第44話 防衛戦後の様子
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神雷鳥サンダーバードの背に乗り、村へと向かうナキとクルークハイト。
一年前にサンダーバードに襲われた理由が自分の魔力にあると聞かされたナキの心境は、かなり困惑していた。
(おっさんの言ってた事が本当だとしたら、俺のマナはセイレイ達や神獣を引き付ける特別性、一年前に月のしこう神に言われた適性がない、これは俺にオーラがない事を前提に言ったんだとしたらどう考えてもムジュンしてる。
でも一番の疑問は、俺はどのタイミングでマナを授かったんだろう?)
「凄い凄い! 時々シャーロットがヨハンナに乗って飛んでる姿を見かけてたけど、空を飛ぶってこんな感じなんだな!
ナキもそう思うだろう!?」
「……ん? ごめん! 考え事して聞いてなかった!
今なんて言った?!」
考え事に夢中でクルークハイトの話を聞いていなかったナキは、風の音でかき消されないよう声を上げてクルークハイトに聞き直した。
「だから! 空を飛んでる事についてだよ!
空を飛ぶのってこんなに気持ち良い事だったんだって!」
「そうだな、すごく気分は良い! でも風が強くて肌寒いくらいだ!」
《それなら私たちがケッカイはろうか?》
「結界? ウォール系統のマホウと何かちがうのか?」
《ウォールはブツリコウゲキとかマホウコウゲキとか色々ふせげるけど、ケッカイだったらトクテイのものだけふせげるよ〜》
「それならお願いしようかな」
《うん! みんなてつだって〜》
《《《良いよ〜》》》
カノンの一言で周囲にいた下位精霊達がサンダーバードの周囲を一定の距離で囲い、〚エレメンタル〛を使い見えない壁のようなものを張り巡らせる。
すると先程まで感じていた風の抵抗力が一気に弱まり、そよ風程度までになった。
「おぉ、風の抵抗力が弱まった!」
《これならさむくないでしょう?》
「あぁ、ありがとうカノン、皆」
「ナキ、村が見えてきた。皆も戻って来てる!
……あとヴァンダルさんが入った通りオフィーリアから来たっぽい人達も」
そう言ってクルークハイトが指さした先は李の果樹が生えている公共の広場で、そこには先に避難したアネーロ達を含む村の住人達の姿があると同時に、ディオール王国の遠征部隊とは違う鎧を身に纏う人間達の姿もあった。
先程クルークハイトが言ったように、ルオとレーヴォチカが連れ帰ってきたオフィーリア帝国の騎士達らしく、彼らは獣人の住人達を襲うようなことはせず村の周囲に気を配り、守っているようだった。
「見たところ、危害を加えられてはいないみたいだな」
「皆無事そうで良かった……。
けど、俺達どこに降りる? 広場には皆がいて降りれそうにないし」
「風マホウで声を飛ばしで場所を開けるよう伝えてみる……えっ!?」
何処に降りようかと相談していると、周囲にいる精霊の数が増えている事に気付いたナキは驚きの声を上げた。
しかもその様子はカノンを含む元々いた精霊達と違い重々しい雰囲気をまとい、シェイシェイと同じ中位精霊が何十体といたのだ。
それだけでなく、鳥獣型の魔物に乗った武装集団まで現れたため、ナキは慌ててサンダーバードに指示を出した。
「止まれ! 知らない連中に囲まれてる!」
「クェーッ!」
「えっ!? うわぁっ! いつの間に?!」
《何するんだよーっ!》
《アッチいけーッ!》
《ほういかんりょう〜》
《大人しくおなわにつけい!》
突然見知らぬ武装集団に包囲され、困惑するナキとクルークハイト。
サンダーバードは二人を落とさない体制でその場でホバリングし、武装集団を警戒する。
カノン達下位精霊達は包囲する同じ下位精霊達に退くように説得するが、下位精霊達は聞く耳を持たず、ジリジリと距離を詰めていた。
「ナキ、これどういう状況!?」
「囲まれてる事以外わからない!
