にんげんについて1〜もう1人の自分との付き合い方〜
失敗してもいいから挑戦してみよう!っていうノリで人生で初めて描いた小説です。
少女の他人には言えないような感情が上手く伝われば幸いです。
震える手で手すりを掴む。何が原因だったのだろうか。
考えても分からない。 分かりたくない・・・
そんな、今ではどうにもならない考えも生暖かい風とともにどこからか現れては虚空に消える。
深夜であるにも関わらず、同年代らしき集団が、ワーキャーと騒ぎ散らかしている。
なんで他人を気にしないのだろうか。
でも、楽しそうだ。 ―――私とは違うな
もっと私に力があれば・・・実力があれば・・・魅力があれば・・・ もっと上手く生きられたのかもしれない。
本気でそう思った。それなのにもう1人の自分はガキみたいなことを言うなよと嘲笑い、見下す。
そうか、こいつの所為なのかもしれない。
5年前、つまり中学1年生の時。私の中で確実に何かが変わった。
当時私は、仲の良い男の子がいた。
一緒に地元の花火大会に行ったり、オンラインゲームで放課後の時間を潰したりした。
今思えば両想いだったのかもしれないが、今はなんでもいい。
もう、後悔は無い。
昔から私は、面白いと感じたゲームも、興味があって始めた習い事も、二ヶ月後にはほとんどやらなくなる。
典型的な飽き性。
問題は、それが物事だけでなく、人間関係にも同様であることだった。
人間関係の自然消滅
それは私にとっては馴染みがありすぎる言葉で、なんとも思わなくなった言葉でもあった。
好きになった人も物もどうせ飽きてしまう。
きっと私の好きは本当の好きじゃないんだ。
そんな考えが浮かんだ時、妙に納得が行った。
それと同時に自分にも、他人にも、諦めがついた。
私の中にはもう、自分で肯定できるものなんて何も無い。
「こんな無能を正したくなんて無い。」
この世界に気力も興味も湧かない自分を除け者にした。
――もう、いいよね――
深夜の暗闇が視界全体に広がる
不意に隣の部屋から、母のすすり泣く声が聞こえて来た。
私の部屋と母の部屋は隣合わせになっていて、ベランダが繋がっているのだ。もちろん、カーテンがかかっているので、ベランダいる私も、部屋にいる母も、互いの姿は僅かなカーテンの隙間からぼんやり見える程度だ。
急いで止めに来るだろうか。
止めに来たら目の前で・・・それは親不孝者か。
自分はどれだけ壊してもいい。でも他人に迷惑はかけない。それが私のどうしようもない信念だったっけ。
少し冷静になって来た。
今この手を離したらどうなるだろうか。
運悪く下に歩いていた人が下敷きになるかもしれない。 それはダメだ。
女手一つで育ててくれた母は立ち直れないかもしれない。 これもダメだ。
落ちた瞬間に異世界に転生するかもしれない。これは悪くない。それどころか、望むところだ。
「王家の子供として生まれて〜、カッコいい人と結婚して〜、ハチャメチャな日々を過ごして〜」と、妄想を膨らませている内に、口角が上がっていることに気がついた。
同時に、この世界の理想とはかけ離れた現実も露呈したが、それはもう分かっていることだった。
もう一度、自分について、他人について、にんげんについて、考えてみよう。
今日はさっさと寝よう。それでいい。
それしかない。 忘れよう・・・
そんなことでしかできない惨さを、もう1人の自分は自身に呆れ、無気力な暴言を吐き捨てる。
彼女は毎夜毎晩、同じようなことを考える。
この繰り返し。 常人にとってはただの苦行かもしれない。いや、苦行に違いない。
あなたにもいるもう1人の自分。
それにたとえ侵されていても、逆らい続けることは出来ますか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。最後まで読んでくれた方がいるか分かりませんが笑
まだまだ下手くそな文章だと思います。恥ずかしくなってきて、もう消そうかなとも考えましたが、ここで失敗を恐れたら大事な機会を逃す気がして、今現在、後書きを書いています。ただ、自分自身、この挑戦できたということがとても大きい成長だと感じております。投稿頻度は非常に少ないと思いますが、まだまだ挑戦していきたいと思います。
あ、僕も学生ですが、病んでるとかは無いんでそこはご心配無く!実は所々自分モチーフだったりもしますが・・・