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転移する理由が見つからない 001

初投稿になります。

よろしくお願いします。

「R15」は一応いる?という保険でつけてます。


転移する理由が見つからない 001





Q. 目覚めた時に見知らぬジジイが見下ろしていた時、どうすればいいのか正しい答えを述べよ。


A.とりあえずぶん殴る。


誰もが認める正しい答え。

無意識に実行した俺の拳を、ジジイはスウェーしてかわしやがった。

ジジイの分際で。


「いきなり何をするっ!?」

「ウルセェ! そりゃこっちの…あ?」


何故か文句を言うジジイを反射的に怒鳴りつける。

白髪で顎髭の長いジジイは、白装束に身を包んでおり…回転している。


スウェーした勢いでバク宙をしている、というよりも、そのまま無重力で回転しているのだ。


「いきなり殴りかかるとは…どういう教育を受けてきたのじゃ」


くるくると回るジジイの顔はヒゲと髪で見えない。

たまに回転する向きが変わって、ひねりを入れたりしている。


単純に気持ち悪い。

そう感じた俺が蹴りつけたのは自然な反応だと言えるだろう。

回転に合わせて頭を蹴り抜いてやろうと、膝を活かして踏み抜くように蹴る。


グチグチと文句を垂れているジジイには蹴りは見えていない筈だが、急に回転が軌道を変えて距離をとる。


くそっ、空振りだ。


掴んでから膝をいれようと思い、近づこうとして辺りの様子がおかしいことに気づく。


何と言えばいいだろうか。

靄というか、薄灰色の霧のようなものが漂っていた。

離れたところは暗くて何も見えない。

ある程度の距離…10メートルくらいなら見えるようだが、光源もないのに視界があるのも奇妙だ。


昔ハマったRPGのオープニングを思い出す。

あの作品がキッカケで伊達眼鏡を買ったのは俺だけではない筈だ。


あのゲームと違うのは、目の前で回転し続けるジジイがいること。

そして、足元には地面がなく、浮いたような状態になっている。

どこかに立っている、という感覚がある分、余計に奇妙だ。


「おい、何だコリャ? どういう状況だ? 説明しろジジイ」

「人に教えを請う態度もなっとらん…。まともな教育を受け取らんのか」


聞けそうな相手が他にいないため、ジジイに説明を促すと、回転を止めてこちらを見た。

だが回答より先に無礼な物言いが返って来る。失礼なジジイだ。

俺にだってそれなりの学歴はあるぞ? 実生活で役に立った事はないが。


「ほれ、お前さんもよく聞くじゃろ? 転生とか異世界転移とか、ああいう話じゃ」


ニヤリと笑みを浮かべたジジイの言葉に、俺は再度辺りを見渡す。

意識ははっきりしているから、夢とは思えない。

拉致されて演出されているとしたら、あまりにも意味がわからない。

それに足元に何もないのに立っていられる俺の状況が説明できない。

少なくとも、何かしら特殊な状況にあることは間違いなさそうだ。

それとは別に、このジジイがボケている可能性は否定できないが。


「で? 俺にその転生だか転移だかをしろと? 何で俺に?」


言っては何だが、俺は善良で平凡な人間だ。

良くも悪くも特に特徴の無い、目立たないタイプと言える。

間違っても物語で主役になることはない、控えめで善良な小市民だ。


「お前さん、クズじゃからな」


よし、このジジイやっぱり殴ろう。


基本、毎回このくらいの文字数です。

通学・通勤の合間や休憩時間の暇つぶしになれば幸いです。

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