他人に騙されゲームの駒にされたあげく、死神の大きなミスで死人になった!
全く分からない中で、初めて書いています。
悪徳商人が主人公です。
この章は悪徳商人になるキッカケを書いてみました。
暇があったら暇潰しに読んでください。
暇潰しににもならなかったら申し訳ありません。
(つまらない人生だった。)
私は、繁華街の路地裏に倒れながら思っていた。
痛みや感覚もない、もう死ぬな。
だが、この死に方は惨めすぎる。
しかも、他人を助けようとしたら。
善意で死ぬなんて、どうしてこうなった?
私の長所、お人好し、真面目、一生懸命。
短所はプレッシャーに弱く、すぐ取り乱す。
不運と不幸というゲームの設定にもないようなスキル持ち、良くいる典型的な腹の出た中年男。
働いても(他人の為に何かしたい、報酬よりも他人が喜んで幸せになってほしい。)という典型的なお人好しの性格により高率も上がらず、出世もせず、経済的に苦しい底辺の生活をしていた。
精神的に追い詰められ、仕事も手に付かず引きこもっていたが、会社との面談でどうにか仕事にも復帰できることになり、(今度こそ、やってる)とリハビリがてら息抜きに久しぶりに街に繰り出した矢先に固有スキル不運不幸が発動してしまった。
繁華街を当てもなく歩いていると「動けないんです助けて」と私に訴え掛ける声が聞こえた。
薄暗い路地にこちらに顔を向け、若い女性がうつ伏せになって助けを求める姿が見えた。
「どうしたんですか?何かあったんですか?」
ただ事でないと思い、私は急いで女性に駆け寄る。
助けようと屈んだ瞬間、背中から腹部に感じたことのないような激しい痛みが2回私はその場にうずくまる。
「なんだよこれ、急に腹が、どうなってんだ。すごい腹が痛い、誰か助けて」
私は、自分に何か異常が起きたことはわかったが
状況が理解できないまま助けを呼ぼうと朦朧としながら助けを呼んだ。その声は繁華街の雑踏にかき消されもはや無意味な行動でもあった。
「まさか、こんなのに引っかかる奴がいるなんて、奇跡。」
後ろから、嬉しさで笑いも混じったような浮かれた別の若い女性の声がした。
「今時、こんな場所で倒れている女、助ける奴がいるんだ。この餌が役に立つとは思わなかった良かったねリリ、役立たずのあんたが役にたったよ。それとも欲求不満で溜まっていて近寄ってきたのかな?」
呆れかえった又は人を小馬鹿にしたような若い別の女性のクールな声がした。
倒れた女性に気をとられ背後から2人の別の女性が近づいて来ていたことに気付かなかったようだった。
私はあまりの痛さに両手で腹部を押さえていた。
手のひらに人の体温と同じ液体の感触を感じた。
痛みが強すぎて意識を保っているのがやっとの状態で震えながら、右手の手のひらを顔に近づけた、そこには私の大量の赤黒い血が手のひらに溜まっていた。
映画で赤黒い血は肝臓を損傷すると出るというエピソードがあったことを思い出した。
おそらく、もうダメだと思った瞬間、私のすぐ目の前でうつ伏せになっていたリリと呼ばれた女性がゆっくりと立ち上がる、薄汚れた黄色いTシャツと紺のハーフパンツ小柄でセミロングの黒髪の華奢な色白のかわいい女性で足が不自由なようで1人で立ってるのがやっとのような状態だった。彼女は私の姿を見るなり、恐怖と混乱を交えた涙ぐんだ声で「マイちゃんユイちゃんこの人血が出ているよ。すごいたくさん。何で、何で、何で、人にケガさせないって言ったよね!ナイフで脅してお金をもらうだけだって言ったよね。!」
リリは全身を震わせ、鼻と口を両手で押さえ、顔は恐怖と罪悪感に満ちていた。
