第40話 呼び出された厄災
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迫り来るディオール王国の遠征部隊の足止めをしながら、村までの撤退戦に身を投じたナキとクルークハイトの目に映ったのは、巨大な金属のゴーレム。
同じ遠征部隊として同行したディオール王国の魔法士から友樹の呪術で奪った魔力を受け取り、それを元手に召喚士の適性を持つ和樹が呼び出した魔像系統の魔物だ。
「なんだアレ⁉ 巨大な金属の人形みたいに見えるけど……」
「アレはゴーレム、マゾウ系統に属するマモノだ!
材質からして金属だから炎マホウが弱点だけど、こんな森の中で炎なんか出したら火災になっちまう……」
「な、な、なんじゃありゃあーっ⁉」
「え? え⁈ 何アレェ⁉」
ナキとクルークハイトが召喚された金属のゴーレムに圧倒されていると、先頭を走っていたアネーロ達も振り向いて金属のゴーレムを目の当たりにして酷く動揺していた。
一方、和樹達の暴挙に狼狽えていた騎士達は召喚された金属のゴーレムを見て歓喜の声を上げていた。
「お、おぉ、カズキ様がシルバーゴーレムを召喚されたぞ!」
「凄いぞ、橙階級までしか呼び出せなかったのに黄緑階級を呼び出すなんて!」
「流石は勇者様のお仲間だ!」
喜ぶ騎士達の会話の内容から、召喚された金属のゴーレムが黄緑階級のシルバーゴーレムだと知ったナキ。
その情報から以前見た魔物図鑑の内容を思い出していた。
(黄緑階級のシルバーゴーレム、図かんの内容では確か中級から上級の炎マホウで倒せたはず……アレ?)
ナキは魔物図鑑に記載されていたシルバーゴーレムの弱点を思い出した時、とある一文を思い出した。
それと同時にその一文と目の前のシルバーゴーレムにとある矛盾が生じている事に気付いた。
「このシルバーゴーレム、デカすぎる?」
「そりゃあゴーレムなんだしデカいに決まってるだろう⁉」
「ちがう、そうじゃない、あのシルバーゴーレム、俺が図かんで見た内容よりもデカいんだよ!」
「ちょっと待てナキ、その言い方だとナキが見たって言う図鑑にはシルバーゴーレムの体長が書かれてたって事だよな?
だったらその図鑑には、体長何mって書いてあったんだ⁉」
ナキの発言から目の前のシルバーゴーレムの体長を知っている事を理解したクルークハイトは、すぐさま魔物図鑑に書かれていたシルバーゴーレムの体長を訪ねる。
そこでナキの口から出て来たのは、衝撃の言葉だった。
「記憶ちがいじゃなかったら確かそう、体長七mだ!」
「「「七m⁉」」」
「何かの間違いだろう!
あのシルバーゴーレム、どう見ても十五mはあるぞ⁉」
ナキのその発言から、全員が驚愕の声を上げる。
先程イーサンが言った通り、和樹が呼び出したシルバーゴーレムの体長は二倍近くも違いがあったのだ。
一方でシルバーゴーレムを召喚した張本人である和樹は、息を切らしながらシルバーゴーレムを見て歓喜の声を上げていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はは、やった、やったぞ!
シルバーゴーレムを呼び出せた!」
「でかしたぞ和樹!」
「これで生意気な獣人達もいちもうだじんだ!」
「ここからハンゲキよ!」
「よし、行け! シルバーゴーレム!」
ここぞとばかりに和樹は杖の先端を泣きたちに向け、シルバーゴーレムに攻撃を仕掛けるよう指示を出す。
だが、どういう訳かシルバーゴーレムが指示に従う様子が全くないのだ。
「おい何やってんだよ!
