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聖女じゃないのに正常じゃない毎日

聖女じゃないのに正常じゃない日常3-聖女じゃない私と黄金の湖の秘密

作者: サッカ9

私はレイラ。

聖女じゃないけど、なんか最近「聖女扱い」されることが増えている。

魔法が少しだけ使えるだけの田舎の平民なのに、なんでだろうね?

私はレイラ。ただの平民で、ちょっとだけ魔法が使えるだけの17歳。でも最近、なぜか「聖女様」なんて呼ばれることが増えてきた。私、聖女じゃないのに。


それが証拠に、今日も朝から畑で働いていた。土にまみれながら野菜を植えていると、村人のボーナムが麦を抱えて走ってきた。

「レイラ、大変だ! 黄金の湖が……!」

彼は息を切らしながら、私の肩を掴む。

「湖が、どうしたの?」

「湖の水が金色になっちまったんだ!」

「金色?」

黄金の湖と呼ばれる村の外れの湖は、いつもは澄み切った水がたたえられている。それが突然、金色に輝き出したらしい。彼の話では、近くの植物が枯れ始め、湖岸には魚の死骸が散らばっているとか。

「自然現象じゃないの?」

「だったらいいけど、村のみんなが怯えてる。お前なら何か分かるんじゃないかって……」

私はため息をついた。村人たちが私を頼るのは嬉しいけど、「聖女扱い」されるのはちょっと違うんだよな。


湖の異変

翌日、私は黄金の湖へ向かった。湖に近づくと、不気味な光景が広がっていた。確かに、湖面は金色に輝いている。でも、その輝きは神秘的というより、不気味で、どこか冷たい印象を与える。

「これが金色の湖……」

湖の周囲には草木が枯れ果て、魚の死骸がいくつも浮いている。さらに奇妙だったのは、湖面からほんのり漂う硫黄のような匂い。これが単なる自然現象ではないことは一目瞭然だった。

湖岸で見つけた古びた木製の祠が気になり、中を覗き込む。そこには、ひび割れた石碑が置かれており、何かが書かれているようだった。しかし、文字が古すぎて読めない。

「これ、何かの呪い……?」

そう呟いた瞬間、背後にひんやりとした気配を感じた。


古い伝説

領主様の館に戻ると、領主様が古い文献を広げて待っていた。

「黄金の湖の異変か……もしや、あの伝説が関係しているのではないか」

文献には、こんな話が書かれていた。

「かつてこの湖には、精霊が宿っていた。人々はその恵みを享受していたが、ある日、欲深い者が湖の宝を奪おうとした。その時、精霊は怒り、湖に災厄をもたらした――湖が金色に染まるのは、その災厄の兆しだ」

「災厄の兆し……って、このままだとどうなるんですか?」

「水が飲めなくなり、魚も捕れず、村は干からびるだろう。最悪の場合、湖そのものが消えてしまうかもしれない」

村人たちが命を繋ぐ湖を守るため、私は再び湖に戻る決心をした。


湖底の秘密

黄金の湖に戻った私は、不思議な現象を目撃した。夕方になると、湖面が淡く輝き始め、その光が一点に収束していく。何かが湖底にある――そう直感した。

問題はどうやって湖底を調べるかだった。泳ぎが得意なわけでもないし、こんな湖に潜るのは危険すぎる。

その時、森で見つけた小さな妖精たちが声をかけてきた。

「レイラ、人間なのに怖くないの?」

「怖いけど、村を救わなきゃいけないんだ」

妖精たちはしばらく考えた後、「私たちが手伝う」と言ってくれた。妖精の魔法で水中でも呼吸ができるようにしてもらい、私は湖に飛び込むことになった。

湖底は薄暗く、不気味な静けさに満ちていた。その中で、一際強い光を放つ黄金の石碑を発見した。


精霊の怒り

石碑の表面には精霊語が刻まれていた。妖精たちが解読したところ、それは精霊の契約だった。

「欲深き者よ、この湖に触れるべからず。約束を破る者には災厄を与えん」

さらに、石碑の周囲には金貨や装飾品が散乱していた。おそらく、誰かが湖を利用して財宝を隠していたのだろう。

「これが原因か……」

突然、湖底が震え、濃い霧が石碑を包み込んだ。その霧の中から、長い髪をたなびかせた女性の姿が現れる。湖の精霊だった。

「人間よ、ここで何をしている」

精霊の声には冷たい怒りが込められていた。私はひざまずき、必死に事情を説明した。

「私は村を守りたいだけです!この湖を汚したのは私じゃない。でも、村人たちが困るのを見ていられないんです!」

精霊はしばらく私を睨んでいたが、やがて静かに頷いた。


新たな契約

「ならば、新たな契約を結ぶ。お前が湖を守る者となれ」

「えっ、私が……?」

精霊は金色の光を放ち、私の手に小さな結晶を置いた。

「これは湖を浄化する力を持つ。だが、二度と欲深い者が現れぬよう、この湖を守ると誓え」

私は深く頭を下げた。「誓います!」

すると、湖底の財宝が次々と光の粒となって消えていった。それと同時に、湖の水が金色から透明へと戻っていく。


湖の平和

村に戻ると、領主様や村人たちが湖の変化に驚き、大喜びしていた。

「レイラ、本当に聖女だったんだな!」

「だから違うってば!」

それでも、村人たちの笑顔を見ると、少しだけ誇らしい気持ちになった。


その後の私

湖を守る結晶は、私の手のひらにしっかりと収まっている。それを見るたびに、村を守る責任を思い出す。

「聖女じゃないけど、これからも頑張るか……」

そんなことを考えながら、私はまた次の事件に巻き込まれる日を少しだけ楽しみにしていた。




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