「お前を助けるのに夢中になったオッサンが悪いんだよ。周りも気にせずお前をどうにか助けようと必死になって、バカじゃないの、そんな姿見てたら、ムカついてコイツを無性に刺したくなったんだよ。お前とこのオッサンが私をムカつかせるような行動とったのがいけないんだよ。なあユイ」と同意を求める不機嫌な声が聞こえた。
会話から私を刺したのは、マイであることがわかったが、声からして若い女性なのだろうが、痛みのあまり周りを見渡すこともできない。
それにしてもなんと身勝手で傲慢な考えと非人間的な行動である。
理性も全くなく気に入らなければ殺す。
漫画や映画の悪役の方がまだ理性的であると私は思った。
「やめてくれないか。こんなことをしてもすぐ捕まるぞ。私の金目当てらしいが君等が1日過ごせるだけの現金は持っていない。暗くて君等の顔は見えていないから頼む救急車を呼んで立ち去ってくれ。お願いだ。」
私は痛みをこらえながら、必死に彼女達に懇願した。
「うるせぇんだよ。このクソジジイ!」
その声と同時に私は足蹴りされその場に仰向けになって倒れる。
その蹴りにはかなりのいきよいの強さと怒りを感じた。
「ああああああ、痛い、痛い、やめてくれ、お願いだ。救急車を」
私はあまりの痛さに悲鳴のように口走る。
「さっきから聞いていれば好き勝手言いやがって、お前の説教じみた言葉とその態度気に食わないから蹴り入れてやったんだよ。マイが刺したのはやり過ぎかと思ったけれど刺して正解。」
先程までクールに徹していたユイが私の言葉に逆情し、私を蹴りつけたようだった。
「あーあキレちゃった。やばいよ。オッサン。この子キレと気が済むまでやめないからね。私しーらない。」
マイが半笑いの呆れかえった程度で私に声をかけた。
「お願いやめて、このおじさんこのケガじゃ本当に死んじゃうよ。もらう物もらって早く逃げようよ。マイちゃんユイちゃんこのおじさんに関わるのもうやめよう。」
リリが2人に懇願する。
いきなりユイがリリを蹴る。
足に障害のあるリリはすぐに路地の汚れたアスファルトにうつ伏せに倒れる。
リリは必死に顔をあげた。
「ああ、やめて お願い、たけて」
恐怖で震えて泣きながらリリがユイに助けを求める。
「餌が人間様に、しかもこの世の中のカースト上位の私達に意見してんじゃないよ。」
ユイが激しい口調でリリに言葉を吐き捨てる。
そして、急にクールダウンして
「いいか、お前等よく聞け、私達は金目当てでお前等に近寄ったんじゃないよ。これはゲームなんだよ。」
ユイがクールな表情と声で私とリリに語りかた。
「あ~あネタバレさせちゃった。つまんない。ジ・エンド。私達は金も地位も名誉もある勝ち組。それ維持するのは君達の想像以上に大変なの、だからたまに世の中のどうでもいい底辺の負け組捕まえてゲームするなんだ。いつもだったら、餌の底辺が一般人に色々やれるのを楽しむんだけど、今回、底辺が底辺を釣り上げ、挙句の果てに偉そうな態度で物申すから、優しいクールなユイちゃんがキレちゃってゲームオーバー」
呆れたふざけた口調でマイが話す。
「私、騙されたの」
リリが怒りと絶望が混じった涙声を発した。
「私のこと全て話して、2人とも似たような境遇だから、これから一緒に頑張って生活していくための資金をお金のある人からもらおう。そして3人で頑張っていこうって全て嘘だったの。ひどい、ひどすぎる。」
リリは泣きながら叫ぶ。
お金をもらう、それもナイフで人を脅して、それ自体が異常な考えである。
そのことに気づかない程、この子は追い詰められていたのか?すごく困惑した。
「騙された?貴方みたいなゴミカスを相手にしてあげた私の優しさがわからないんだ。」
クールなユイの声色と口調が徐々に変わっていく、まるでゲームのボスキャラが人間から本当の正体を現したかのようだ。
「マイ!さっさとそのナイフとグローブ貸して」
「ヘイヘイ」マイは諦めが入ったふざけた声でその一式をユイに手渡す。
