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転明記 VRMMOってどこでもこうなの?  作者: 朝宮ひとみ
第1章 VRMMOをはじめよう!
5/100

第五話 なんとなく気が進まないとき

章タイトルを少し変えました。(慣れよう→はじめようにして、次の章を「慣れよう」にする予定)


2015.07.23.追記 指摘があった部分を改良しました。

 ログアウトしてちょっと重いサングラスみたいなあれ、そう、バイザーを外すと、壁の時計が目に入った。はじめてから数分しか経っていなかった。体感で数時間はあっちで過ごしていた気がするけど、実際はほんの一、二時間だったみたいだ。



 そういえば時間の進みが違うとかって書いてあったな。俺がガイドを見返そうとするとシュクレ先輩が教えてくれた。ゲーム内で一日経ってもリアルでは一時間くらいだそうだ。


 猛者は持ち込み持ち出し出来るテキスト欄を仕事や宿題やなんやらで埋めて、あっちでやるんだそうな。もちろん現物は持ち込めないからである。テキストは持ち物扱いで、本来はワールドガイドとか攻略wikiとかの情報を書き込んで持ち込むためにあるらしい。というか俺もそのために一度戻ってきたんだけどさ。


 簡易のガイド機能があるにはあるんだが、通常のゲームの説明書程度のことしか書いてない。チュートリアル以下だ。町は最初の町であるアメリアの、さっき居た広場とそこにある施設しか書いてないし、種族に関しては大雑把な分類しか書いてない。



<人間>


・標準種:もっとも人口が多い。地球の人間と同じと考えてよいです。地球人類のように地域によって様々な肌・髪・眼の人々が居ます。

赤眼せきがんの民:髪が白く目が赤い人々。元はアルビノが迫害されて作られた集落。現在は環境によって肌色は様々で、瞳の赤も鮮やかなものからワインレッドや赤褐色の者も多い。差別を受ける地域が多いので該当PCや、NPCを連れている人は注意しましょう。

碧眼へきがんの民:肌が白く、名前の通り緑や青緑の瞳を持つ。特定の地域を除いて数は多くない。髪の色も青や紫、緑や、それに近い色をしている。赤眼の民ほどではありませんが差別を受ける地域があるので気をつけましょう。

・南方人:未開の地に住む人々。地球で言えばアフリカのような苛酷な気候の地で暮らしており、その生活についてあまり知られていない。キャラクタ作成時選択不可となります。



<亜人種>


・両性種:男女の区別がなくやや小柄な種族。水辺を好む。非力ですが器用です。

・山岳の民:いわゆるドワーフ族です。背が低く、男女共に髪や髭が濃く、力持ちです。北方の寒い地域に生息しています。

・猫耳族:全身が体毛に覆われた、猫と人間の中間のような種族です。名前は「猫耳」ですが犬や狼、狐などに近い人々も居ます。


<エルフ(長耳族)>

・森林種:背が高く細身で耳が長い人々です。見た目によらず力があります。

・海洋種:森林種から派生した、ほとんどを海の上の船で暮らす人々です。




 ワールドガイドにはそれぞれスキルボーナスとか説明があったんだけど、さっぱり削られていた。一応今回のテストプレイでは作ってからリアル時間で丸一日経過するまではキャラの作り直しがきくらしいけど面倒くさいし特に問題はない。



 入りなおすのも疲れるし、先輩の仕事もあるので解散することにした。俺は明日はあっちでなにしようか考えているうちに寝落ちした。もちろん気付いたのは朝になってから。



 このP.F.O.は特にストーリーとかがないみたいだった。ゲームの目標みたいなものもない。魔物や大きな獣とかから人々を守ったりする必要はあるが、それを束ねるような悪の大魔王とかは存在しない。登場するとしてもイベント限定ダンジョンとかだけらしい。


 しかし人を集めて軍団や都市国家を立ち上げることが出来るので、シミュレーションゲームみたいな天下統一を目指してる人が既にいると分かった。スキルは家事や職人系もいろいろあるらしいから、そっちで有名になってもいいし、定年退職した人みたいにのんびり田舎で自給自足というのも出来るし、何か商売をするのもいい。


 全部先輩が実際にそういう道を進んでる人を見たっていう情報で、それぞれやりたいことがあってこのP.F.O.を始めたという人もいるようだ。


 だけど俺は何も決めてない。何がやりたいと言うのもない。俺は三日くらいうだうだと布団の上を転がっていた。散らかった部屋。薄汚れた天井。本棚の一角を埋める学生時代までのアルバムや教科書やノート。


 のどの渇きに耐え切れずようやく起き上がり台所で適当に水を汲み、パソコンの前の椅子に座って、ほかのプレイヤーのブログやツイッターを眺めながら、俺は思った。



まあいいか、順番にやってみてから考えよう。時間はたっぷりあるんだし。

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