おまけにセイレイにも囲まれてその中に中位セイレイが複数体いるから、カノン達も逆らえないみたいだ!」
「中位精霊が複数って、嘘だろう?!」
複数体の中位精霊がいると聞かされたクルークハイトは信じられないと言った様子で自分達を方位する武装集団を見回した。
それはナキも同じ事で、このままでは不味いと感じ魔法を発動させるタイミングを見計らっていた。
だがそこで、耳を疑う発言が聞こえてきた。
「こちら『ティアちゃん護衛部隊』空軍幹部ミラー、警戒対象の方位完了。
護衛部隊陸軍、応答せよ」
「クェー?」
「……はい?」
「今なんて言った?!」
《ティアちゃんごえいぶたいだって~》
どうやらナキ達を囲む武装集団はティアちゃん護衛部隊なるものらしく、サンダーバードに乗るナキ達を危険人物とみなし包囲したらしい。
だが問題はそこではなく、その組織名だった。
武装集団の組織名は『ティアちゃん護衛部隊』、そう、『ティアちゃん護衛部隊』というのが問題なのだ。
「なぁ、ティアちゃんってまさかとは思うけど……」
「ティアさんの事だよな? 俺達が知ってる……」
二人が各々出した答えは、常識外れなスライムを連れているティアだった。
現に村にティアと着く名前の人物は一人しかいない。
一体コレはどういう事なのかと混乱していると、地上から一等の天馬が見覚えのある獣人を乗せてナキ達がいる上空に飛んできた。
「おーい待ってくれーっ!
その鳥に乗ってるのはさっき言ってた子供達だから!
包囲を解いてくれーっ!」
「ルオさん!」
「それにヨハンナも!」
「ヒヒーンッ!」
「おう、二人とも元気だったか?
こんな状況で村の上空にデカい鳥が飛んできたもんだからな、ちょっとしたプチパニック状態になっちまったんだよ」
どうやらディオール王国の遠征部隊が攻めてきた事やミスリルゴーレムに加え、ナキとクルークハイトを乗せたサンダーバードが近付いたことにより一種の緊張状態に陥っていたらしい。
おそらく精霊達を経由してサンダーバードにナキとクルークハイトが乗っていると知り、包囲しているティアちゃん護衛部隊の誤解を解きにくれたのだろう。
「それよりミスリルゴーレムに追いかけられてるんじゃなかったか?」
「そのミスリルゴーレムは無事に討伐されたよ。
今はヴァンダルさんが現地に残って問題ないか確認してくれてる!」
「おっさんにミスリルゴーレムが討伐された事を伝えにいけって言われて、コイツに乗って戻ってきた直後に包囲されて、めちゃくちゃ焦ったよ」
「そうか! ミスリルゴーレムが討伐されたんだな、それは何よりだ!
それでそのサンダーバードって鳥は何処から来たんだ?」
「それについては地上に降りてから説明させて。
説明するにしても色んな意味で長くなるだろうから!」
事の経緯を簡単に説明し、詳しい内容を話すとなればナキの出自についても話すことになるだろうと思い、クルークハイトは地上の降りる事を提案した。
そしてルオに着いてきた下位精霊達がティアちゃん護衛部隊の精霊達にも事情を説明したらしく、中位精霊の一体が護衛部隊の人間に報告していた。
「こちらティアちゃん護衛部隊空軍幹部ミラー、詳しい状況を確認した。
これより対象を地上へと誘導する」
「一先ず誤解は解けたみたいだな。それじゃあ地上に降りようぜ」
「でも包囲はされたままなんですね……」
「良いか? 周りにいる人達に合わせて動くんだぞ?
