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精霊物語  作者: aruria
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第一話[幻獣列車ドラクルに乗るたった一人の乗客]

精霊物語 第一話


ルカ・ハンプティは世界を廻る幻獣列車に乗っていた。


ルカを乗せているのはドラゴンだった。


ドラゴンの中は蒸気機関車のような内装になっていて、列車の一室にルカは一人腰掛けていた


中は列車のようでありながら外は完全にドラゴンの姿だった。


美しい銀のドラゴンだ。


窓から見える幻獣列車の体はルカの座席の横に置いた、たくさんのものが入って膨らんだ荷物ぐらいの大きさ(ルカの頭のふた周り半くらい大きい)の鱗が先頭の方に見える頭の角から尻尾まで綺麗にあった。


その大きい鱗は銀色の中にかすかに虹色の光を発している。


この世界で幻獣列車、(ドラクラ)より速いものをルカは知らなかった。


まだ幼い時、無謀にも幻獣列車に追いつこうと走っていた。どれほど速く駆けても幻獣列車は残像を残して本当の体は前方はるかかなたに行ってしまっていた。そういうことを含めて無邪気に楽しんでいた。


ルカの歳のころは小年から青年への変成期というころだろう。


肩から提げた鞄には小さなサイズの本が数冊、

そしてランプとビンに入った火種、小振りな片刃の銀のナイフと食べ物が入っていた


窓から顔を出したルカの瞳は宇宙の空の瞬きが凝縮されていた。


その輝く眼差しのルカは草原の向こうのどこまでも続く地平線と素朴な自然を眺めている。


風を全身を通り抜けていった。


窓から見える景色はものすごい早さで山から泉に。泉から谷に気色が映り変わっていく。


幻獣列車に乗れば世界を一週することができる。


子供から大人までこの世界ではそれは常識だった。

しかしそんな常識とは裏腹に幻獣列車のことはほとんど誰も知らなかった。


分かっていることで重要なことはは魔法陣の上だけを通るということと、

幻獣列車が決めた者しか載せてくれないということだ

ルカの乗る幻獣列車が空に向かって昇る。


停止する合図だった。


ゆっくりと昇り、雲を越えたよころで急降下する。


景色が縦に動いている

そして止まった


列車から降りると龍の頭がこちらに向いた。

頭を下ろし彼を見た。

穏やかでどこかいたずらっぽい目だった。


彼も龍の目を見た。


「ありがとう。ここまでのせてくれて。」


そして龍は起き上がった。


彼はそれを見上げた。風の奔流が巻上がり、幻獣列車はまたどこかへ行った。


夜聖都市ル・ロンドへ幻獣列車は運んでくれた。


ルカはここに試験を受けに来たのだった。

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