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裏方の勇者  作者: ゆき
召喚編
18/186

オーク討伐2

バラバラに散らばっていくオーク達。

逃がすと後々面倒になりそうなので、ファイヤーウォールを半径20メートル位の円形に発動する。

突然、目の前に火の壁が出来て戸惑うオーク達を全て倒し、ファイヤーウォールを解除する。


「このまま洞窟の中まで入るか。」


今日中に終わらせてしまおう。

洞窟は、入り口こそオークがギリギリ通れるサイズだが、内部の空間は広く確かに魔物が住みやすそうな場所だった。

暗いのでランタンを灯す。

レイラさんと買いに行ったランタンで魔石を利用して光るやつだ。

魔石に刻印がしてあり魔力でオンオフ出来るようになっている。

魔石マジ電池。


奥へ進んでいくと、オーク達がまたわらわらと出てきた。


「おいおいトータル10匹位じゃなかったのかよ。こんなにいたら残党がりじゃねーじゃん。」


まさかのノルマ増量に悪態をつく。

今回の集団に上位種はいなかったので、ただのワンパンの単純作業とかした。

洞窟の一番奥にたどり着くと、そこには通常のオーク4匹とオークの上位種2匹、見たことないメスのオークがいた。

周りには村から奪ったのか、そこら辺で捉えたのか、家畜の死骸や骨が食べ散らかされて散乱していた。

雑談でもしているのか、騒いでいるためこちらに気づいた様子はない。

不意をついて上位種を1匹は仕留めたいところだな。

気配を消し、意を決して炎のブースターを使い突撃する。

こちらに気づいたオーク達が、身構える前に上位種の1匹にパンチの間合いまで入り鎧通しを当てる。

そのまま2匹目に近づくが、通常のオークに邪魔をされる。

強化した蹴りで吹っ飛ばす。

さらに近くにいた通常種をワンパンで潰す。

上位種は武器を手に取り、こちらに戻ってくる。

上位種はどこで手にいれたのか、先程の上位種と同じ斧を持っていてフルスイングで横薙ぎに振る。

モーションが大きいのでダッキングですれすれで躱す。

上位種の斧は俺にかわされたことにより、後ろに近づいてきていたオークを真っ二つに切断してとまる。


「ぶお゛ぉお”おぉぉ」


自分で切っておいてキレる上位種、その隙に鎧通しで攻撃しようとするが、何度も見せすぎたのか、斧を離し後方に跳んで回避される。

着地した瞬間に地面を蹴り、こちらへと突っ込んでくる。

大振りの右ストレートを捌き、その手をとって、後ろにいたオークめがけて背負い投げの要領で投げ飛ばす。

予定通りの軌道でオークを巻き込みつつ飛んでいき、壁に激突する。

下敷きになった通常種は押し潰されて絶命した。

上位種はさらに激昂したようで、唾を撒き散らしながら咆哮し、こちらへと突っ込んでくる。

のけぞるように回避し、その勢いを利用して、上位種の顎を前足底で蹴り上げる。

上位種の巨体が浮き、タックルの勢もあり、俺を飛び越え後方を転がっていく。

振り返り上位種を確認すると、首はあらぬ方向にひん曲がり、顎は砕けて顔までひしゃげていた。


「意外とやってみれば出来るもんだな。」


誰に言う訳でもなく独り言が漏れる。

そう、当たる瞬間に崩拳を放ったのだ、足で。


「ぶおぉ、ぶおぉ」


泣いているのか悲しそうに喚くメスのオークへと近づく。


「・・・悪いな、俺達が生きるためなんだ。」


そして、鎧通しを放つ。

メスのオークは一瞬、小さく痙攣し、力なく崩れ落ちた。


「・・・帰るか」


魔石のみ回収してから、洞窟をでて村へと戻っていく。

村の近くまで行くと、最初に来たときに警備していた集団にいた青年が血まみれで倒れていた。


「おい、何があった?」

「オ・・・オークが・・・」


俺の肩をガッチリとつかみ、かすれた声で訴える青年。


「村に入っていったのか?」


青年は声を出すのも辛いのか、首を何度も縦に振る


「わかった。行ってくるから、死なずに待ってろよ。」