怒り狂い我を忘れ獣のような形相のユイがリリに近寄っていく
「お前もそのオッサンも底辺の人間としての言葉遣いと態度がなってないんだよ。底辺は底辺らしく、カースト上位の人間に逆らうんじゃないよ。」怒り狂った獣が叫ぶと同時にリリの髪を鷲掴みにし、その喉にナイフを突き刺す。
「あ、あ、あ、あ。う、う、う、うー」
リリは突然のことに痛みと苦しさで声にならないうめき声をあげた。
ナイフは喉を貫通し、リリは声も出せず、呼吸も上手くできないようで、両手で喉を押さえながらうつ伏せになったまま地面をのたうち回る。
その一面は私とリリの血でまさに(血みどろ)という言葉がふさわしい状況へと変化していた。
「アハハハ、まるでゴキブリが殺虫剤かけられたような動きしてる。コイツ息できないんじゃない?」
マイがリリの苦しんだ姿を見て笑いながらユイに話しかける。
「この2人かなり出血してる、もう時間の問題でしょう。全く本当に今日は腹立たしかった。でも、スッキリしたわ。この女、嫌な仕事関係の同僚に似てるんだものゲームとはいえ、アイツをやっつけることできたからね。」
ユイはさっきとは一変し、怒りがおさまったのかその表情は人を刺した人間とは思えない程落ち着いていて、最初と変わらないクールな感じで返答した。
「私は、オッサンをやっつけた。しゃべり方とかウチの上司に似すぎてるんだよね。この餌助けようとしている時にムカついた。本当に似てるなんだもん。普段はここまでやらないのにこれはオッサンがいけない。私を怒らせたから。だから抹殺したくなった。」
マイは、満面の笑みで私に言い放った。
(なんだコイツらは本当に現代人か?人間に化けている魔獣なのか?自分達の楽しみだけで人を痛めつける、これがコイツらのゲームなのか?重症だ、イカれてる狂ってる…)
自分のことで精一杯の私はまさにこの地獄のような状況で頭のなかで自問自答していた。
「ユイこの服そろそろ処理しないと足がつくかも」マイが少し困った表情でユイに話かける。
「大丈夫考えてあるから、私の家で着替えて、靴もナイフも全て明日私が職場で処分するから、税金で無駄にいいもの買いすぎと思ったけど役立って良かった。」
ユイが半笑いで答える。
「ユイが買ったんじゃないでしょ。それより、ユイの家で早く祝杯あげようよ。今日泊まってもいい?」
マイが無邪気な子供のように話す。
「アンタの親がいいならOKよ。私も世話になっているし。」
ユイは子供じみたマイに呆れた感じで返答した。
「ママには、さっきLINEでOKもらった。お小遣いもらったからまた新しい武器買おう。それと今日はおいしいものUberで頼もうよ。あとママがユイによろしくだって」
甘えた感じでマイが返答する。
「はあ、そこのオッサン刺したあとにいつもより静かだと思ったらLINEしてたんだ。もういいやさっさと帰りましょう。」
ユイがため息交じりにそう話すと2人は私達を残し何事もなかったように去って行った。
私は、2人の姿を確認しようとしたが、薄暗いのと刺された痛みで思うように体が動かせず、最後まで姿を確認することはできなかった。
「おじさん、ごめん、わたしのせい」リリは、苦しそうにまるでロボットが話すようにたどたどしく、かすれた泣き声で話した。
「うまれかわったら、どんなことがあっても、か な ら ず た す け る。ゆ る し て…」最後の力を振り絞ったのかその後、リリの声も体の動きも感じられなくなった。
そして、スキル不運不幸が発動した私の人生が終了を迎えようとしている。
(私が何をした?人の喜ぶ顔を見る為に一生懸命働いた。
社会も会社も私を認めてくれなかった。
世の中の歯車の1つとして、底辺でも穏やかにひっそりと人生を終えたかった。
