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転明記 VRMMOってどこでもこうなの?  作者: 朝宮ひとみ
第2章 VRMMOに慣れてみよう!
10/100

第9話 スキルポイントを振り分けてみよう

 俺たちはユウキとミミの提案にしたがって、スキルを上げるために三日間ウサギを駆除し続けた。


 最初はやっぱり感覚のリアルさもあって嫌な感じがしていたが、あまりに大量でそんなこと言ってられなくなってきたのと、慣れてきたのと、ウサギが野生やら半分魔物化してるやらでペットみたいな可愛い雰囲気じゃないのとで、嫌な感じは消え去った。


 その三日の間で俺はレベルが5まで上がった。このゲームのレベルは、他のRPG全般と違って、低いうちでも次に上がるのにそれなりの経験値が必要で、時間がかかる。その代わり、少なくともレベル20~30までは次のレベルまでの経験値が倍に増えていくようなことがない。



 少なくとも、と言ったのは、実装されている最高レベルが50(正式サービス開始時に100)なのに対して、ガイドに書かれているのがそれだけなのと、今このワールドサーバにいる、開発社員じゃない最高レベルが24~25だからだ。


 それに、レベル以上にスキルレベルが重要だ。スキルによってポイントで使えるように出来るものと、使えるようになってからじゃないとポイントで上げられないものがある。たとえば、キャラ作るときの前衛後衛で決まる剣のスキルは、後衛でつくった人がポイントを振って増やしたり伸ばすことが出来る。


 しかし、魔法のスキルは初歩回復魔法スキルとか初歩攻撃魔法スキルがないと個別の魔法へポイントを振ることが出来ない。魔法剣士みたいなのをやりたい人は、最初に後衛を選んで該当のスキルを1以上(スキルによっては、特定のスキルが2以上必要な場合もある)持っていなければいけない。

 逆に前衛の人が魔法を使いたかったら、俺が門番の兵士たちに講義を受けたり稽古をつけてもらったりしたように、魔法を誰かに教えてもらう必要があるのだ。



 スキルレベルは15段階あり、10以降には制限がかかっている。そこまで上がることはあまりないだろうから11以降はおいておくとしよう。1が付くと最低限できる。5で職業、10で達人と言われている。


 スキルレベル(普段はスキル、と略す)を上げるためにはポイントが必要だ。レベルが上がるときに少し(最大で5)もらえるのと、ずっと同じスキルの武器とか魔法とかを使っているとそのスキルが上がるときに1~2だけもらえる。

 スキルを1上げるには5ポイント、新しいスキルを「生やす」には10ポイント必要になる。振りなおしのスキルというのを取得すると、一週間(ゲーム時間)に一度10ポイントだけ振りなおしができる。


 三日間で俺はスキルポイントを20溜めた。まず剣術に10ポイントふって3まで上げ、武器屋に行って訓練場を借りて素振りしてみた。体が軽い。筋肉というか、体全体の使いかたが変わったみたいだ。


 ただ隣で訓練していたNPCにあやしまれそうだったので一気に上げるのは考え物だな。全部一気に振らなくて良かった。

 宣託を受けた者や来訪者は神様になんとかかんとか……とその冒険者NPCは陰口っぽいことを言ってすこし離れていった。『宣託を受けた者』というのがこの世界でのPC全般の呼称らしい。


 (来訪者=出身が地球になってるPC。出身選択時にこの星を選んでいる人もいるからPC=来訪者ではないんだよなあ。)



~~~


名前:テンメイ・フォグラスティング

種族:人間・標準種

出身:来訪者

レベル:3

HP:20

MP:0

スキル:剣術3 こぶし1 槍術1 棍棒1

状態異常:なし

装備:初心者向け防具 革の靴 来訪者の指輪 ロングソード

取得経験値:XXX

利用可能ポイント:10

転移ポイント:指令船(初期) アメリア・広場(赤)


頭:サークレット

耳:

首:

腕:

指:来訪者の指輪

胴:初心者向け防具

脚:脛当て

足:革の靴

その他:ロングソード


~~~


 転移用アイテムの石をエリーとミミとユウキがお金を出して買ってくれた。俺とユベールは転移アイテムを持ってなかったからだ。ユベールは来訪者じゃないから転移ポイントが無かった。


 転移用の石は五色あって、それぞれ行ったことがあれば好きなエリアに設定できる。この街に設定すると転移する場所は最初に居たあの広場になるようだ。


 来訪者初期設定の指令船のほかは、転移は連続で行えず、それぞれ1時間以上空けなくてはいけない。さらに同じ場所へ連続して転移するには5時間空けなければいけない。時間さえ守り、転送用施設や魔法、アイテムなどがあれば自由に転移できるし、転移できる状態になっていれば使用してすぐのアイテムでも転移先の設定は自由に変えられる。変えてから5~10分だけは使用できない。



 サークレットと脛当てはシュクレ先輩にもらったお下がりだ。銘を入れたりしない限り、一度『倉庫』に収納して取り出せば、種族が違う人のものだろうと自由に使いまわせるので、売ったりあげたりする前に予備の装備を収納しておくのはテクニックのひとつだと先輩は言った。


 サークレットは本当におでこというか頭の前面しか守れない鉢巻みたいなものだけど、額は意外と何かが飛んできたりして汚れたり怪我したりが多かったのでコレがあるだけでもかなりうれしい。欲を言えばメットがほしいんだけど値段が怖い。


 脛当ては名前の通り脛部分と腿当てのセット。それぞれ巻いて、腿部分は胴装備の腰、脛部分は腿部分につないで、最後に膝部分をつけたら出来上がり。もらったときに装備欄からつけようとしたら先輩とユウキに、一度は実際に自分の手で身につけるべきだといわれ、俺を手伝ってくれた。



 俺たちはしばらくパーティーを維持することにした。一度ユベールとミミ、エリーがリアル時間の都合でログアウトするので、ウサギ狩りに移動せずに宿のチェックアウトをして、次に揃ったらまたウサギ狩りに行くようにメッセージをやり取りできるよう設定してから解散した。


 メニューの中をいろいろ探して見るとリアル時間が朝なので、夕方にインするとしても三人のうち一人でも戻ってくるのは早くてもこっちの時間で二週間(10日)近くかかってしまう。こっちじゃ食費もかなり負担になるんだし俺も数日ごとにログアウトしてリアルでメシを食ってくるかな。


 俺は武器屋に武器と防具をメンテナンスのために預けにいき、ユウキにメッセージを送ってログアウトした。戻ったら朝の6時過ぎだった。

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