変に動いたら攻撃されるかもしれないからな?」
「クェ〜」
ナキ達への誤解は解けたようだが以前包囲されたままの状態で、地上に降りる事になった。
ティアちゃん護衛部隊に誘導されながら村の公共広場へと無事に着陸すると、ナキとクルークハイトの姿を見た住人達が駆け寄ってきた。
「二人とも良かった、無事だったんだな!」
「心配したのよ、怪我はしてない?」
「クルーク、クルークハイト!」
「良かった、リザードマンと一緒にいなくなったと聞いて生きた心地がしなかったわ!」
「ナキ、クルークハイト無事!?」
「二人が帰ってきた!」
《ナキ〜ッ!》
村の住人全員が二人の無事な姿を見て安堵し、村中に歓喜の声が広がる。
先に戻っていたアネーロ達も駆け寄り、ローロの腕の中にいたノルンはその中から抜け出し、ナキの腕の中に飛び込んだ。
「アネーロ、皆!」
「ノルン! お前も無事だったんだな」
《ひどいよ、ノルンのことおいてくなんて!》
「ゴメンなぁ、あの時は本当に非常事態過ぎてアレが最善だと思ったんだよ」
《ノルンしんぱいしたんだよ? こんどはおいてっちゃやぁだ!》
ノルンは涙目になりながらナキの胸元に顔をグリグリと押し付ける。
余程ナキの事を心配していたようだ。
それは先に戻っていたアネーロ達も同じらしい。
「ナキ、良かった、本当に良かったぁ」
「精霊が付いてるとはいえ、一人で囮になったの見た時は生きた心地がしなかったんだぞ?!」
「もうあんな無茶したらダメだぞ!」
「本当に心配したんだからもう!」
「この鳥どうしたんだよ?」
ナキの無茶振りを目の当たりにしたアネーロ達はこれでもかとナキの頭を撫で回したり、頬を引っ張ったりと構い倒した。
アネーロ達なりに怒っているのだとわかるものの、ナキとしてはその反応がとても嬉しかった。
お互いの安否確認が終わった所で、ナキ達は別れた後の状況を確認を行った。
「俺の方はおっさんとクルークハイトが連れてきてくれたリザードマンのおかげで、ミスリルゴーレムは無事討伐された。
それでコッチのサンダーバードだけど、しゅうげき前に話した一年前に俺を追いかけ回した巨鳥だ」
「「「えぇええええええええっ!?」」」
「ナキを襲った張本人、いや張本鳥?!」
「なんでその鳥がここにいるの!?」
「自分を襲った鳥に乗って帰ってきたってこと!?」
「俺自身のマナが原因でミスリルゴーレムに捕まって、おっさんが助けてくれてる最中にダンガイゼッペキに放り出されて大ピンチになった時に助けられたんだ」
「精霊経由でわかったことだけど、ナキを食べようとしたんじゃなくて世話しようと追いかけ回してたらしいんだ。
おまけに果物しか食べないらしいからビックリだよね。
おかげでナキが助かったけど……」
ミスリルゴーレム討伐とサンダーバードがいる経緯を説明したナキは、少々疲れた表情をしていた。
クルークハイトもサンダーバードがナキを追いかけ回した経緯をしり、笑いながらも困った表情だ。
「それでおっさんは現場の保全を目的に現地に留まってる、相手したミスリルゴーレムがマホウを使ってたからワンチャン復活することを危惧してみたいだ。
俺達の方は簡単に言うとこんな感じだ」
「そっちの方は? 俺がリザードマンと一緒にナキのところに向かったあとにルオさん達が来てくれたみたいだけど、基本的にどんな流れになったの?」
ナキとクルークハイトは自分達に起きたことをざっと説明し、自分達が離れた後の様子を確認した。
聞かれたアネーロ達は少々困惑した様子で、どのように話すべきか悩んでいるように見えた。
先程のティアちゃん護衛部隊のこともあり、一体何が起きたんだと疑問に思う二人。
しばらく悩んだ後、アネーロがその後の様子を話し始めた。
「さっきクルークが言った通り、クルークと別れた後にオフィーリア帝国に言ってたルオさんとレーヴォチカが騎士団と護衛部隊の人達と一緒に戻ってきて、ディオール王国の遠征部隊を制圧してくれたんだ。
……とはいっても、全部護衛部隊の人達がやってくれたんだよね」
「えっどういうこと!?」
「オフィーリアの人達が行動に移す前にティアお姉さん護衛部隊の人達がすぐに動いて、あっという間にやっつけちゃったの」
「なんかよくわからないこと叫びながら怒涛の勢いで動いてたよな」
「うん、怒涛の勢いだった」
「フォディオさん達がいた進行ルートも似た感じだったみたいだよ」
《「敵の戦力を確認! 了解! 大和魂を見せてやる!
