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分岐点。

作者: しましまお

目を開けた瞬間。目の前に男が立っていた。

「私は死神のマートン、私と契約しませんか?」


なにを言っている?こいつは中二病か?

「あなたが大坂様ですね。あなた様はあと3日以内にこの世からいなくなります。その間私と契約して今見えている世界を変えてみませんか?」

「ふーん。3日か。意外と時間くれるんだな。」

「え、ここは驚くところだと思うのですが。なんでこんなにも落ち着いているんですか?」

「元々この世界に飽きていたところだ。この狭い世界にな。」

「それならあなた様はなにをお望みで?」

「変えたい過去がある。変えてくれるのであれば契約しよう。」

「それでは交渉成立です。大坂様」

それは桜が舞う季節。夜桜が綺麗な公園のベンチで交渉が成立した。


チチチ、窓から日差しが差し込む中、部屋中にアラームが鳴り続ける。

「うーん。眠い。昨日は飲みすぎた。一部記憶が曖昧だな。」

起きた瞬間、見慣れた天井、風景が見える。自分の部屋だ。

昨日は誰かにあった気がしたな。公園で寝てた気もするし。夢だったのか。


「夢とは酷いですね。昨日契約したじゃないですか。」

「誰だ!!」

「マートンですよ。夜公園に居た。」

へ、あれは夢じゃなかったのか。それじゃどうしてこの部屋に戻っている。

「あなたが勝手に戻ってましたよ。彼女の話とか永遠と聞かされましたし。」

何やってるんだ。俺は…恐ろしすぎるだろ。知らないやつを、お酒こえー

「それでは契約通り、あなたが変えたい過去はなんですか?」

「ちょっとまて、それじゃ…自分の余命は3日なのか。」

「そうですよ。」

簡単に答えてくれるな。マジか。あの時はお酒で気が大きくなってたからな。

「その時は中二病ぽかったですよ。遅い中二病ですね。」

あーーーーーーーーーーー。知らない間に黒歴史が

「余命に関しては変更出来ないのでどうしようもないです。それに昨日あなたは契約しました。拇印もすでにもらってます。なので今の余命は1日半です。半分もらう契約でサインしてもらいました。」

「無効だ!!そんなの」

「それは困ります。あなたの本心は私を願い、変えたい過去があるから契約したのだから契約解除は出来ない。それに神様は受諾しています。もうどうしようもないです。」

「なんだと」

「うーん。困りましたね。冷静になるまで待ちましょうか。それじゃまた気が落ち着いた時に会いましょう。」


あいつが言ってた事は本当なのか。それじゃ変えたい過去って

うーん。やっぱりミユキの事なのか。一番心残りがある。


〜♬

最初の出会いは高校のコンクール会場だった。

最初見た瞬間、いい音色を出すなって思った。顔もアイドル並みに可愛い。なおかつ、ピアノを弾いている時は一番輝いてる。会場全体が彼女の楽しいっていう感情がビンビンと伝わってくる。

一目惚れだった。俺はすぐさま駆け寄った。

「君の名は?ピアノ素晴らしかったです。感動しました。」

「ありがとうございます。雪菜ミユキと申します。」

「ミユキか。いい名前だね。僕は作家活動してるんだけど、今度お話しできないかな。」

「はい。お話しするだけなら。」

「それじゃ電話番号は...」

と以前の自分とは違い、今回は積極的に行った方だと思う。

ご飯を食べに行ったり、遊びに行ったりして行くうちにお互い惹かれ会い、そして...

「あった時から好きでした。付き合ってください。」

「はい。よろしくお願いします。」


う、頭痛が、あれはミユキの写真。そっかあの出来事か。

「もう大丈夫そうですね。それでは変えたい過去の日にち教えてください。」

「15年前の2002年3月15日午前9:00に戻ってくれ。そこで俺とミユキは居るはずだ。」

「了解いたしました。それでは戻りまーす。目を閉じてください。」

待ってろ。ミユキ。お前の運命の歯車を変えて自由にしてやる。


う、うーん。なんか目がかなり回った。気持ち悪い。ここは....

