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誰が為に(たがために)  作者: 空凪
4/16

誰が為に人は動く 1-3

                  3


 2丁の銃を手にしていたカイは会話の後に銃を適当に地面に打った。開始の合図もしくは気合い入れのつもりなのだろう。…と考えていたカイ以外の三人だったが銃弾は線路に当たると軌道が直角に近い角度でグンと曲がるように変わり、今から最初に殺すべきだった一体の悪魔に当たった。その弾道の仕組みについて気になっていた一同だったがそんなことを考える暇がなく戦闘が始まったため、仕方なくカイの作戦どうりに動くことになった。

シンカの前方を走る舞は、列車までの道筋に3体の悪魔がいることを確認すると、一番手前にいた悪魔に突っ込んでいった。

「“飛燕”」

というと、舞の持っている日本刀(和文字{わもんじ})は悪魔が振り下ろした薙刀を上に勢いよくはじいたのち、勢いを殺さずに腹部を真っ二つにした。太刀筋は大きな円を描いたのち直進する燕のようだった。わかりやすく言えば、一回転するジェットコースターのような軌道だ。なお、属性は使わず素の剣術で倒していた。それほど美しく見事で力強い刀捌きだった。

 舞が次の殺戮に向かおうと振り向いた時には、後ろから来ていた2体の悪魔はもうシンカが蚊を壁にたたきつけるかのように手で壁に埋め込んでいた。

「さあ、やるぞ…舞は背中を守っていてくれ…集中するから。」

そういうとシンカは手に純粋な赤い炎を灯し始めた。力の調節には時間がかかるようだ。そこを守るために舞がいるのだが、その分の敵はすでにカイ、グラスがあっさり倒していた。しっかり壁を背に確保しながら。おかげで悪魔が来る方向は大方制限され、シンカを守りやすくなった。その二人は舞がシンカを守っているのを確認すると先に草原側の悪魔の退治に向かっていった。舞はまだ会ったばかりの3人を信頼しきれてないので人をこうも簡単に信頼できるカイたちを不思議に思いながらその背中を見送った。その間にも悪魔が向かってきていたのであっさりと舞うがごとく、切り殺していった。

 シンカはそんな間に準備ができたようで「よし…いくぞ」というと手のひらを列車の最後尾につけると手のひらから優しい朱色をした炎を噴射した。すると、炎の推進力でゆっくりと列車は進み始めた。下り坂なので列車は徐々に加速していきシンカと舞の視界から消えるのを戦いながら確認した。危険地帯であるここを抜け下り坂を下りれば安全な駅に着くので列車に関しては一件落着ということになる。そしてシンカは一息つく間もなく、「わしらもいくぞ」と一言だけ言って飛び出した舞を追いかけカイたちが戦っているであろう草原へ向かった。



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