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夢世界で夢を見ちゃった話
夢世界に来て一週間くらいたったある日のこと。
俺は、もはや日課となってしまったナイトメア退治をしていた。
「ぎゃー!!!舐めないで!!!!ぬめぬめするー!!」
ピュン太の叫び声が響く。
ピュン太が囮となり、その間に俺がナイトメアを倒す。それが俺達の戦闘スタイルとなっていた。
ぬめぬめするナイトメアと戦った後。
夢世界の上空で俺達はナイトメアがいる夢を探していた。
「次は、あの夢に行ってみるよ」
ピュン太が、下を指差し俺に言う。
「言われなくても」
俺はピュン太の手を握る。
「じゃあ、行くよ……」
ピュン太も俺の手を握り返す。
ぺしゃ
何かが潰れる音がした。
「ああああああああああああああああああ」
叫び声が聞こえた。
俺は手を見る。
なかった。
手首から先がなかった。
ピュン太が、俺の千切れた手を握っていた。
笑っている。
激痛が走る。
そうか。
さっきの叫び声は俺が出したのか。
世界が狂う。
あ…………。
意識が反転する。
地獄を見た。