その言葉に安心したのか目を閉じる青年。

死んではいないが、すぐに応急処置しないと危ないだろう。

しかし村の方が先だと思い、近くの木に持たれ掛けさせて村の中へと走っていく。

村ではオークが数匹倒されており、残り2匹のようだ。

村の男達は槍や剣を持って善戦しているが、肩で息をしている状態だった。

とりあえず近い方から片付ける。炎のブースターで接近し、背後から首の付け根辺りに崩拳を放つ。

オークが崩れ落ちるのを見る暇もなく次へと飛んでいき、某特撮ヒーローのようなブースターの勢いでの飛び蹴りを決める。

実際には蹴りは相手を突き抜けないので、蹴った状態で重力によって地面へと吸い寄せられられ、オークを踏みつけるような格好で10メートルほど滑って行く。

止まったところで足元のオークを見ると、頭が半分ほど地面にすりおろされて、絶命していた。


「よしこれで終わっ----」

「嫌ーーーっ!!」


た、と言おうとしたところで悲鳴が聞こえる。


「まだいたのか?」


悲鳴のあった方へと走ると、警備のリーダーっぽい、声をかけてきた男が血を流して倒れていた。

近くには子供を抱えておびえている女性がいて、オークの上位種は今にも三人に斧を振り下ろそうとしていた。

走っていく時間も無いので、ファイヤーボールを上位種に向けて連射する。


「ぶおおぉぉぉぉぉ!!」


上位種は、斧を振り下ろすのをやめ、こちらを向き吠える。

気にせずファイヤーボールを打ち続けると、完全にターゲットをこちらにしてくれた。

三人には目もくれず、俺の方へと走ってくる上位種。

4匹目となると斧を躱すのも容易である。振り下ろしをギリギリでよけ、一回転してわき腹に右フックを一撃、身体強化された一撃に上位種の身体はくの字に曲がる。そのまま右腕で、もう一周円を描くように、二発目のフックを放つ。身体を傾けて上から振り下ろすような一撃を、くの字に折れて下がってきた頭部へと叩き込む。

鎧通しや崩拳を使わずに、純粋にに身体強化のみでの二撃で、上位種はバウンドしながら数メートル跳んでいき、動かなくなる。

今度こそ終わっただろう。

死者は無く、重傷者もリーダーと青年だけで、残りの人達はなんとか軽傷で済んだ。

重傷の二人も、応急処置が間に合い、一命をとりとめた。

応急処置を手伝っていると村長が顔を出す。


「助かりましたぞ、ハヤト殿。」

「まさか、出ている時に村が襲われるとは思わなかったよ。」

「仕方ありませんな、洞窟はどうでしたかな?やはりこちらが本体だったのですかな?」

「いや、洞窟が本体だったよ。30匹くらいいた。」

「なんと、ではオークジェネラルもいたという事ですかな?」


・・・オークジェネラル?あの上位種の事か?将軍とはたいそうな名前だな。


「あぁ、あとメスのオークもいた。」

「!!クイーンもいたのですか!これはまずい、直ぐに王都に緊急依頼として使いを出さねばなりませんな。」


急に焦りだす村長。爺さんのあたふたしてる姿なんて見たくないんだよ。


「落ち着け村長」

「これは一大事ですぞ、ハヤト殿。」

「もう終わったんだよ。」

「まだ、あきらめてはいけませんんぞ。どうにかして村を守るすべを考えませんと。」


・・・ちげーよボケ老人。なんでちょっと半ギレなんだよ。


「・・・言い方が悪かった。洞窟のオークは全部倒してきたから、使いなんて出さなくていい。」

「本当ですかな?」

「あぁ、落ち着いたら確認しに人をよこしてくれ。」

「わかりました。取り乱して申し訳なかったですな。」


落ち着きを取り戻し、謝罪をしてくる村長。


「かまわん、疲れたから少し休む。村が落ち着いたら声をかけてくれ、洞窟まで行こう。」

「わかりましたぞ、ハヤト殿はゆっくりしていて下され。」


そのまま、俺は目を閉じる。

鎧通しと崩拳・魔術の連発で集中力と体力・魔力まで使い過ぎた。

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