第9話「か、彼女!?なわけないだろ!」(4月18日前編)
また投稿遅れましたすいません。
今回は久々に木村さんが出てくるよっ
新部員が入った次の日
実は今日、またしても入れ替わっている(もしくは変身)んじゃないかと内心びくびくしていたのだが特にそういうことは起こらなかった。朝起きて真っ先に自分の体を見て安心しているというのもなんか変人みたいだが。しかし今日起こらなかったからあれは二度と起こらないだろうと考え、さんざん考えたあげく、結局あれは夢だったんだろうと言うことにした。(夢にしてはあまりに現実的だったが)そしてきれいさっぱり忘れることにしたのである。
そんなこんなで気持ちよく(特に何かあったわけでは無いが)登校しているのであった。
「おっ。秀信じゃん、おはよう」すると後ろから佐藤が声をかけてきた。
「おう、おはよう」そして実にすがすがしい朝であるなんて言ったら佐藤から白い目で見られた。
その後、二人でたわいの無い世間話をしていたら、
「あら?佐藤くんに日下くんじゃないですか。おはようございます」今度は土御門と会った。土御門とはまだ道場で2回話した位しか面識がない。それなのに向こうはこっちを覚えてくれていたようだ。まぁ、クラスメイトでもあるんだがな。
「二人とも早いですね」土御門が聞いてきた。
「そうか?」そう言いつつ時計を見てみたらなるほど、確かに普通の人に比べたら少し早い登校かもしれない。
「俺も秀信も家が学校から遠いからな。自然と早起きになるんだよ。そういうお前も早いじゃないか」と佐藤が言った。
「まぁ、私も早起きが習慣みたいなものですから」少し笑いながら土御門は答えた。
その後は3人で歩いていた。そして校門のあたりでまた知り合いと会った。
「あっ、よしくん!おはよー」木村だった。
「おう、おはよう」木村とは入学式で久しぶりの再会をした後、何度か話してはいたが最近はあまり話せていなかった。
「あれ?よしくんの隣の人ってたしか…。あ!土御門さんだ!」と土御門を見ながら木村がいった。
「はい。おはようございます。木村さん」すると土御門も返事をした。しかし木村のこともわかったな…。もしかしてもうクラス全員の名前と顔を覚えてるのか?すごいな…。
「私の名前もう覚えてくれたんだー。ありがとう」しかしそこには木村は驚かなかったようだ。
「それにしてもよしくんってばもう彼女作っちゃったの?」すると今度はこっちを見ながらからかうような感じで言ってきた。
「か、彼女!?なわけないだろ!土御門さんとは部活が一緒だから知り合いってだけだよ!」慌てて言い訳をした。
「ふーん。ホントにそう?」少し疑うような感じで聞いてくる木村。
「ほ、ホントだって。なぁ土御門さん」土御門に確認する。
「えぇ、今はまだそのような関係まではなってませんね」すると土御門がにこにこしながら予想外の発言をした。
「ちょっ。何言ってるのさ土御門さん!」思わず声が大きくなってしまった。
「冗談ですよ」すると土御門は笑いながらそう言った。
「二人とも仲いーねぇ」今のやりとりを見ていた木村もまた笑いながらそう言ってきた。
「…なぁー秀信。俺完全に忘れられてないか?」
「あ、佐藤まだ居たのか」すっかり忘れてた。そういやもう一人いたな。
「ひでぇなっ!!」佐藤はすこしショックを受けたようである。
「私はちゃんと気付いていたよー。えーと…―」
「佐藤祐揮です。よろしくっ」佐藤はすぐに機嫌を取り直して自己紹介をした。
「そうそう。佐藤くんだ。よろしくね佐藤くん」笑顔で木村はそう言った。
そんな会話をした後、四人で登校したわけである。木村はさっきもあまりまだ話したことも無い男子(佐藤)と気楽に話していたが俺の覚えている限りでは昔からこんな奴だったと思う。そしてそのキャラはクラスでも健在だった。
