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魔王 2

私が怠惰と最初にあったのは魔王となってから3年がたった時だった。

魔王となり世界に私の名が広まってから怠惰の幹部の誕生を神の声が宣言した。


怠惰の幹部は初めての誕生らしい。

他の幹部は初代魔王の時から存在し、代々受け継いできた血統である。

怠惰だけは今まで一人もいなかったと聞く。


怠惰に直接対面すると魔族としては弱そうな見た目だった。

眠そうな顔して魔王の間に訪れたときは憤怒がキレてた。そして寝かされてた。

憤怒は私の側近といっても過言ではない。ある程度の所有スキルも聞かせてもらってる。

そして状態異常無効というスキルを持ってるとも聞いてる。


憤怒が倒れた後次は私の番かと思えばそんな様子は一切ない。

怠惰は私に尋ねてくる。


「魔王様、お初にお目にかかる。怠惰幹部だ」


表情が変わった。あからさまに変わった。


「あぁ、よろしく」


それしか返せなかった。


「?あぁ、いつもの魔王と性格違うから知ってるのかと思えば知らないのか。なら普段に戻るか」


何かつぶやいてる。


「マオー様?どうしたの?」


表情がさっきまでの眠そうな顔に戻る。そしていつの間にか感じていた威圧感がその場からなくなる。


「いや、なんでもない。さっきまでの雰囲気は何だったんだ?」

「ひみつー」

「言えないのか?」

「もっと強くなったらねー」

「そうか」


勝てる気がしないから強気に出られ無かった。魔王になってから初めて感じた。

魔王とは最強の証だと思ってた。上には上がいることを知った。

普段は抜けてる奴だが何かがあるとあの雰囲気が出てくることを後々知った。

あの雰囲気は怠惰の部下と私のみしか知らないらしい。


後日またあの雰囲気に聞いてみた。少しは鍛えて強くなった気がするからどうかと思ったのだ。

返答は変わらなかった。弱いからダメだと。

どのくらい強くなればいいのかと尋ねれば、スキルレベル50は最低だという。

スキルレベルは上限10じゃないのか?怠惰はどれほどの高みにいる?

魔王のレベルが一番高くて7である。

怠惰はそれ以上教えてくれなかった。


その後日、幹部一人一人に聞いてみると憤怒、暴食以外はレベルの上限は10だと言い張る。

憤怒は10以上のスキルを持ってると教えてくれる。

暴食がレベル上限は1万だと教えてくれる。

1万は予想外だった。嘘じゃないかと尋ねるが暴食は嘘をいうタイプじゃない。

しかしそんな知識を持ってる暴食ですら最高レベルは21だという。


レベル10を超える手段も聞かせてもらった。

特殊な祈りを捧げる必要があるらしい。

祈り先は創造神か邪神かを選びその選んだ方の陣営へと所属させられるらしい。

暴食は邪神を選んでいる。基本的に魔王、七つの大罪は邪神を選ぶらしい。

しかし過去には創造神に祈りをささげた七つの大罪もいたらしい。

絶対ではないというが創造神に祈りを捧げるメリットは一切見つかってないという。


それぞれの神への祈り方を教えてもらった。そしてその後たまたま怠惰に遭遇する。


「あ、マオー様こんにちは」

「あぁこんにちは。元気か?」

「今日も眠たいですーよー?」

「そうか。ところで神への祈り方を聞いたのだが創造神に祈るメリットとか知らないか?」

「しってるよー」

「え?」

「創造神に祈るとスキルレベルが上がりやすいー、邪神に祈るとステータスが上がりやすいー。中立神に祈るとどちらも上がりやすいけど微妙ー」

「中立神?」

「あ、しらない?じゃあ忘れてー」

「いや教えてくれ」

「仕方ないなー。ちょい待ってね」




「まぁいいだろう。中立神についてだったな」


雰囲気が変わる

言葉を発する余裕がない


「まず陣営の話をしようか。創造神の陣営は規律を作る。守らせる陣営だ」


「邪神の陣営は規律を破る。消し去る陣営だ」


「中立神はどちらにも所属しない陣営だな」


「そもそもだがこの世界ではこの陣営はほぼ無意味である。スキルレベルの上限が1万程度じゃ全く意味をなさない」


「外の世界にいけばわかる。ここでの最強とは外では雑魚でしかないことを」


「さて話がそれたな。どちらの陣営を選んだとしても変わらん。後から変更できる。どちらを選んでも構わん。中立はやめておくべきだがな。これだけはあとから変えることができん」


「そろそろ戻るとするか、返答かえせそうにないしな。精進しろよ魔王」






「マオー様?だいじょーぶ?」

「あ、あぁ大丈夫だ。」

「どうするの?」

「何がだ?」

「陣営」

「創造神にしようと思う」

「ふーん。いいんじゃないー?」


そういうと怠惰は魔王城の門に向かって歩き出す

違和感を覚える。何しに魔王城に来たんだ?

それにお前は転移を使えるだろう?

門の元についた時振り返って


「マオー様、待ってるから早く来てね。5人で一緒に」


そういうと怠惰は転移する。

奴は何を抱えてるんだ?今何が起きてる?




この話から後に私はあの雰囲気を纏う怠惰に会えていない。

魔王のレベルが50に届くまで会えないのだろうか。時々怠惰に声をかけてもあの雰囲気を見せる様子はない。

魔王のレベルが46になったときに勇者が召喚された情報が届く。

幹部を全員呼ぶが怠惰はいない。いつものことだ。


怠惰以外に忠告だけして終わらせようとすると途中で怠惰が参加する。寝ていたが。

終わった後怠惰に声をかけようとするも他にも幹部がその場に残る。

聞かせていい話か分からないので別の機会にしようと立ち去る。


数時間後怠惰が目の前に転移してくる。


「マオー様何か用?なんか言いたそうだったから」

「そんなことまでわかるのか。魔王のレベルが46まで上がった。あと少しだ」

「おーあの時からずいぶんの時間がたったんだねー。じゃあ50になったらこの箱開けてね。それまでは開けちゃダメだよ?」

「何の箱だ?」

「レベル50で手に入る4つ目の魔王のスキル効果の説明書きが入ってるー」

「3つじゃないのか?」

「レベル10までで3つだねー」

「50前に開けるとどうなるんだ?」

「挑戦権を失うーできれば失わないで欲しいなー。失った魔王は殺さなきゃいけないから」


ゾクッとした。怠惰は何かを知ってる。考えつかないようなことを知ってる。


「それじゃあねー。そろそろ眠る時間だー」

「一応突っ込むがさっきまでも寝てたよな?」

「ボクの睡眠時間は一日28時間なのだー」

「一日超えてるじゃないか」

「あははーじゃあねー」


「それと強欲と傲慢は挑戦権失ってるからどこかのタイミングで死ぬよー」


そんな声が怠惰が転移した後に聞こえる。

挑戦権ってなんなんだ...




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