俺は攻撃を行う! 俺は防衛を行う! 了解! 了解!」
って言いながらうごいてたの! すごかったよ!》
「……俺達がミスリルゴーレムを相手してる間に何が起きたんだよ」
「全然想像できないんだけど……」
アネーロ達から各進行ルートの様子を聞いたナキとクルークハイトは、状況が全く理解できず反応に困った。
ただノルンの発言から、反応に大変困る展開が繰り広げられたということだけはわかった。
そして、だいたい予想はついて入るが、一番の疑問であるティアちゃん護衛部隊を名乗る武装集団について訪ねた。
「それでさっき俺達を包囲したティアちゃん護衛部隊って、もしかしてとは思うけど……」
「うん、ティアさんのためのすごい人達」
「「やっぱりか……」」
シャーロットの口から決定的な証言を聞いたナキとクルークハイトは、同時にため息を吐いた。
ナキが初めて接触した時もそうだったが、ティアの所作は洗礼されており、その仕草や容姿からして何処かの国の貴族令嬢なのは察していた。
そうでなければわざわざティアちゃん護衛部隊が大海の森という危険区域にやってくる訳がないし、理由もない。
何かしらの理由でここにいるティアを探しに来た、もしくは迎えに来たということになるのだろう。
ただ、何故そのティアちゃん護衛部隊がルオとレーヴォチカ、そしてオフィーリア帝国の騎士団と行動していたのかが謎だった。
「その護衛部隊がなんでルオさん達と一緒にいるんだよ?
しかもものすごい攻撃的に感じたし」
「ナキ、今朝な気が話してくれたヴァレンティーヌ王国の凄い勢力と、行方不明になったヴァレンティーヌ王国出身の少女の事覚えてる?」
「あ? あぁ、ディオール王国の奴らを速攻追い払っていう、ってちょっと待て、この流れでまさかとは思うけど……」
「そのまさか、凄い勢力っていうのがティアさん護衛部隊で、行方不明になった少女っていうのがティアさんだったんだよ」
「ちきしょうやっぱりか!」
「ちょっと待てよ、なんでティアさんは行方不明に、っと言うより大海の森に転移されたんだ!?」
「転移? なんのことだ?」
自分の予想が当たってしまったことに頭を抱えるナキだったが、クルークハイトの口から出てきた内容に思わず反応し、説明を求めた。
クルークハイトを含めたこの場にいる全員が事情を知っているようだ。
「そういえばナキは知らなかったよな。
実はティアさん、ここに来る前にガクエンって呼ばれる場所にいたらしいんだけど、何刻か前に強制転移で大会の森に移動させられたらしいんだよ。
プルプルと一緒に彷徨っているところをルオさんが保護したんだ。
確かそう、稲苗月の二四か五あたりの話になると思う」
「その辺りだと丁度俺がポータルの話を聞いた時期だな。
でも貴族レイジョウが一人行方不明になったとはいえ、ロリババアが区長全員を招集して会議するほどとは思えないな……」
《それはティアがトクベツだからだよ〜》
《ナキの次にトクベツなの。ティアの次がシャーロットだよ》
ナキがスターリットで聞いた内容から、二四人の区長を全員集めてまで会議を開いたアリョーシャの意図が読めず思案していると、周囲にいた下位精霊達がその疑問に答え始めた。
そこで特別だからというワードがでてきたため、余計に意味がわからず混乱しているとティアちゃん護衛部隊と行動している中位精霊達がやってきて下位精霊達に注意し始めた。
《そこ、情報を無闇矢鱈に公開しない!》
《その件に関しては箝口令を敷くので、発言厳禁とする!》
《《《ハ〜イ》》》
「……今ここでティアさんに関する情報にカンコウレイがひかれたんだけど?」
「え、そんな事起きてるの!?」
《ハツゲンゲンキンだって。ハツゲンゲンキンってなぁに?》
「簡単に言うと話しちゃダメってことだよ、でもなんで箝口令なんか敷かれたんだろう?
