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34話 突然の消去

風で 風邪を ひきました。(´・ω・`)

 十月、相変わらず異変はあるものの、程度はひどくなることもなく、俺たちは警戒しながらも普通に生活できていた。あれからシェールからの連絡もなかったから、安心というほどではないが緊張感が少し薄らいでいた。

 ユウキは親が根負けして復帰、エリーは時間が減ったもののプレイ自体の禁止はなく、モノの向き程度の異常にしか遭遇せずにすんでいる。ユベールのログインが極端に減ったが、後期の講義のコマ数が前期より増えて忙しくなっただけだったし、クルクさんやシュクレ先輩は相変わらずふらふらしていた。ドワーフ夫婦が半分引退状態になったがたまにインしてくるから昏倒したわけじゃない。




 リアルで食事をしようとログアウトし、攻略wikiを見ながら箸を動かしていたときだった。公式のお知らせを載せるページに罵倒のコメントが付いていた。不思議に思い、載っている最新のお知らせを読んだ。お知らせの時間は俺がログアウトする少し前になっていて、


サーバー『ククルカン/タイイー』『サリエル/ノンモ』について、『アリアンロッド/ホルス』との統合を完了しました。


と書かれていた。そういえば今回ログインしている間に緊急メンテが入ったらしく時間が飛んだときがあった。普通に寝たつもりが、起きたら勝手に宿がチェックアウトされていて、寝ていたのが食堂のベンチだったうえに数日経っていた。訳が分からずじっとしていたら、あんなところで石化されたら困る、と宿の主人に叱られたんだった。


 その前を見ると、統合のお知らせはあるのだが、リアル時間で今から二十四時間ないくらい。実質二十時間くらいか、ログインしていたら何日もあるしさすがに分かるだろうが、もしもう少し時間がずれていたら、学校や会社などでチェックできずにキャラ移動できない人がいるのではないか。


 実際出来なかった人が罵倒しているに違いない。俺が食べ終わった食器を片付けて見直すと救済措置のお知らせが増えていた。専用のサーバを立ち上げ数週間置いておくから手続きをしてくれというものだった。一度消したキャラの復活扱いになるためにかなりのアイテムや装備が消滅してしまうので、いくら無償でやってくれるとはいえやる気がうせる、と後日村上が言っていた。現に数日で手続きなしで復活処理を順番に行ったという知らせが出て専用サーバは消滅した。




 やはりプレイヤーへの影響は大きかったのだろう。中ごろにはプレイヤー数はさらに減って五千人を切った。運営は強制サーバ移転を発表し、シヴァ/ミトラ鯖の人はアリアンロッド/ホルスかアルテミス/クズリュウのどちらかを選ぶようにと宣告された。さすがに実施が十一月三十日と猶予が長くなっていた。


 十一月一日、最初の移転実施のためのメンテナンスが行われ、それから八日、十五日、二十二日と行われた。三十日に丸一日行われたメンテナンスのあと、全プレイヤー人口は千五百人を切った。もう年を越せないかもしれないだとか、越したらまたひとつに戻るのではないか、などと噂されるようになった。


 俺の周りだと、あのドワーフ夫妻が完全引退した。ブルーさんもやめて、代わりにというのも変だが昏倒騒動の少し前から入ったというブルーさんの弟さんのキャラが旅団に入った。

次回は木曜~土曜にアップする予定です。

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