見渡すとなんだか見た事ある風景。県民ホール?..今何日だ?本当の移動してきたのか?

近くにコンビニがあった。そこで確認しよう。

「いらっしゃいませ。」

近くに新聞があった。

「すまない。ちょっと見せてくれ。」

ん、日にちは...2002年3月15日...本当に戻ってる。

今時間は何時だ。何時なんだ。

店員の胸ぐらを掴む。

「えーと9:00ですかね。」

「ありがとうよ。それと胸ぐら掴んでわるかった。」

「ありがとうございました。」

そうか。今15年前に戻ったのか。それじゃマートンは居るのか?近くに。居たら色々と聞いたら良いか。今はミユキに会わなくちゃ。


確かミユキは、出番待ちの楽屋だったはずだ。

ここで30分後、俺は楽屋に来るようにとミユキから呼び出される事になっているはずだ。

でもどうする。そもそもこの時代の俺は居るのか?確か、その時俺は俺に会ってない。未来は変えられるのか?


「お悩みのようですね。大坂様。」

この声は!!振り向いた先にはマートンが立って居た。

「うぉ。いきなり出て来たから変な声出たじゃねーか。」

「先ほど見つけた時、1人でブツブツ言ってたので。本当に探しましたよ。時を戻している最中、大坂様が尻もちついてしまい、私だけ取り残された感じになったので。本当に焦りました。」

「それはわるかったな。それより、この世界の事色々と聞きたいんだけど」

「なんでしょうか?契約なのでなんなりと」

「この世界の俺は存在するのか。時間軸的な。」

「もちろん存在しますよ。居なかったら今のあなたは存在しません。あと今のあなたでは干渉もしてはダメです。」

それじゃどうしろと言うんだよ。無理ゲーじゃねっか。

「意識をこの世界のあなたに飛ばすのです。この世界の大坂様がやった事だとしたら問題ありません。」

そんな事が出来るのか。それは驚きだぞ。

「あなたが2人出てしまうだけマシです。時間改変は結構シビアなんです。」

「とにかく、あなたはこれからどうするおつもりですか?もう時間は動いてますよ」

「そうだった。楽屋に行こう。そこで俺とミユキは2人っきりでいるはずだ。」

「急ぎましょう。大坂様、出来るだけ人に見られないようにお願い...違う。1つ物事を変えると知ってる世界も変わる。気をつけろ。隣の会場にはキーになる出来事が…う、私は何を」

