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(13)本質

 楽しいと思える本質について考えてみよう。少し小難しい言い回しなので、もう少しくだいて表現すれば、楽しい! と思えるその原因、理由について考えるということである。そんなもの、楽しいから楽しいに決まってるじゃないっ! …と、オバちゃん連中に言われれば、それもそうだから、そう思われるオバちゃん方は、お茶を飲みながら煎餅せんべいでもかじってテレビを観ていて下されば、それでいい。^^

 ここは、とある学校の放課後の職員室である。

「どうされました? 鳥肌とりはだ先生。最近、少し元気がないようですが…」

「ああ、これは寒疣さむいぼ先生でしたか。どうも最近、楽しい気分がしないんですよ」

「楽しい気分がしないとは?」

「教えてましてもね、ちっとも教える喜びというか…何と言うか…」

「教える喜びですか?」

「はい…」

「もう一度、教育とは何か・・について、その本質をお考えになってはいかがでしょう」

「教育とは何か・・ですか?」

「はい、そうです。教育の本質について、です。見つめ直せば教える楽しい気分ももどると思いますよ、きっと」

「ありがとうございます。そうしてみます…」

 その一週間後である。

「おお! 鳥肌先生! すっかりお元気になられたようですね?」

「はあ、おかげさまで…」

「教育の本質がお分かりになったようで」

「いいえ、ちっとも…」

「えっ!?」

「教育の本質は分からなかったんですが、楽しいと思える本質は分かりました」

「そ、それは、何ですっ?」

「はい、帰って食べられる一個の饅頭まんじゅうですっ!」

「饅頭? ですか?」

「はいっ! 饅頭です。私、無類の甘党なんですが、ここんとこ、その饅頭が手に入らず、食べられなかったからだと思います」

 楽しいと思える本質は、意外なところに隠されているのである。^^


                  完

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