シルバーゴーレム動かないぞ⁉」
「早くアイツらをやっつけちゃってよ!」
「あ、あれ? 可笑しいな……。
シルバーゴーレム、目の前にいる獣人達をやっつけろ!」
友樹と静に急かされ、和樹は再度シルバーゴーレムに指示を出すが、やはり指示に従おうとしない。
どころか、全く動く気配すらないのだ。
シルバーゴーレムが動く気配がない様子を見たナキ達は、戸惑っていた。
「どうしたんだろう、なんか揉めてるみたいだぞ?」
「っていうかあのシルバーゴーレム、動く気配が全く無いような……。
ひょっとして言う事を聞いてもらえてない?」
「あり得るかも、騎士達の会話から橙階級までしか呼べないらしいから、アイツ自身の実力に見合わないショウカンジュウをムリに呼んだせいで使役できないんだ」
落ち着ききれずにいながらもナキは冷静に様子を観察し、シルバーゴーレムを使役できていないと推測した。
不利な戦闘は避けるに越した事はないため、逃げるなら今なのではと考えていると自身の契約精霊である花の下位精霊であるカノンを含む周囲にいた下位精霊達が騒ぎ出した。
《ナキ、今の内ににげよう!》
《急いでここからはなれよう!》
《ゴーレムが動かない内に村ににげよう!》
《あのゴーレムがうごき出したらマズいよ!》
《シャーロット! あのゴーレムは危険すぎるわ、早く村に戻って残っている村人達を避難させないとマズいわ!》
精霊達の慌てようからただ事ではないと感じたシャーロットは、アネーロにその様子を伝えた。
「アネーロ、フィレイ達がすごくあわててる!
あのゴーレムは危険だからって、今すぐ村の皆をひなんさせないとって!」
「わっわかった! 皆、急いでここから離脱するぞ!」
シャーロット経由で普通ではない精霊達の様子を確認したアネーロは、精霊達の警告通りナキ達を連れてすぐさまその場から離脱する。
「マズいぞ、獣人達に逃げられちゃう!」
「和樹早くゴーレム動かしてよ!」
「言われなくてもわかってるよ!」
由麻達が意味のない言い争いをしている間、ナキは走りながら精霊達にシルバーゴーレムについて訪ねた。
精霊達の慌てようから、精霊達が和樹が召喚したシルバーゴーレムの正体を知っているのではと推測したのだ。
「カノン、皆、あのシルバーゴーレムについて何か知ってるのか?」
《ナキ、あれシルバーゴーレムじゃないよ!》
《アイツとんでもないヤツよび出しちゃったんだ!》
「シルバーゴーレムじゃないの!?」
「前にずかんで見たのとは全く別の種類、変異個体ってわけじゃないんだな?」
《ヘンイコタイならあんなにおっきくない!》
《ヘンイコタイなら炎がきかなくなってる!》
「じゃあ、召喚士の男の子が呼び出したゴーレムは結局なんなの!?」
頑なに和樹が召喚したのがシルバーゴーレムではないと主張する精霊達。
精霊達を認識できるナキとシャーロットの翻訳で会話の内容を聞いていたローロは、和樹が呼び出した金属のゴーレムの正体について直球で訪ねた。
精霊達がローロの質問に答えるよりも前に、和樹が金属のゴーレムに対してとんでもない行動に出た。
「いい加減に言う事聞けよ、このポンコツ!」
そう言いながら足で金属のゴーレムを蹴ったのだ。
和樹に蹴られた金属のゴーレムは、そこでようやく反応を示した。
「やった、動いたぞ!」
「カズキ様、獣人のガキ共が逃げていきます!
早くシルバーゴーレムに追撃するように指示をお出し下さい!」
「言われなくてもわかってる!
