表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/17

アズとの出会い

俺は準備運動がてら、斧の素振りをしていた。待ち合わせ場所にバータルはまだ来ない?町の入り口はここだけだったはずなんだが…知らない出入り口でもあるのだろうか。

斧を100数回振ったところで、バータルが現れた。隣には他に二人の姿があった。

一人は件の武器屋の店主だ。もう一人は見た感じ二十歳程度の女性だ。可愛いというよりは、かっこいい感じの美しい女性であった。腰には立派な鞘を下げている。

「兄弟、紹介するよ。依頼人のアズさんだ。彼女をアルタン王国まで無事に送り届けるのが今回の仕事だ。

彼女はこう見えて王国でも有名な鍛治師でな、お前の持ってるその斧も彼女のお手製だ。彼女を失うのはこの国にとって多大な損失となる。気合を入れていくぞ。」

「バータルさん、そんなに褒めないでください。私はまだまだ若輩の身、鍛治もまだまだ修行中です。」

アズは美しい顔を綻ばせながら、涼やかな声でそう言った。言葉とは裏腹に、そこはかとなく自身の鍛治師としての腕への自信を感じる。

それに、俺の勘が正しければ、剣の腕もそこそこありそうな気もする…実戦経験もない俺の勘など当てにもならないだろうが。

「初めまして。神田祭と申します。冒険者としてはまだまだ未熟な身ですが、力の限り尽くさせていただきます。よろしくお願いいたします。」

「ご丁寧にありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。」

アズはぺこりと頭を下げた。

「こいつはまだ未熟だからな、お代は一人分で問題ないぜ。さあ、そろそろ出発するか。オヤジ、娘さんのことは俺たちに任せてくれ。仕事はしっかりこなすからよ。」

バータルは快活に武器屋の店主に声をかけた。

「おうよ、バータル信頼してるぜ。兄ちゃんも頑張ってくれよ。…アズ、体に気をつけろよ。また、こっちに顔を出せよ。」

「お父さん、心配しないで。私は大丈夫だから。お父さんも無理しないでね。それじゃあ、行ってきます。」

アズは笑顔で、しかし毅然とした態度で武器屋の店主に手を振り、歩みを進めた。

俺とバータルはそんな彼女の隣に立ち、町を出た。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