相手に親切だな」 タカハシは上目遣いで。

「何を言う。今の時代、学識がない人間は情味もない。貴様のような人間がいることに感心するくらいだ。俺の故郷ですらそういう奴は稀だからな」

 それから二人は黙って食べ始めた。料理はいつの間にか冷めていた。サガラは顔の筋肉に気を遣いながら慎重に食べた。ともするとすぐ目が見えなくなってしまう。意外にも、客人はそれに気づいたらしい。

「お前、ひょっとして目が見えないのか?」

「オーサカ人との戦争でな、顔をやられたんだ」

 剣をかすめたのだ。あれ以後、もはや以前のように生きられる体ではなくなった。

「もう少し体をいたわれ。体も心も戦争にうちとけている人間は文明的ではないだろう」

 皮肉交じりに。そしてまたその心遣いを自嘲するかのように、

「まさかこの俺が貴様ごときに心を許すとはな」

「そうか? 俺には今のお前が最初のお前と同じに見える」

 サガラは自然にそう言ったが、タカハシは妙に気乗りしない表情。

「どうせ郷里に帰ればまた俺はしがない人間で終わる。お前が云う通り俺以外の人間はみんな荒くれ者だ。とても腹を割って話せる相手じゃない」

 それから口を抑えあくびをして、

「お前も俺も、歴史の登場人物に過ぎない。憶えておけよ、お前らがこの地を支配し続けるのは長くないんだ。お前たちはここにいるべき存在じゃないんだからな!」

 タカハシはそれから何も話すこと無く、急いで飯を食べ終わるとそのまま部屋を出た。サガラが様子を見ると、さして警戒することもなくいびきをかいていた。対話で力を使い果たしたのだろう。恐らく、この点ばかりはサガラに心を許さざるを得なかったのだろう。サガラがそれを理解するかどうかは別として。

 しかし何と自分は天邪鬼なのだろう。ひたすら強いものにすがり、強いものの主張を受け入れることでしか存続できないのか。自分の思想を持った途端体が破裂してしまうというわけでもないのに。

 タカハシが言うことも分かる。歴史とは強者が造るとはあまりにたわけた戯言に過ぎない。ペンは剣よりも強し、などそれこそふざけた思い上がりだ。しかし大半の愚者が行動した結果、その言葉のまるで生き写しのような状況が描き出されてしまうのである。だからこそ、過去を克明に記録しなければならない。それでも、だ……過去をはっきり知っている人間がどれほどいる。彼だって過去をありのままに認識しているわけではないはずだ。

 確信ではないが、サガラはフクイによるこの地の支配が長くないだろうと感じた。この敵地を支配し続けることが国外に対する力の誇示である以上、それはフクイの弱さでもあるのだ。タカハシの言葉も決して強がりではなく、事実の一部を見抜いた物なのである。しかし、ここまで考えることに果たして意味があるだろうか。

 何であれ、ソーリの意向が絶対なのだ。王が全てをみそなわすのであり、民は王の権威に服従するに過ぎない。王がこの土地の支配を諦めた時、サガラもここを去らねばならない。だがそんな命令が下るわけもない。ならばずっとここにとどまり続けるしかないのだ。そこに個人の推察など何ら関係がない。


 サガラはこの会話で色々沸き起こって来た感情を整理するために、いったん外に出た。迎え出る暗闇。夜の風に打たれ、ふとサガラは我に返った。

 外では、星が弱弱しい光を灯すばかりである。この星も、実際には地球や太陽より遥かに巨大なものだ。その星に到達することさえ、先祖にはたやすいことだったのだと、村人に説明して納得してもらえるだろうか。

 またここから人類は宇宙に進出するレベルまで回復するのだろうか。回復したらまたもや石器時代に逆戻りするのか。そんな輪廻を繰り返すことに価値があるだろうか。

 そしてまた、元の家に戻る。廊下を渡り、自室に向かう途中でふと娘の部屋をうかがうと、子供はベッドの上に仰向けになって、穏やかに寝ている。その様子を見てサガラは、若干感情は安らいだ。そしてまたもやサガラには、新しい考えが押し寄せてきた――この気持ちこそ、人間が葛藤する中で、求めざるを得ないものなのかもしれないと。

 昔も今も、人間はいつもそうやって命を繋いできた。こればかりは決して変わらない。命があることへの苦しみこそ、古代の人類と今の人類が分かり合えることだ。

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