さぁ行け、シルバーゴーレム! 奴らを捕まえろ!」
杖の先端を再度ナキ達に向け、金属のゴーレムに指示を出す和樹。
そして、ココに来てようやく金属のゴーレムが動き出したのだ
が、それは由麻達含むディオール王国の遠征部隊が望んだ形ではなかった。
「ギ、ギギギギ、ギガガガァアアアアアアッ!」
「「「……え?」」」
逃げるナキ達を追いかけるよう指示を出されたにも関わらず、金属のゴーレムは右手を振り下ろし、和樹のすぐ隣りにいたディオール王国の騎士二人を叩き潰したのだ。
幸い振り落とされた右手は和樹がいる一からズレていたため和樹本人は無事だったが、騎士達だったモノが潰れた衝撃で、顔中血だらけになっていた。
最初何が起きたのかわからなかった和樹だったが、しばらくして状況を理解し、悲鳴を上げた。
「……ヒッギャアアアアアアアアアッ⁉」
「し、死んだ、死んだ、死んだ! なんで⁉」
「イヤァアアアアアアアアッ⁈」
「シシシシシシルバーゴーレムががががみみみみか味方をここここここころころころろろろろ」
「バカ! 何やってんだよ和樹⁉
敵はあっちにいるのになんで味方をコウゲキするんだよ!」
「ち、ちがう、ちがう! 僕じゃない!
シルバーゴーレムが勝手に!」
和樹が悲鳴を上げたのと同時に、一気にパニックに陥るディオール王国の遠征部隊。
そしてその様子を逃げながら聞いてナキ達は、何が起きたのかわからなかった。
「な、何⁉ 今おっきな地響きがしたと思ったら後ろから叫び声が聞こえてきたんだけど⁉」
「な、何が起きてるのぉ⁇」
「皆、絶対後ろを振り向くな! 前だけ見て走れ!」
「ナキ、後ろで何が起きてるんだ⁉」
「さっきのゴーレムが上村の指示を無視してあばれ出したんだ!
ギセイシャも二人出てる!」
「ナキの言う通りに前だけ見ろ! 絶対振り向いちゃダメだ!」
金属のゴーレムが暴れ出したと聞いたクルークハイト達は、振り向く事なく全速力でその場から逃げ出した。
特に最年長に当たるアネーロは先程のナキの説明内容から状況を察し、絶対振り向かないよう全員に釘を差す。
「さっきのゴーレムが暴れ出したってどういう事だよ⁉
やっぱり実力不足で制御不能なのか⁉」
「ちゃんと確認してないから断言できないけど、多分そう!
言う事を聞いてる様子はなかった!」
《ナキ、ナキ! ゴーレムがディオール王国のひとたちおそってる!
ゴーレムのまわりがまっかっかだよ!》
「ノルンお口にチャック! 怖い事言わないで‼」
ローロに抱えられていたノルンが後方の様子を見ていたらしく、状況報告を受けたナキは顔を青くする。
ノルンの念話が聞こえていたローロに至っては、涙目で状況を報告しないように訴えていた。
自分が思っていた以上の予想外の事態に、ナキは下位精霊達に聞きそびれた金属のゴーレムの正体について訪ねた。
「カノン、皆、さっき聞きそびれたけどあのゴーレムがシルバーゴーレムじゃないっていうならヤツの正体はなんなんだ!」
焦りながら和樹が召喚士た金属のゴーレムの正体について、下位精霊達に問いただすナキ。
それによってナキが対処できるかどうかが変わる。
そしてカノン達精霊が答えた他ゴーレムの正体は、想像を遥かに上回る存在だった。
《アイツの正体は〝ミスリルゴーレム〟!
ブラッディ・ベアと同じ〝サイガイキュウ〟だよ!》
「サイガイキュウだって⁉」
精霊達が告げた金属のゴーレムの正体、それはミスリルゴーレムと呼ばれるブラッディ・ベアと同じ災害級の魔物だったのだ。
身近でブラッディ・ベアの恐怖を感じたクルークハイトも、災害級と聞いた瞬間直ぐに反応した。
「災害級ってブラッディ・ベアと同じ危険な魔物って事⁉
ナキの魔法で倒せる奴か⁉」
《多分ムリーッ!》
《ミスリルゴーレムはブラッディ・ベアとちがって青階級のマモノなんだよ!》
《今のナキのジツリョクじゃあ、勝てっこないよ!》
《マホウが効きづらいから、ナキとは相性サイアクすぎるよ!
逃げのいったく以外ない!》
「上村の野郎が呼び出したのはミスリルゴーレム!