急に態度がガサツに変わったと思ったら、急に戻った。

「は?なに言ってんだ?気をつけろって?」

「はて、そんな事言いましたか?」

「まあいい。とにかく急ごう。もう俺とミユキは楽屋で会ってる頃だ。」


ガサガサ、さすがに全国大会だ。アマチュアとは言え人集りも多い。

「ここですね。まだ1人の様です。近くにあなたがいるはずです。」

「確か、奥の階段から向かって楽屋に行くはずだから、逆の階段で待っていよう。あ、きた。マートン頼めるか?」

「わかりました。それー。ふっー。」

「う。うわー。」体の魂が一瞬抜けた感じがした。

その瞬間、目線が変わっていた。体が軽い。もしかして今の自分に移ったのか。マートンをチラッと見る。

親指を立ててグッとサインを俺に向けて出している。

それじゃ中に入るか。


「やあ。ミユキ。気分はどうだい?」

それは今の自分に言ってもらいたいセリフだがな。

「大坂!!気分は複雑。私がここにいていいのかしら。たまたまこのコンクールに参加できただけなのに。」

「そう弱気になるなよ。ミユキはいつだって素晴らしい音を鳴らす天才だ。」

「そうかしら。天才って言われても何にも響かないわ。」

ここまでは過去の通りだ。流れが分かってるから落ち着いていられる。

「私、この大会が終われば音楽から離れて、別の道もいいのかなって思ってるの。」

「私、あなたと一緒になりたい。この音楽に縛られて生きるのは嫌なの。」

来た。ここで以前の俺は否定をしないでミユキを受け入れた。しかし結果的にミユキを不幸にしてしまった。

ここは肯定せず別の選択肢にしよう。

「そうか。その気持ちは分かる。でもすぐに音楽を捨てないでも良いんじゃないか?」

その瞬間、ミユキの目から涙がでる。

「あなたなら分かってくれると信じてたのに。あれからどう頑張っても結果が出ない。新聞、ネットには天才は枯れた、やっぱり顔だけとかバッシングも多い。なんで私だけがこんな事言われなきゃいけないの。」

「本当に辛いと思うよ。だって頑張っても否定されるだけではな。」

「分かってくれるの?もう知らない人からバッシングを言われるのはもうたくさんよ。」

「けど、俺はミユキを信じている。ミユキの出す音が好きだ。以前のミユキは音を出す事にストレスなど感じていなかった。その音に惹かれてミユキを見つけた。今のミユキは現実と向き合わず音から逃げてるだけだ。逃げるのはいつでも出来ても今を生きている音はもう出すことは出来ない。これからももっとミユキの音を聞きたい。ミユキの活躍している姿を見たいんだ。」

「そんな事言われても....」

「それじゃ、この大会が終わったら完全引退じゃなくて休暇みたいにしよう。その間はこの俺が支えてやるから。」

「え、それって…」

「ミユキ、一緒になろう。これからもミユキの良い笑顔で天使の音色を聞かせておくれ。」

ミユキの目から一粒の涙がこぼれ落ち。「私、嬉しい。分かったわ。引退はしないわ。音楽も辞めない。だってあなたが私を支えてくれるのだから。」

「ああ、いつでも支えてやる。辛い時はかばってやる。それだけミユキが好きだからな。」

「ありがとう。それじゃこの大会頑張ってくる。あなたのために優勝してくる。」

なんて心強い言葉なんだ。「ああ、頑張ってこい。今日はお祝いにディナーだ!!」

ミユキは会場に向かった。

「良かったですね。未来は変えられて。これでミユキさんは音楽を辞めないはずですね。」

「ああ、ありがとう。助かったよマートン。」

「いえいえ。私は契約のもとで仕事を行ったまでです。」

「これからどうしますか?もう元に戻れますよ。」

「いや、これからコンクール見てくるよ。前の世界では大会に出場してないからな。おっともちろん、この時代の俺には見つからないようにするよ。」

「左様ですか。それでは私は呼んだら出てきますので何かあれば呼んでください。」

「はいよ。ありがとうよ。マートン。」


もうすぐ始まるな。帽子とメガネ、マスクにと怪しい格好だがこれでバレることはないだろう。

おっと前の方に俺が居るな。それじゃ2階席で見ようか。

次第に演奏が始まり、ミユキの出演になる。

ついにきたか。客、マスコミも騒ぎ出す。

「遂に天才ミユキ様か。学生時代は無双だったからな。最近結果を出してないけど、どうだろな。」

「また同じ結果だよ。結局は廃れてるんだよ。」

「まぁ期待はしてないけど。ネタになれば。」

俺の中にある、何かが煮えくりかえる。クソ。お前ら覚えてやがれ。

ミユキが出てくる。なんだか笑顔だ。堂々として居る。

演奏が始まる。〜♪

「これは...」客、マスコミの声がピタッと止まる。

〜♪〜♪〜♪

「凄い。こんな演奏、学生時代以来ではないか。いや、それ以上だ。」

「これは天才復活だ。」

「なんて素晴らしい音色なの。涙がこぼれちゃう。」

〜♪最終局面。ここでいつもミユキが失敗してしまいところだが...

