第一の便り
「ねールアレ、ミンホ、おうちどうしようか?」
元気が取り柄のクユリは目の前に広がる大海原を駆け回るかの如く、
ハイテンションな様子である。この3精達、長コウキクが召喚した使い魔は、
入祭で生まれた3人の赤子を育てるための住処位置を探していた。
「えーとーここは、どう、かな?」物静かなルアレは周囲察知能力に秀でており、
影に存在を隠すかのように里離れた奥地を見つける。
「んーと、そうだな、目につかぬようにとお達しを預かったわけだが、
この地形と土地と天気の相性は良さそうだ」
ミンホがさらりと視覚画面をサクサク操作しながら頭脳明晰さを発揮する。
「じゃあ、ここにしようか、おーい、クユリちゃん、ミンホくんと良さそうな場所見つけたよ…!」
「あ!ルアレ、ミンホ、さっすが頼れるパートナーだね。あとは、天候を確保して、と。ようし!さっそく居住造形建てるよー!クルクルクユリ、大地に!」
「ルンルンルアレ、天地に!」
「ミルミルミンホ、埋め尽くせ!」
シュシュシュッキラッ!とどんな事態にも対応でき、綿あめのように緻密で柔軟な巣を立てた。
「フヮーー、やっと我らの第一任務完了ってとこかな!」「そうだね~、お腹も空いたし、ちょっと休みたいね〜」