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管理神との再会と世界神からの初めてのお使い依頼

管理神との再会


最下層にある、マスタールームに入りダンジョンコアの調整をすませ、魔物の新たな湧き出しは起こらないように設定。破壊神様、やっていってくれるかなって思ったけど、僕の勉強のためにおいていってくれたと信じよう。決して忘れたわけではないはずだ。


あまりの魔物の数に途中で数えることをやめ、向かってくる敵を片付けていく。ダンジョンの魔物は、ダンジョンに吸収され、代わりにドロップアイテムを落とすので、あんまり手間もかからず、あっさりと討伐終了。

こんなにあっさりと終わらせちゃいけない数の魔物だし、冒険者だと命を落とすレベルのAランクの魔物たちも多数いたのだが、そのあたりはもうすでに僕の敵ではない。人間辞めてんなあ。あっと人間じゃなかったんだ。


何日かぶりに地上へと出てきた。そこは、高い崖の間の深い谷で、乾燥した大地には一本の草さえ生えていない、まさに死の谷。風水的にも最悪だ。これは地形から変えないと、この土地を繁栄の大地の礎にはできない。ヨミ様やっぱりそこまでわかってるんだな。


うーん、どこから手をつければいいかなって考えていると、頭の上から

「蒼くーん」って呼ぶ声が聞こえる。上を向くと、5柱の女神が一斉に降りてくるところだった。

「ちょっとーーーー、どこいってたのよ。どんだけ探したと思ってるの。」

飛び降りてきて、抱きついてきたテミスがいきなり大声で攻め立てる。いやいや、下界におろす作業は女神様方がなさっていて、僕関係ありませんよね。


「えっと、僕は関係ないのでは?」


そういうと、うっと言葉に詰まった様子でジト目を向けてくるので、


「わかりました。最初から説明します。まず、死の谷ダンジョンの最下層に落とされました。

目を覚ましたら、破壊神様がいて、僕に詳しいチュートリアルを施してくださいました。おかげで、最低限の魔法とスキルを使うことができるようになりました。」


ちょっぴり皮肉をきかせてそういうと、


「え?」っとみんな驚いた目で僕を見る。


「今、破壊神様って言った?」いつもはおとなしい、カリスが真っ先に聞いてくる。若干顔色悪いんだけど大丈夫かな。


「はい。破壊神のヨミ様です。一応皆様に伝言を預かっているのですが、決して僕が言ったのではないので、不敬だって怒らないでくださいね。」


そういうと、そんなこと言うわけないじゃないって言いながら、ヨミ様の伝言って?とみんな興味津々。


『こんの駄目女神どもめ。蒼のステイタス調整一つ上手くできんのか。その上、チュートリアルせずに下界に落とすとは何事じゃ。』

とのことです。


「不敬よ不敬よ不敬よ!!!」とテミス様が叫ぶ。


「だから僕じゃありませんって」

とばっちり食わないように、距離をとる。


「まあまあまあ。」と苦笑いを浮かべながらそれを宥めるワムス様。


「まあ、本当にヨミ様。まさしくヨミ様がおっしゃりそうなこと。」

そう言って胸に手を当て感激してるカリス様や、今怒られてるんだがわかってますか?おーーい。


「え?私たち、頑張って精一杯のステイタスを作ったわよね。」とナリス様が言うと、ミヌス様も言葉を続けていう。

「そうよ、最初としては破格のステイタスよ。」


そこでワムス様が何かに気づいたように、僕の初期ステイタスをのぞいている。


「あっ、違う高すぎたんだ。いきなり、知力100なんて、並行思考のスキルを獲得してないうちにしては高すぎる。全ての能力の引き上げを行う前にあげすぎたんだわ。天界ではなくて地上で生活するんだものそこを考えないといけなかったのに」

そう言うと、みんなバツの悪そうな顔で立ち尽くす。このままでは話が進まないので、


「あと、ヨミ様がワムス様とミヌス様に、ここの地形変化と環境整備をするようにと。その後に、皆様と大神様を祀る神殿を建てます。ミヌス様、水脈を探ってくださいませ。ワムス様、地脈を探ってくださいませ。その二つの交わるポイントが龍脈になります。その地に神殿を築き、そこを中心にこの地を吉相の土地にするようにせよとのお言葉でした。神術をお使いになる際には私をお側において学ばせてください。毎回、女神様にお越しいただくわけにはまいりませんので、以降は女神様の代わりに行わせていただきます。」


