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三月一日 雨、八月八日 雨  作者: 七宝


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10/10

 美女が居ない。小さな駅だからかな。都会の駅とかならいっぱい居そうなんだけどな。


 暇だなー。魔法使いって暇なんだなぁ。他になにか技あるのかな。分身の術とかやってみたいな。魔法使い関係ないけど。


 ふん! ブリッ


 出た! 分身が出た!すげー!!!


 分身も驚いている。僕と同じ顔をするように出来ているのだろうか。

 といっても、分身が居たところで邪魔なので隣の駅に行ってもらった。適当に遊んでなさい。

 

 あーあ、芋しかいない。どうしてこうも暇なんかねー。


 と思ってたら美女発見! 後ろからでも美人と分かる! 外国人のようなナイスバディに、髪はさらさらストレート!


 失礼します。お尻触ります。うへへ。

 

「きゃあっ、この人痴漢です!」


 やばい、腕を掴まれた! 人生終わる!


「あの、大丈夫ですか」


 近くにいた男が透明人間でも捕まえたかのようなポーズをとっている美女に不思議そうに聞いた。


「いや、この人が! ⋯⋯はっ!」


 あ! こいつは窓名真奈! 僕をいじめてた集団の親玉だ! その美貌で男を釣って仲間を増やし、僕をいじめる、この女は僕にとって最大の敵だ!


「どういうことなの? なんでゲボが!」


「死ねぇ!」


 トンッ


 と線路に突き落としてやった。


 これであと四百二十一人だ。待ってろよ僕をいじめた悪魔どもめ!


 さっきの要領で線路と電車を元通りにした。いっぱい触った。


 さーて、次は誰が来るかなぁ~。


 知らない人ばっかり。当たり前だけど。あー暇。眠い。寝よ。


 



 痛っ。首に何か⋯⋯。目覚め悪いなぁ。


 首には水がついていた。雨がポツポツと降っている。そのひと粒ひと粒が痛い。こんなことがあるなんて。


「ひょへっへー! えっへっへっへっへ」


 !?


 突然の奇声。


 丸坂丸壱だ。こいつは中学の頃も脳天気なやつだったな。羨ましいよ。さて、こいつも殺すかな。


 いや、ちょっと待てよ? こいつには特に何もされてないな。


 いやいや、いじめを見て見ぬふりをしたんだ。


 だからって、殺すほどのことか?


 そういえば、遠足の時一人だった僕と一緒に弁当を食べてくれたな。忘れてたよ。


「おうゲボ! こんな時間に会うなんてな!」


 丸坂が話しかけてきた。


 そうか、お前も僕のことをそう呼ぶのか。


 ぐっ! 痛てっ!


 雨が次第に強くなる。身体中に激痛が走る。死んでまでまた苦しまなきゃいけないのか。これ以上強くなったらまた死んでしまう。


 人は二度死ぬって言葉を聞いたことがあるけど、さすがにこれのことじゃないよな。


 死ぬ⋯⋯。一回目は実感無かったけど、どんな感じなんだろう。怖いな⋯⋯。最期にお母さんに会いたい。


 そうだよ! 丸坂なんか相手にしてる場合じゃない! お母さんに会いに行かないと!


 ザザー


 ダメだ、雨が強すぎて、痛すぎて動けない。僕はこのまま消えてしまうのだろうか⋯⋯。


「ゲボは家に帰るのか? へっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっへっー」


 丸坂丸壱ぃ! なんでお前はいつもそんなに脳天気なんだ! 許せない⋯⋯!


 お母さん会いに行くのはもう無理だ。最後にこいつを殺して終わりにしよう。


「死ね」


 トンッ


 ドンッ


 

ありがとうございました

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