実際、入学式の後から彼女は率先してクラスの女子に話しかけていき、一つのグループの中心になっていた。そして木村はいつもそのグループの中で笑っていた。だから自然とそのグループの人たちも笑っていく。そんな風にして周りを変えていく、そんな魅力が彼女にはあった。だから当然なのだろうが、さっそくクラスの男子どもからは人気が高かった。男子の間ではクラスランキングベスト3に入っているようだ。俺はと言うと確かに小学校では仲が良かったし好きか嫌いかで言えば好きだろうと思う。でも、もし木村に彼氏が出来たと言われたら普通にそれを応援するだろう。そんな感じだった。
そして時は変わって授業中。
どうも社会の先生というのはどこの学校でも同じようで一度話が脱線するとどんどん自分の世界に入っていくらしい。今もまさにその状態で、もう聞くのをあきらめて寝ている奴までいた。まだ授業数回しかやってないんだけどな…。
かくいう俺もとっくに聞くのをあきらめてクラスを適当にぼーっと見ていたのである。こうしてクラスを観察しているとなかなかおもしろい。机に突っ伏して寝ている奴。肘を立ててそこに顔をのせて寝てる奴。こっくりこっくりと頭が船をこいでる奴。様々である。そうやって観察していたら佐藤を見つけた。完全に突っ伏して寝ていた。ある意味佐藤らしかった。
そしてまた眺めていたらふと土御門に目がいった。
すると驚いたことに土御門はこの雑談の中、しっかりと起きているだけでは無く、ノートまで取っていた。…何をとっているのかは気になるがその様子はまるで優等生。いや、彼女と同じ学校だった奴の話だと中学では本当に優等生だったらしい。背筋はしっかりとしていて、目ははっきりと先生に向いている。完璧な授業態度、これでなにか委員長でもやっていたら完璧だ。…そういえばあいつホントにクラス委員長だったな。土御門はその長い黒髪。そして申し分の無いすらっとした体型(わりと胸もあるようだ)。そして静かな佇まいから巷ではどこかの社長の令嬢かなんかではないかと噂されている。そして周りにも優しく接している完璧な性格、さらには成績優秀、極めつけに運動神経もそこそこらしい。まさに容姿端麗、成績優秀、性格完璧のパーフェクト人間なのである。当然、男子からの人気はうなぎ登りに上がり、今では学年全体で噂されているという。クラスランキングも堂々の一位。早速告白しようとしている奴までいるらしい。俺はどうかというと確かに彼女は凄いが、しかし凄い分、どこかそれがわざと作っているキャラの様な感じがして実際はどうなんだろうとか考えていた。
実際、一つだけ土御門には不思議なところがあった。やけにキーホルダーやストラップやらなんやを鞄だったり制服にだったりあちこちに付けているのである。その数は軽く30以上あるだろう。いや、筆箱にも付いていたからもっとあるかもしれない。しかも種類はばらばらで、何かの動物らしき物だったりご当地キャラみたいなストラップだったりただのわっかのような物だったりと規則性が無い。男子の間ではそこが可愛いとか言う奴もいたりますます不思議な感じをだしているとか言う奴もいたりと様々である。一度、誰かがストラップやらなんやらについて本人に聞いたらしいが「好きなんですよ」と言われただけらしい。そこの部分だけが唯一、彼女が我々とは別次元の存在では無く、年頃の女子高生なんだなと思わせられるところであった。
…話は変わるが佐藤はこの授業が終わっても眠り続け、次の授業で先生にたたき起こされていた。佐藤はやっぱり佐藤だった。そして昼休みに何故か俺にそのことをさんざん愚痴ってきた。めんどくさい。
そして放課後、またしてもめんどくさい部活があるのであった。
続く
どうも、秀丸師匠です。
また遅れましたすいません。一応週一を目指してはいるのです、はい。
今回中途半端なのもまた前後編に分けているからです。なるべく早く投稿します!
そんなわけで次回もよろしくお願いします。