表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

彼女は死んだ

作者: 檸檬あおい

「どうして死なないといけないのかしら」

 ミリアは振り返った。


「私、まだ生きたいの。

 あなたと一緒に生きていたいの。

 ねえ、なんで?指輪も一緒に選んだじゃない。

 出会って、告白してくれて、一緒に歩んできたじゃない。

 ずっと幸せだったし、あなたもそうだったでしょう?

 ねえ、どうして。

 なんで生きてちゃダメなの。

 ねえ、どうして」


 涙も枯れ果てた大きな瞳が、虚空を浮かべて問いかける。


 己の細く白く華奢な首に、包丁を突き立て問いかける。

 溢れ出る鮮紅。


 なんで


 唇が象る。


 答えることは難しい。


 彼女は一人で死んだ。

 伴侶もそこには居なかった。



 たった一人で死んでった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