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裏方の勇者  作者: ゆき
召喚編
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先生

「おはよう、レイラさん。装備について教えてほしいんだけど、火の魔術と親和性の高い素材って何かわかるかな?あと鍛冶師も紹介してほしい。」

「次は装備ですか、基本的に火を使う魔物の素材を使えば、相性は良くなるはずです。王都付近であれば、3日ほど北に行ったところにある火山に、サラマンダーが生息しています。鍛冶屋も探してみます。」

「サラマンダーか・・・3日となると旅支度をしてから行かないといけないな。」


旅のセットを整えるのにまだまだ金が足りないだろう。

近場で結構な量の魔物退治をしなければいけないだろう。


「魔術師の方はいくつか当たってみましたが、返答は保留にされています。」


しまった、昨日の今日でもうそんなに動いてくれていたのか。


「ごめんレイラさん、魔術の先生は教会のツテで、見つかった。」


魔術が使える事を見せるために、小さなファイアーボールを出して、くるくると動かしてから消してみる。

レイラさんは信じられないものを見たというくらいに驚愕していた。


「!? もうそこまでコントロール出来るのですか。」

「先生が物凄い方だったので。」

「それにしても限度がありますよ。無詠唱でその精度であれば、すでに中堅魔術師クラスです。」

「まだまだ基礎をかじっただけだから、流石におだてすぎだろ。」


そんなに褒められてもなにもでないよ。


「これでも控えているほうです。しかし、そこまで使えるのであれば、先生は必要無さそうですね。」

「頼んでおいてすまないが、キャンセルしてほしい。」

「わかりましーー」

「レイラ殿、先生の件私が引き受けようと思うのだが。」


タイミングが非常に悪いと思いつつ後ろを振り向くと、

すごく騎士っぽい軽鎧で腰にレイピアを携えた女性がギルド入り口に立っていた。


「すみませんリリィ、実は他で人が見つかった見たいで、今日その連絡をしようかと思っていたところです。」

「そうだったのか、残念だ。もしやそこの彼が今回の依頼主か?」

「そうです。私が担当することになりました、ハヤト様です。」

「隼人だ。今回は無駄足を踏ませてしまって申し訳ない。ある方が教えてくれて基礎は出来るようになったんだ。」


人差し指を立てて指先からライター程度の炎をだす。


「成る程、確かに出来ているな。今日の予定が無くなってしまった。」


肩を落とすリリィさん。

仕方ない、この手を使うと脳筋認定されそうでいやなのだが、背に腹は変えられない。


「リリィさん、今回は全面的にこちらが悪いので、ぜひ教えてほしい。」

「まずは基礎の反復練習だ、少し出来たくらいでマスターした気になってもらっては困る。」

「そんなつもりはない、俺に教えてくれた方は学者タイプで、コントロールと座学がメインだった。だから実戦的な所を教えてほしい。」

「実戦か、わかった。初級攻撃魔術はどこまで覚えた?」

「全部」

「良いだろう模擬戦で使えるか試してみるといい。」


無事、リリィさんと俺の予定が決まった。


「そういえばレイラさん、この場合は依頼代金ってどうなるんだ?」

「リリィさんクラスに教えを請うとなると、銀貨5.6枚辺りが相場かと。」

「高いな。やっぱり、リリィさんってスゴい人なの?」

「知らずに模擬戦を挑んだのですか?リリィさんのギルドランクはAですよ。」

「そんなすごい人が来てくれたのか。持ち合せは足りないけど、奥の手を使えば払えるからお願いしよう。」


なんか申し訳なかったから、これなら解決できると思って提案したが、思いがけずいい結果になったな。

レイラさんが少し呆れながらリリィさんへと金額の話をふる。


「リリィさん、金額がまだ決まっていませんが、どの位であれば受けて頂けますか?」

「ゼロでいい。教える訳ではないからな。」

「俺からの依頼だ。報酬は受け取ってほしい。」


無償だとむしろ怖い、ここは払ってチャラにすべきだろう。


「本当に要らないんだが、仕方無いな。いくら出せる?」

「手持ちは銀貨5枚だが1枚は残したいから4枚までならすぐ出せる。それ以上なら後日渡す。」

「では、2枚でいい。」


急に安くなった気がするな。

まぁ、本人が金額を提示しているんだから問題無いだろう。


「では、正式な依頼としてギルドで手続きして参りますので少々お待ちください。」


レイラさんは、慣れた手つきで書類を作成し、近くの受付嬢に指示を出す。

金額と内容を確認してサインし、そのまま訓練場へ向かう。


「人払いをしてもらいましたので、存分に使って下さい。」

「ありがとう、レイラさん。」


ガイアスと闘ったこの訓練場で、次はリリィさんと対峙することになった。

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