シャーロットならわかるけど」
発言厳禁の意味についてイーサンがノルンに説明していると、シャーロットについて話が出てきた。
先ほど下位精霊達からもシャーロットも特別であるような発言が出てきたため、そこから何か推察できないかと考えたナキはその場にいる全員に尋ねた。
「シャーロットならってどういう意味だ? なんか心当たりでもあるのか?」
「あ〜っと、それは〜」
「イーサン、あのね、ナキにも私のこと、話してた方が良いと思う」
「うん、ナキがここに来る経緯が経緯だから話しておいた方が良い。
ナキもこれから言うことは村の外の人には絶対言わないようにして」
「……その様子からして、かなり面倒な内容みたいだな。
わかった、話してくれ」
クルークハイト達の様子からして、シャーロットについて何か問題を抱えていると悟ったナキは周囲に気を配りながら話を聞くことにした。
「あのね、私はフェイリースで、風の神様から祝福された『風の聖女』なの」
「そう来るか、でもアイツらが言ってた内容だとフェイリースにいるのは神子の筈じゃあ?」
「多分神子と聖女の見分けがあんまりついてないんだと思う。
シャーロットの場合は神様に気に入られて祝福をもらったから聖女、神子の場合は生まれる前から神様からカゴをもらってるから神子になるらしい。
どっちも国にいるだけで何かしら災害が減ったり農作物が育ったりと影響があるらしいけど、多少の差はあるそうだ」
「それでディオール王国はフェイリースの様子を見て神子がいると勝手に勘違いして、シャーロットを手に入れようと勇者召喚を実行したんじゃないかしら?」
下位精霊達が言った通りシャーロットは特別で、フェイリースにいるはずの風の聖女であり、そしてディオール王国は風の聖女と神子を勘違いし、神子と間違えられているシャーロットを手に入れるべく異世界から双子の弟優を召喚したのではないかと聞いたナキは、内心かなり腹を立てていた。
シャーロットが風の聖女であるということは想定外だったが、神子がフェイリースに囚われているという情報其のものが嘘だったのだ。
捕まっているどころか実際の所、神子と間違われたシャーロットは口減らしで実の親から捨てられ、狼族に保護されナキの眼の前にいるのだ。
聞いた話と実際の話しがあまりにも違う状況に、無実の罪で大海の森に追放されたナキとしては腹を立てるなということの方がかなり無理なのだ。
むしろディオール王国側は問題しかないように感じた。
「アイツらマジでムカつく〜。
シャーロットにつていわかったから話は戻すけど、なんでティアさんのゴエイ部隊がオフィーリアの騎士団と一緒にいるんだよ?」
「それが、聞いた話によるとティアさんを転移させた犯人がディオール王国らしいの」
「「ハァ!?」」
アミの口からティアを大海の森に転移させた犯人がディオール王国だと証言されたため、ナキとクルークハイトは疑念の声を上げた。
シャーロットはともかく、何故ディオール王国がヴァレンティーヌ王国の貴族令嬢であるティアを大海の森に転移させたのか、その意図が全くと行っていいほどわからなかったからだ。
「訳分からんって気持ちもわかるけど、実際はティアさんを自分達のところ、つまりディオール王国に転移させようとして何故か大海の森に飛ばされたって説明があったから本当のことっぽい」
「どんだけやらかしてるんだよアイツら!?
ダメだ、今聞いた話だけじゃあ全然まとまらない」
「ナキが追放されてからの様子も知りたいけど、誰か情報持ってない」
「あ〜、無くはないけどナキとしては良い気はしないかも」
「どういうことだ?」
ナキが追放された後の様子も含め、詳しい内情を知ることはできないかと考えていると、アネーロが申し訳なさそうに手を上げた。
そんな様子のアネーロを見たナキとクルークハイトはどうしたのかと首を傾げると、ノルンがナキを見ながらあることを伝えた。
《ナキ、あのね。ノルンたちナキにつたえなきゃいけないことがあるの》
「伝えなきゃいけないこと??」
「何かあったのか?」
《あのね、おちついてきいてね。
ナキの“ドウキョウノコタチ”がぜんいんここにいるの》
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