〜♪〜♪〜♪

「これも成功か。もうこれ行くんじゃないか。」


あの批判しかしてなかった、マスコミと客から絶賛の嵐だ。凄いぞミユキ。このまま頑張れ。

〜♪〜♪

演奏が終わった。会場全体が静まり返る。


「ブラボー!!」

1人の老人の声が会場に響き渡り、拍手喝采の嵐だ。

これでマスコミも評価を変えるはず。

「すべての演奏が終了しましたので、結果を発表します。優勝は雪菜ミユキ。最優秀、雪菜ミユキ。」

すべての賞をミユキが総ナメだ。そうだよな。これだけ素晴らしい音色を奏でたんだ。納得な結果だよ。

「それでは祝賀会がありますので関係者は隣の会場に移動ください。」とアナウンスが流れる。


1人ミユキの音色に浸っているとそこから、

「いい演奏でしたね。これもあなたの力ですね。ミユキ様はこれから自分の力で羽ばたくでしょう。」

「マートン。」

「それでは戻りますか。戻った頃にはあなたの未来は変わってるはずです。」

「ああ、戻ろう。良い人生をミユキ。」

俺の目から一粒の涙がこぼれ落ちる。

しかし、何かが引っかかる。何かが、未来を変える前にマートンが言っていた言葉を。

「それでは目を閉じてください。ちょっとくらっとしますよ。えい」

「うわー。…」


「ここは...」

「ここはあなたの実家です。時代は元の時代です。」

「もう未来は変わってるのか?」

「はい。変わっているはずです。変わらないとおかしいです。」

しかし、妙だ。この部屋にはミユキの私物が消えている。それどころかミユキの存在がないみたいだ。

「ネットで見てみる。なぜ、朝あったはずのミユキの写真がない。なぜミユキの存在がこの部屋から消えている?」

「それは分かりかねません。私もあなたと一緒に行動していたのですから。」

カチカチ。調べてもミユキの活躍が出ない。それどころかミユキの記事も出てこない。

これはどういう事だ。なぜミユキの記事が出ない。あんだけの演奏をしたんだぞ。世界で活躍してもおかしくないだろう。

カチカチ。ようやく見つけた。そこには...

「2002年3月15日午後20時アマチュアピアノコンクール会場近くで爆発事故。出演者、関係者及びマスコミら多数死亡事故。」

「犯人は逮捕。1人の犯行。犯人の名前は田村容疑者。マスコミに恨みを持っていたらしい。」

その中には最優秀のミユキ名前が載っていた。

俺は絶句した。頭の中で絶望が広がった。

そして、未来を変えるマートンの言葉がよぎる。

(「違う。1つ物事を変えると知ってる世界も変わる。気をつけろ。隣の会場にはキーになる出来事が……」)