ブラッディ・ベアと同じサイガイキュウでマホウが効きづらいらしく俺と相性が悪いらしい!
おまけに青階級、ブラッディ・ベアよりも強いから逃げるしかない!」
「嘘だろう⁉ あのブラッディ・ベアよりも強い災害級がいるのかよ⁉」
ミスリルゴーレムが前回自分とナキを追い詰めたブラッディ・ベアよりも強いと聞かされたクルークハイトは、顔を青くした。
トドメは鉛色のリザードマンが差したとはいえ、ナキですら古代魔法を使ってもギリギリ致命傷を与えられるかどうかだったブラッディ・ベア。
それを遥かに上回る強さを持つミスリルゴーレムが、自分達の後方で暴れ回っていると思うとゾッとした。
加えてナキとは相性が悪いとなれば、対応できないのは明白だ。
「なんとかして倒せないの?」
「どうしてナキとは相性が悪いんだ⁈」
《ミスリルゴーレムは精霊銀と呼ばれる特殊な銀鉱石で、魔力を取り込みやすい銀なの。
だから魔法で攻撃しようものなら逆に魔力吸収されてしまうわ!》
「マナを吸収、吸収された場合、ミスリルゴーレムはマホウが使えるようになるのか⁈」
《基本溜め込むだけの筈だけど、個体によっては魔法を使ってくるゴーレムもいたような……》
フィレイからミスリルゴーレムの情報を聞かされ、自分の魔力が使われる危険性がある事を知り炎魔法を使うのは得策ではないと思った。
個体差によっては魔法を使う、つまり自分が和樹が呼び出したミスリルゴーレムに対し炎魔法を使えば吸収され自分に返ってくる危険があるのだ。
「マナをため込む、弱点の可能性が高い炎マホウを使うのは得策じゃないか……」
「そんな危険な魔物、なんで呼び出しちゃったの⁉」
「それ以前に、どうしてミスリルゴーレムなんて召喚できたんだ⁉
普通はあり得ない事なんだろう!」
「それは実力にあわないからってナキ君言ってたよ⁉」
「それは使役の話! ショウカン出来たのは他に理由があるはずだ!」
《マナだよ! マナのシツのちがいがげんいんだよ!》
和樹が災害級であるミスリルゴーレムを召喚出来た理由は、魔力の質の違いにあるというカノンの発言にナキは思わず足を止めそうになった。
「マナの質のちがい? どういう事だカノン⁈」
《マナはゾクセイがちがうようにこじんでもシツがちがうの!
チイキごとに水に住む生き物がちがうでしょ?
それと同じなの!》
《サモナーの子、考えなしにソーサラーふたりのマナを使ったから、マナ同士がハンパツしあっちゃったんだよ》
《たにんのマナを使うなんて、すごいムチャだよ!》
カノンや下位精霊達が魔力の質についての説明を聞き、唖然となる。
「つまり、質がちがう三人分のマナ同士が反発し合った状態でショウカンジュツを使った結果、偶然とはいえミスリルゴーレムがショウカンされたって事かよ⁉」
「そんな偶然いらないよ~っ!」
異なる質の魔力を使った事による偶然により、ミスリルゴーレムが召喚されたと知ったナキ達はなんと余計な偶然が起きたのか思わずにはいられなかった。
だがそう考えるのも束の間、先程の地鳴りが再び発生した。
だがその地鳴り、先程とは違い違和感があった。
「キャアッ! また地響きがしたわ!」
「うわっ⁉ また地響きだ!」
「な、なぁ、この地響き、なんか近付いてきてないか?」
「地ひびきが近付いてる?
ノ、ノルン、後ろの様子分かるか⁉」
地響きが近付いて来ているというイーサンの言葉に胸騒ぎを覚えたナキは、ローロに抱えられているノルンに後ろの様子を確認させる。
そこでノルンから語られた様子は、ナキからすれば最悪の展開だった。
《え、えっとね、ミスリルゴーレムがコッチきてるーっ!》
「ウソだろう⁉ ウソじゃなかったぁあああああああっ‼」
ノルンからの報告を受けたナキは後ろを確認すると、そこには後ろで暴れている筈のミスリルゴーレムが自分達を追いかけてくるという信じたくない光景だった。
ミスリルゴーレムの両手足は所々赤く染まっており、その姿がなおのことナキの恐怖をかき立てた。
「お前ら、さっきも言ったがミスリルゴーレムが追いかけて来てる!
