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(16)好(この)み

 人それぞれにこのみ・・というものがある。好みが達成されれば、人は楽しい気分となる。だが、そういつもいつも自分の好みどおりになる訳がない。多くの人の中で生活していれば、当然、他の人の好みも受け入れねばならないからだ。例えば、美人や美男子よりオカメやヒョットコが好みの人がいたとして、『ええ~~っ! あんなのがっ!?』と思ったところで、当の本人の好みなら致し方ない。まあ、この場合、自分には関係ない話なのだか…。^^

 三人の中年男が、喫茶店の席で喧嘩けんかするでなく口論している。

「いやいやいや、私は三杯は入れますよっ!」

「そんなにっ! そりゃ甘過ぎるでしょうがっ! まあ、二杯が限度ですよっ! 現に私の好みは二杯なんですからっ!!」

「お二方ふたかた、何をおっしゃるっ!! コーヒーてなもんは、ブラック! ブラックに決まってるじゃありませんかっ!!」

「ええっ! そりゃ、いくらなんでもにがいっ!」

「苦いって、アンタっ! それが美味うまいんじゃないですかっ!」

「まあまあまあ、そう興奮されずっ!」

「興奮してるのは、アンタじゃないかっ!」

「いやいや、わたしゃ、興奮なんぞしてませんっ! ただ私の好みを言ったまでですっ!」

「私だって好みを言っただけですっ!」

「私もですっ!」

「… … だったら、それでいいじゃないですかっ!」

「ええ、まあ…」「さよですな…」

 三人は沈黙して、それぞれの好みでコーヒーを飲み終えたあと、仲よく別れた。

 好みが自分に合っていれば、人は関係ない・・ということになる。ただ、好みを人に主張するものではないようだ。^^ 


                  完

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