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裏方の勇者  作者: ゆき
召喚編
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オーク討伐

旅の道具も揃い、リリィさんが帰ってくるまで当面の生活費用が稼げれば良い状況になってしまった。

借金は沢山あるけど、返すのは大金が入った時で良いだろう。

魔術と身体強化の練習、後は軽い運動ができれば良いんだけど、ゴブリン程度では弱すぎるし、近場で強めの魔物が出る所でもレイラさんに教えてもらおう。

朝の日課を終えてギルドへと向かう。


「おはようレイラさん。」

「おはようございます、ハヤト様。昨日はご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。」


あの程度まったく迷惑だと思わなかったんだけど・・・


「むしろレイラさんの普段見れない可愛らしい姿が見れて良かったと思ってるよ。」

「あまりからかわないで下さい。」


レイラさんは少し顔を赤らめて拗ねた表情をする。


「ごめん、でも迷惑どころか楽しかったし、また食事行こう。」

「ぜひまた行きましょう。」


意外にも、良い返答が来た。社交辞令では無いと良いのだが。

少し雑談が長くなってしまったが、当初の目的である魔物の話をする。


「このクエストを受けてみては如何でしょうか。隣の村からの依頼で、オークの調査及び討伐です。」


丁度良く、オーク討伐のクエストがあるみたいで、そのクエストを受ける事にする。


「そのクエストを受けるよ。詳細を教えてほしい。」


王都を出て、森へ入らず、道をまっすぐ行った先の村が今回の依頼主で、その村よりもさらに進むと、オークが出る場所があるらしい。

オークの数がいつもより多く、上位種が居るかもしれないので、その場合は調査のみで、可能であれば討伐して欲しいという内容だった。

村で一泊の旅になりそうなので、昨日買った道具が役に立ちそうだ。


「それではお気を付けて行ってらっしゃいませ。」

「あぁ、言ってくるよ。」


いったん教会に戻り、マリエルさんにクエストで帰れなくなる旨を伝えて王都を発つ。

出発が遅くなってしまったので、また走ることにする。

召喚や、称号、スキルによって、かなり強化されているためか、普通に走っていても大して疲れる事が無い。

道中、出てくるゴブリンをファイヤーボールで瞬殺していく。

ファイヤーボールは通常バレーボール程度のサイズなのだが、練習の末に、野球ボール程度まで圧縮することが出来るようになった。

ゴブリン自体は、ファイヤーボール数発で仕留める事が出来ていたのだが、圧縮したことによって、破壊力が急増し、一撃で頭を吹き飛すまで強くなった。

まだまだ身体強化や纏の方が威力はあるが、これで牽制だけではなく、決め技としても使えるだろう。

しかし、弾丸を目標にするならまだまだ道のりは長そうだ。



かなり速いペースで走ったのだろうか。

予定よりもだいぶ早く村が見えてきた。


「止まれ、何者だ。」


オークを警戒しているのか村の男たちが数人のグループで、村の周りを警備していた。


「冒険者ギルドから依頼を受けてここに来た。」


男たちは警戒しつつもこちらによって来る。


「本当か?」

「あぁ、これがギルドカードだ。」


Cランクのカードを見せる。


「失礼した。オークに続いて不審な人物の情報も入ってきていたので慎重になっていたんだ。村長の所へ案内する。付いてきてくれ。」

「わかった。」


男たちに続いて村長の家まで行く。


「よう来てくださった。冒険者様。ワシはこの村の村長をしております、アルバです。」

「今回依頼を受けた、冒険者の隼人だ。よろしくたのむ。アルバさん」


右手を差し出し、がっちりと握手をする。


「お一人で来られたのですかな?」

「あぁ、パーティーは組んでなくてね。」


そう伝えると村長は少し肩を落とす。

一人だったので、斥候とでも思われたのだろうか?