「そうね、ちょっと最初にしくじったけど、ミヌス汚名挽回よ。」


「そうよ、じゃあいくわよ。」


『天地開闢』『流水育命』


二柱の神から神々しい光が迸り、あっという間に、地形改造と泉、川、池、湖が配置される。

あまりの神術の凄まじさに圧倒されて口が聞けなくなってると、ワムス様が

「蒼、そこが龍脈よ。」

そう言って、今立っているところから少し離れたところにある場所を指し示す。

「ここに神殿を建てるのね。素敵だわ。そうだワムス、植物の大精霊を呼んでちょうだい。」

ナリス様がそう声をかけると、ワムス様は微笑んで、大精霊を召喚する。


「おひさしゅうございます、ワムス様、女神様方」


「久しぶりね、フローラ。ここに私たちを祀る神殿を建てるの。なので、ここに世界樹を植えてちょうだい。それから、ここにいるのが蒼。私たちの代わりに地上で色々やってもらうことになるわ。あなたも助けてあげてね。」


そう言って、フローラに僕を紹介してくれた。


「初めまして、蒼様。私は植物の大精霊フローラと申します。私の手伝いが必要な時はいつでもお呼びください。」


「ありがとう。頼りにさせてもらっていいかな。それから僕のことは蒼と読んでください。フローラさんの方が僕より長くこの地にいる先輩だから。」


その瞬間ピシリと空気が震えた。ゾク?何?


「先輩だなんてとんでもございません、私のことはフローラとお呼びください。私も蒼さんと呼ばせていただきます。」


ああ、これ、あかんやつや。ただ、敬っただけやん。ここは、素直に


「フローラ、ありがとう。そうさせてもらう。」


「はい。では世界樹を呼び出しましょう。」


そう言うと、多くの精霊たちが現れ、龍脈に小さな双葉が出たかと思えば、あっという間に僕の背丈を超える木に成長した。


「これが世界樹。この世の汚れを払う希望。」フローラが言うと、女神と精霊が一斉に祈りを捧げ始めた。どうするか習っていないのに、最初から知っているように、僕も同じように跪き、祈りを捧げていく。そして、世界樹の意思を受け取った後に、『アーキテクト』を発動。


前世の記憶から、箱根の森美術館のステンドグラスで覆われた塔をイメージして、北側に3本の尖塔を並べ、中央が世界神、向かって左が創造神、向かって右が破壊神の塔とした。

建物全体のイメージはサグラダファミリアに似せていく。


塔の入り口は、祭壇裏の広場につながるようにしておき、ここは壁で覆っておく。


祭壇を作る際に壁を作り、南と東と西の壁上半分にはステンドグラスをはめ、下半分は壁とし、壁画を描いた。

扉は南側の中央に大扉、左右に一つづつ中扉。東と西の壁には3枚の中扉をつける。

北側は5体の女神像を並べる。5体の女神像は横並びとし、序列はないものとする。


そうやって、教会を作り終わると、集まってくれていた精霊たちが思い思いに死の谷を美しく生命溢れる地へと変えてくれる。多くの精霊がこの地に移動したことで、多くの命が新たな聖域たる、この地に集まってくることだろう。『死の谷』は『命の谷』へと名前を変える。

命の谷は精霊たちに任せておこう。女神様方は天界の後座所に戻られお勤めがあるので、大神様の声を聞きに行って、お使いを始めよう。最初は世界神様のお声を聞きに行く。


女神様方をお見送りした後、完成したばかりの世界神様の塔に登る。屋上のテラスに出ると、その場に座り、瞑想に入る。すると


「君が蒼だね。管理神たちから君のことは聞いているよ。今僕は他の世界の作成中で手が離せなくて、会いにいけないんだけど、君が代わりに動いてくれると聞いて、やっと安心できたよ。でも、まずはこの世界を知らないといけない。この地にいる生命、精神、起こっている問題を理解するためにも、ひと組の親子を保護してほしい。そこから、西にしばらく向かうと、アレジ王国とミノラ王国という国がある。今、アレジ王国の王太子妃とその子供が、トラブルに巻き込まれてアレジ王国の王宮から逃げ出してるところなんだけど、ちょっと複雑でね。そのトラブルを解決すると、君がやらないといけないことの手がかりをつかめると思うんだ。やってもらえるかな?」


「はい。最善をつくします。」


「君ならきっと大丈夫だよ。頼んだよ。」


そういうと、通信が切れた。


ふん、結構今現在進行形でやばいってことね。アレジ王国王宮、ふんふんここね、そこから、あー、ミノラ王国に向かってるんだな。でも、護衛やられちゃってるけど、はいはい。これはやばい。ちょっとよくわかんないけど、とにかくまず彼らを助けよう。


そう考えて、塔から飛び立った。


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