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裏方の勇者  作者: ゆき
召喚編
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初戦闘

「レイラさん、早速だが午後からゴブリン辺りを倒しに行こうと思うんだけど、どこに行けばいい?」

「王都の東を出て草原を少し歩くと森が在ります。そこに生息しているのですが、初めてなので森には入らず餌を求めて草原に出てきたゴブリンを狩るといいと思います。」

「そうするよ。ありがとう」

「どういたしまして。頑張ってください。」


ギルドの二階でよくわからない肉を食べてから王都の外に向かう。

そこそこ美味しかった。


王都はぐるっと壁で囲われていて魔物の侵入を防ぐ作りになっている。出入りには東西南北に1つづつある関所のどれかを通らなければならない。

東の門を通り外へ出る。

東門の外は馬車用の広い道以外は草原が広がっていた。

言われた通り草原を進んでいき森が見えてきた頃、遠くにゴブリンが3体見えた。


「とりあえず魔術でも使ってみるか・・・」


ゆっくり、気づかれないように近づき、右手を前に出す。

火の魔術といえばこれだろう・・

技名を口に出してみる。


「ファイアーボール」

「・・・・・・」


・・・なにもおこらなかった。

誰も居ない事を確認してからやってるんだが、ついついキョロキョロしてしまう。

俺だって常識人だ、こう言う時に何て言うか知っている。


「【悲報】異世界にファイアーボールは無かった件」


もしかしたら他ならあるかもしれない。


「ファイアーアロー、ファイアーランス、フレイム・・・無理だ何も出ない」


その場にへたりこむ

一人で騒いでいたせいでゴブリンに気づかれた。

3体とも奇声をあげながらこちらへ走ってくる。

1体が飛び掛かりてに持っていた棍棒を振り下ろしてくる。

身体強化をしながら棍棒をかわし、顔面に右ストレートを叩き込む。

ぐしゃっと頭蓋を割り頭が潰れる感触がした。

気持ち悪いが2体目が来ているのでそちらの対応をする。

1体目よりも少し力を弱めて廻し蹴り、側頭部にクリーンヒットし、ゴキッっと鈍い音をたててゴブリンは力なく倒れる。

3体目は不利を悟り、森へと逃げていく。

俺はナイフを取り出し投擲する。

ナイフは狙い通りに真っ直ぐ飛んでいきゴブリンの背中に刺さる。

止めをさしに近づくと、ちょうど心臓に刺さったのか絶命していた。


「・・・初戦闘は完全勝利だな。」


討伐証明魔石を取り出そうとしたところで、どこかから戦闘音を聞き付けたのかまたゴブリンがやって来た。

こちらに向かって草原を走ってくるので身体強化をして、走り出そうとしたところで思い出す。

ガイアスは身体強化で魔力を活性化させると言っていた。

つまりこの溢れる力は魔力なのだろう。

これをコントロール出来れば魔術使えるんじゃないのか?


身体強化のエネルギーを手に集め、火に変えるイメージをする。


「ファイアーボール」


ボッと1メートル程の火の玉が現れゴブリンに向かって飛んでいく。


「デカくないか?」


火の玉はゴブリンを飲み込み、地面へと着弾し爆発した。

ズンッと大気を揺らすような感覚と閃光、明らかなオーバーキル。

直径にして6メートル程だろうか?草は消し飛び地面はプスプスと煙を上げながら禿げ上がってしまった。


「・・・ちゃんと教えて貰おう。」


気を取り直してゴブリンをあと数体倒し、王都へ帰った。


王都へと戻り、冒険者ギルドへと入っていく。

二階でハゲが飲んでいる。絡まれなように早く切り上げよう。

レイラさんにゴブリンの討伐を報告して報酬を受け取る。

ゴブリン数体じゃあたいした金額にならんな。

本題の魔術についてきこう。


「レイラさん魔術を覚えるにはどうしたら良いんだ?」

「独学で一から覚えるのは難しいので、学校に通うか、魔術師に師事するしかないです。」


学校は時間かかりそうだから論外として、手っ取り早いのは弟子になることだが、短期間に基礎だけ教えてもらえる人なんかいないだろう。

「依頼として先生を雇うのはどうだ?」

「それでも教えてくれる人を探すのは大変です。私も信頼出来る方を当たってみますが、問題は期間と金額でしょうか?」


今、俺に頼れるのは教会しか残ってないな。

目の敵にしてるの派閥もあるから頼りになるか甚だ疑問だが聞くだけ聞いてみるか。


「お願いします。俺も教会で人を当たってみるよ。」

「それが宜しいかと思います。」

「じゃあ、ちょっと行ってくるよ。ありがとう」

「いえ、またのお越しをお待ちしております。」


冒険者ギルドを出て教会へと向かう。

奥へ入る許可は貰っているので、そのまま昨日泊めてもらった部屋まで行って、荷物をおろす。

汚れていた身なりを整えて部屋を出る。

その辺にいたシスターに声をかけ、マリエルさんに取り次いでもらう。

すぐに許可が下り、マリエルさんの部屋へと案内される。

マリエルさんは部屋の外で待っていた。


「お待ちしていたのでございます。どうぞ中へ」


部屋の中へ入ると、またも女神様が紅茶を飲んで待っていた。

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