「そうでしたか、では今回は調査という事でよろしいですかな?」

「いや、できそうなら討伐までしてしまう予定だ。」


村長は慌てて止めに入ってくれる。


「オークの上位種はかなり強いのですぞ、確かにうちの村は被害が出ておりますが、まだ大丈夫です。調査だけにして下され。」

「大丈夫だ、俺だって死にたくないから、まずかったら逃げるよ。でも討伐できるなら討伐するだけだ。」

「そうですか。では、詳細をお話しましょう。最近オークの出没の頻度が上がっておって、村の男たちで、よく魔物が住み着いてしまう洞窟を調査しに行ったのだが、オークに囲まれてしまって、なんとか逃げてきたのですが、いつも村を警邏してくれているメンバーが怪我をしてしまったので冒険者ギルドに依頼したしだいです。話によるとその時オークは、10匹はいたそうです。」

「多いな。普通そんなに群れないだろう」

「はい、なのでその原因を調べて欲しいのです。」

「わかった。ちょっと行ってくるよ。」

「もう行かれるのですかな?」

「あぁ、ただの多い群れなら討伐、上位種がいるなら様子見をしてくるよ。」

「わかりましたこれが洞窟までの地図です。お気を付けて行って下され。」

「ありがとう」


村長の家を出て、洞窟へと向かう。

地図通りに進み洞窟に到着すると、オークが2匹洞窟の前で見張っていた。


「上位種が居るっぽいな。」


少し様子をうかがってみるが、2匹も動かず、洞窟から何か出てくるわけではなかった。

とりあえず、今のうちに処理してしまおう。

野球ボールサイズのファイヤーボールを2発出し、オークへと放つ。しかし、ゴブリンと違って、一撃では、倒せなかった。

仲間を呼ばれる前に、身体強化しつつ、オークへと接近する。もう一発づつファイヤーボールを顔面にお見舞いして、身体強化の右ストレートも平等にお見舞いする。

オークの巨体が吹っ飛び、転がっていく。

鳴かれはしなかったが、戦闘音を聞きつけ、オークがわらわらと洞窟から出てきてしまった。

仕方ない、戦闘開始と行こうか。

リリィさんに見せるためにも、このオーク達には鎧通しの練習台になってもらおう。

出てきたオークに順番に、ファイヤーボールを放っていく。ファイヤーボールで牽制しつつ、オークへと近づき、頭に鎧通しを放つ。

うまい事ヒットし、1匹目はそのまま倒れて絶命した。

近くにいるオークから順番に鎧通しや鎧通しから派生した技、崩拳を叩き込んでいく。

崩拳は、鎧通しに似ているが当てる場所が違い、鎧の中ではなく鎧そのものに振動波を与えて壊す。

この場合は骨に当てているので、パンチの当たった周辺の骨が砕ける事になる。


「「「ぶおおおぉぉおおぉ!!」」」


仲間が次々と倒れていく中、叫びながらも突撃してくるオーク達。

複数に同時に攻撃され無い様にだけ気を付けて、ファイヤーボールも打ちつつ、確実に仕留めていく。

残り僅かになった時に、本命が出てくる。

見た目はあまり変わらないのだが、おそらくオークの上位種だろう。


「ぶおぉおぉおぉぉぉ!!」


周りに転がる死体を見て叫ぶ上位種。すぐに戦闘態勢に入り、アックスを取り出す。

オークがこん棒なのに対して、上位種は金属製のアックスを持っていた。

アックスを振り下ろしてくる上位種、やはり通常のオークよりも速く、強かった。


「うるさいな」


つぶやきながら回避を繰り返す。

回避しながらファイヤーボールで攻撃を繰り返し、ひるんで動きが止まった一瞬の隙にに手の甲に崩拳を入れる。

上位種は手の骨を砕かれ、アックスから手を離し後ずさる。

逃げられる前に、さらに踏み込み鎧通しを放つ、上位種も鎧通しをもろにくらい絶命した。

上位種が敗北したことにより、数匹残った通常のオーク達は逃げ出し始めた

後は、オークの残党狩りである。

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