簡単に戦いが終わっちゃった話
爆発が起き、煙が辺りを支配する。
しかし、 すぐに煙は去り、煙があった場所にはピュン太だけが残った。
「あー!!!暑い!!死ぬ死ぬっ!!痛いよ全身大やけど!!!救急車ヘルプ!!!ごめんなさい、もう悪いことしません!!!魔法もっと練習します、失敗します!!!痛い痛い、いやぁー!!!無理無理!!リバース!!!」
「……お前、頭大丈夫か??」
地面でただ暴れまくっていたピュン太が目を開ける。
そして自分の全身を一通り見て
「あれ……?生きている?」
「そう、ならないようにうまくイメージして火を出したんだよ」
感覚的に魔法を放てるようになった。うまくいくかは分からなかったけど。
「なんかもう君、僕より魔法うまい気がするよ……」
「入院期間は誰よりも長かった自信はあるぜ?」
空を見る。
いつの間にか、黒い雲は晴れている。辺りに広がるのは綺麗に修復されたお菓子の家。
先程、ピュン太がどこかに運んだこの夢を見ている少女が美味しそうに家を齧っていた。
女の子が俺の方を向く。
「お姉ちゃん達、ありがとう!!」
「あ、いや別に……」
お姉ちゃんか……。なんか魔法より慣れるのは難しそうだ。
「いやぁー、それほどでも」
ピュン太が隣でめっちゃ嬉しそうに頭を掻いている。
それからもいくつものナイトメアを倒した。
一週間たった。
ナイトメアには苦戦すらしなかった。
初めての一週間の終わりを自覚して安心した。
ナイトメアは大した敵じゃない。
普通に想像するだけで勝てる。
なんだ、簡単じゃないか……。負けるなんてありえないだろ。
そう、思っていた。
そして、分かった。
ピュン太は夢世界の番人という名の最低な悪魔のようなものだと。
とりあえず一段落。感想欲しいな(震え声)