絶対絶対ぜぇえええええええっったい、後ろは振り向くな‼」
「もう振り向いちゃったよ!」
「なんで振り向いちゃうんだバカ!」
「つい好奇心に負けてーっ!」
折角ナキが警告したにも関わらず、つい振り向いてしまい赤く染まったミスリルゴーレムの姿を見てしまったクルークハイトは、振り向いた事を後悔した。
《あのミスリルゴーレム、マナに反応してこっちに走ってきたみたい!》
「マナって、もしかして私のせい⁈」
《ちがう、シャーロットじゃない! ナキの方!》
「ハッ? 俺⁉ どういう事だ⁈」
魔力に反応してミスリルゴーレムが追いかけてきているという精霊達の言葉に、自分が原因なのかと問うシャーロットに対し、精霊達はシャーロットではなく原因はナキにあると告げた。
突然の責任転嫁にナキは動揺を隠せずにいたが、ナキの懐に入るカノンが理由を告げる。
《ナキのマナはすごくジョウシツなの!
おまけにマナのリョウも多いから、ミスリルゴーレムがハンノウしてコッチに来たんだよ!》
「俺のマナが上質な上に量も多いって、それじゃあシャーロットは⁈
俺よりも色んな奴とケイヤクしてるからシャーロットの方が特別なんじゃ……」
《ちがうよ! シャーロットもトクベツだけど、ナキにと比べたらそれほどトクベツじゃないの!》
《今ここで一番トクベツなのはナキなんだよ!》
《ナキがトクベツだからミスリルゴーレムは追いかけてきたんだ!》
矢継ぎ早にナキが特別だからという下位精霊達の言葉に、ナキは酷く混乱した。
元いた世界では常に双子の弟優と比べられ、才能無しと呼ばれ続けていた自分にとって特別である事は無縁なモノだった。
それが理由は分からないとは言え、自分の周りにいる下位精霊達が自分は特別だと言われてもすぐに受け入れる事ができずにいた。
(俺が特別ってどういう事だ? 容姿が変わった事と何か関係が?
シャーロットとの違いがあるとすれば俺がこの世界にショウカンされた事くらい、でもそれなら上村達も同じ条件が当てはまる。
けど実際はミスリルゴーレムは上村達をムシしてる、ダメだ、さっぱり分からない。
何がどう特別なのか分からないけど、間ちがいなく俺が原因で追いかけられてるのは確かだ……!)
現状と下位精霊の証言に困惑しながらも、必死に自分の現状を理解しようと努力した。
考えついた結果としては、上質な魔力を持つ自分が原因であるなら別方向に逃げる必要があるという事だ。
このまま村に逃げ込めば、村が破壊されてしまうのは勿論の事、避難先の洞窟にまで着いてくるのは明白、そんな事になれば全滅するのは間違いなかった。
そうならないためにもこのままクルークハイト達とは別行動を取る方が確実だ、そう考えたナキはすぐこの考えをクルークハイト達に伝える。
「俺が囮になる、皆は先に村に戻ってこの事を大人達に伝えて!
場合によってはひなん先を変更してくれ!」
「囮ってナキはどれからどうするつもりだ⁉」
「分からない! けどこのままじゃ村まで着いてこられて全滅だ!
兎に角俺は大海の森中を逃げ回る、カノン達も何人か着けていくから大丈夫なはずだから、だから皆は村へ!」
「待て、ナキ‼」
クルークハイトが待ったを掛けるが、それも虚しくナキは村への道から外れ獣道へと突き進んだ。
それと同時に、ミスリルゴーレムもナキを追う形で進路を変える。
ミスリルゴーレムを相手に、ナキの命がけの鬼ごっこが開始された。
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