「おい、マートン。もしかして未来を変えたら物事が変化したりするのか?そうなのか。」

「その可能性も否定出来ないです。なんせ未来改変なんて望んでいる人なんてあまり居ませんから。」

「マートン。頼みがある。もう一度過去に飛ばしてくれ。コンクールが終わった時間に」

「それは今の契約には入ってません。すいません。しかし...」

「くそ。なんでだよ。なんだってするからお願いだ。マートン!!」

「少し話を聞いてください。私は今の契約と言いました。再契約したら話は別です。」

「なんとかなるのか?それが可能ならば頼む。なんだってするから。」

「それでは契約成立ですね。あなたの半分の寿命を貰います。」

「時間改変で使った時間を含めても残りはあと6時間。それでは残り時間まで私はあなたに全力を注ぎます。」

「ありがとう。マートン。」

「それでは、目をつぶってください。行きますよ。えい。」

「うわーーー。」


「着きましたよ。コンサート会場です。もうあなたは未来に帰った直後で、以前のあなたはここには存在して居ません。」

「そうか。う、やっぱり何回やっても慣れないな。頭がクラクラする。」

「もう18時です。急ぎましょう。隣の会場に爆発犯はいるはずです。そこを止めないと過去に戻った意味がありません。」

「もちろん。マートン。今回は力を貸してくれ。」

「今回の作戦は自分が田村に乗り移り、警察に電話する。別のやつに乗り移るのは厳禁だというのは知っている。頼む。マートン。お前だけが頼りだ。」

「仕方ありませんですね。これはあなたの願いです。バレなきゃいいんです。もちろん了承しましょう。」


会場がここだから、この辺か。確か、爆発後の風景画像を見たときにはここが真っ黒になってたな。

ん?誰か小柄で小さいおっさんが大掛かりな荷物を持って、中に入っていく。

「こいつか。こいつが田村か。行くぞ。マートン。」

「はいです。」


「ふふふ。これであのマスコミのやつはこの世から消えるな。ふふふ、楽しみですね。この恨み晴らすとき。脳が震えてきます!!これをセットすれば…」

「マートン。頼む!!」

「はい!!ふー」

「うわーーーー。一瞬魂は抜ける感じがする。」

目線が低い、声もちょっと高い。これは成功か。

マートンを見る。マートンはガッツポーズをしている。その近くには倒れている俺がいる。

速攻電話だ。

「もしもし警察ですか。私は爆発犯。早くしないと音楽会場は爆破して被害が出るぞ。」

数分後に警察がついて、俺は全てを語った。

語った後、すぐに元に戻り、会場から離れた。


「戻った瞬間、あのおっさん凄かったな。俺は何もやっていないって」

「まぁあなた様が体を支配していたので仕方ないですが。」

「マートン。後俺の命は何時間だ。もう少ないだろう。」

「そうですねー。あと1時間ぐらいでしょうか。」

「マートン。頼みがある。少ない時間だが再契約したい。ちょっと前の過去に戻りたいんだ。」

「あなたは死神使いが荒いですね。いいでしょう。あなたの人生はあなたのモノですから。選択肢はあなたにあります。」

「ありがとう。それじゃ2002年3月15日の俺たちが過去に行く5分前に戻ってくれないか?」

「わかりました。それでは契約完了です。行きますよ。えいーーー。」

「うわー。」


「やっぱり何回やっても慣れないな。」

「着きましたね。私らが過去に行く5分前です。」

「それじゃマートン。あの能力を5分後に来るマートンにかけてくれ。」

「それは...」

「頼む。数秒で良いから。」

「…わかりました。でも私自身にかけたことはないですからかかるかどうかまでは...」

「大丈夫。かかるさ。マートンは優秀な死神だもの」

「きたぞ。それじゃマートン頼んだぞ。」

「はい。それーーー」

「う。...違う。1つ物事を変えると知ってる世界も変わる。気をつけろ。隣の会場にはキーになる出来事が…」


「ふぅ。ありがとう。マートン。」

「あー。あの時の変な感覚はあなた様でしたか。一瞬なんかと思いました。意外と私の力って強いものですね。」

「これで過去の俺もこれから違和感を感じるはずだ。」

「そうそう。あなた様に報告があります。あなたは時間的に戻ってからでは結果を知る事が出来ないと思って伝えます。ミユキ様は生きております。それも世界のピアニストとして活躍してます。良かったですね。大坂様。」

「ありがとう。感謝するよ。マートン。」

「それでは時間がないので現代に戻ります。それー」

「うわー。」


「クラクラする。ここは俺の家。まだ生きているのか。」

「いや、もう数秒後にはあなた様にこの鎌を降ろさないといけないです。」

チラッとミユキの写真が目に映った。それは笑顔で世界を渡り歩く輝かしいミユキの姿だ。

「ありがとな。お前のおかげで助かったよ。これで悔いはない。」一粒の涙がこぼれ落ちる。


「いえいえ。こちらこそ、契約を3件もしていただいて感謝です。」

「個人的にはまたお会い出来たらと思っております。」

「もう無理だろ。もうすぐ死ぬのだし。」

「それはそうですね。残念ですが、」

「マートンもそっちの世界でも頑張ってくれよ!!

「はい。これからもあなたのような救いを求めるものの助けになるように頑張ります。」

「それじゃな。」

俺の周りが真っ暗になった…


ここは桜が舞う季節。夜桜が綺麗な公園。

目を開けた瞬間。目の前に男が立っていた。

「私は死神のマートン、私と契約しませんか?」

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