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転移する理由が見つからない 027

冒頭、食事中には好ましくない表現があります。

お食事中の方はご注意ください。

転移する理由が見つからない 027





戻った俺はもどしていた。


最後に食事をしたのが、どれくらい前だったのかわからない。

キラキラと遥か彼方へと落ちていく物が、どこまで落ちていくのかと思いながら、出なくなるまで繰り返した。


みかりんが心配して背中をさすってくれたり、カラカナに水を要求したりしていた。

意外といい奴かもしれん。


受け取ったペットボトルの水で口をゆすぎ、シャツで顔を拭う。

ようやく少し落ち着き、顔を上げると


「エヘー。似合うカナー?」


と、みかりんから奪ったらしき眼鏡をかけたカラカナがドヤ顔をしていた。

くそ、もみ…殴りてぇ。

いや、落ち着け俺。


「お前、なんだあの世界は」

「ンー? 【ハーレム】ダヨー。らぶいずおーるおっけーダヨー?」


なんもおっけーじゃねえ。

そもそも子作り前提の【ハーレム】で前提が無視されてんじゃねぇか。

まぁ、嗜好とか性癖とか、そういう観点だけで言えばあの男にとっては天国なんだろうけど。

そういう嗜好の奴は俺の知り合いにもいるし、理解が出来ない訳でもない。

受け入れられるかどうかは別問題で、言うなれば素養があるかどうか、という問題になるだろう。


極端に単純な言い方をするならば、俺が異性で無いとダメなように、同性で無いとダメな人もいるという話。

実際、当人にしてみればもっと色々ややこしいのだろうが…。

そのケがない俺は、ざっくりとそういう風に理解している。

実際の話として考えても、二次元で無いとダメな奴や、人型がダメな奴よりは大分理解し易い。


だが俺には、同性で、という素養は無い。


「ヤられてみればわかるさ」


とか言って襲いかかって来た奴がいたが、アレは今でもトラウマだ。

二度と近寄らないように握りつぶしたが。


もし、受け入れる素養のない奴をそうした世界に送っているのだとすれば、こいつはかなりの外道だ。


「怒らないでヨー? ちゃんとその人にあった世界を提供してルヨー?」


そのしゃべり方が胡散臭いんだよ。

「つまり、お前は意図して同性ハーレムを作って放り込んでいる訳では無いと?」

「…エヘー」


エヘー、じゃねえ!

やっぱりこいつ女神枠だ! 腐ってやがる!


「ま、まぁ、カラカナさんも悪気は無いんですよ、多分。それを望む人もいる訳ですし」


殴りかかろうとする俺の腕に絡みついたみかりんがフォローを入れる。

いやまぁ、確かにそれを望む人には確かに良い転移先だろう。

少なくとも12人は転移しているみたいだし、【柿崎】のようにノリノリで事に至るような奴もいるようだし。


う…マッシブ中年の絡みを思い出しちまった…。


「無理矢理も嫌いじゃないヨー?」

「嫌いじゃない、じゃねえ! テメェやっぱり確信犯か!」

「お、落ち着いて! 殴っても何にもなりませんよっ!」


まさか、ああいう系統の世界だけ【一覧】に表示させてたんじゃねえだろうな!

くそっ、みかりんが地味にしがみついたりして邪魔をしてくる。


「大慈用の【ハーレム】はヤンデレ幼女山盛りダヨー?」

「なんでだよ! マトモな女にしとけよ! 人をダメ人間扱いすんな!」


力が若干抜けたのでみかりんを見ると顔を背けていた。


「真にうけんな! 俺は幼女偏執もハーレム願望もねえよ!」

「…みかりん用の【ハーレム】はヘタレ受け専用ダヨー?」

「だ、誰がヘタレ受けなんですか!」


あ、うん。それはなんか納得した。

ツッコミに意識が行ったらしく、拘束が緩んだので、みかりんを軽く転がす。

よーし、そこの根腐れ女神。

とりあえず、その眼鏡ごと顔面叩き割ってやる。


カラカナの観察世界【柿崎 惣一:07】は大慈のトラウマを刺激したため、ストレスを原因にぶつけて解消したいようです。

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