なのに、こんな理不尽に人に騙されて、殺される最後はこんなに呆気なく、悔しく、妬ましいつまらない人生の終了で幕を閉じるのか。)心のなかで、恨みや妬みが増幅していくのがわかった。
(今度、生まれ変わったら奴らと同じ世界に生まれ変わって、探し出して必ず復讐する。そして、私は世の中を裏から支配し、カーストの上位に君臨する。勝ち組になってやる。その為に周りの人間を踏み台にしても頂上を極めてやる。)ネジ曲がった願望に心が支配された。
(こんなつまらない悔しく惨めな人生はさっさと終了しよう。神がいるならこの私の願望をかなえてくれ!)そう思うと私は遂に力尽き、気を失った。
阿久津 商人 (あくつ あきひと) 享年45歳 3人の女に騙され、ゲームの雑魚キャラとして扱われ、ナイフで刺され、出血死そんなことを思っていると。
「もしもーし、そろそろ行きますよー。早く起きてくださーい。」
(誰だ?俺はもう死んでるんだぞ、動けるはずがない。でも声だけは、はっきり聞こえる。また、若い女性の声だ。でも聞いたことがない。その前に体の痛みと感覚が全くない。やはり死んだのか?でも目は開けられそうだ。)
私は、警戒しながら目を開けるそこには、見たことのない少女の姿があった。
(黒いローブと大きな鎌、アニメで考えるとこのキャラは死神?やっぱり死んだのか?目は見えるようだ。体は動かせるのか?)私は、右手の指を動かした、いつもどうり問題なく動く、それならと思い、思い切って立ってみた。問題なく立てた。
ただ、私の肉体は腹から血を出し、地面に横たわっていた、それを見た瞬間、怒りがこみ上げ「やっぱり、死んじまったのか!アイツラふざけやがって必ず復讐してやる。」辺り構わず叫んだ。
「はいはい、落ち着いて、お気持ちは分かりますが、これから貴方は私と一緒に死の国に行くんですよ。そこで、これからどうなるか、審問官によって判断されます。」少女は、またかと言うような表情をしながら、マニュアルどうりの応えをする。
「だいたい、さっきからなれなれしく話してくるけど、君は誰なんだ?」不安な私は威嚇するように少女に問うた。
「あれ、私みたいなの嫌いでした?中年男性にはうけがいいんですが、申し訳ありませんでした。少しなれなれしすぎました。私はルーラと言います。貴方のお考えの通り、死神の見習いです。これから貴方を死の国にご案内して、私の上司の審問官にご紹介し、死人としてどのように歩んでいくかをされることとなります。」私の気持ちを察したのか、真剣な顔でゆっくりとルーラは応えた。
「ルーラさんだったか?怒鳴って悪かった。初めてのことなので、でも私は死んでも死にきれない。最低でもあの2人には幽霊でもいいからこの世に残って復讐したい。どうにかならないか?頼む!」
と言うと私は深々と頭を下げて頼みこんだ。
「死人のことは、すべて審問官が決めるルールとなっておりいます。例外はありません。」先程と違い無表情でルーラはたんたんと答えた。
(初めてのことすぎて、勝手もわからない。この子に付いて行って、上司である審問官という人に直談判しよう。)私は、そう考えた。
「貴方が思っている通りです。さあ、一緒に死の国へ旅立ちましょう。!」満面の笑顔とハイテンションで、ルーラが私に呼びかけた。
「どうして私の考えがわかったんだ?」ルーラに問いかけると
「見習いとは言え、私は死神です。人の心をのぞくことなど簡単にできるのです。さあ、早く死の国へ旅立ちましょう。!」得意げな笑顔でルーラは私を促す。
「わかった。ルーラや審問官には隠し事はできないということなんだね。仕方ない付いて行くよ。でも、どうやって行くんだ?」すべてを諦め、私はルーラに従う意志を口に出した。
「私の鎌の棒にしっかりと捕まってください。途中で離すと中途半端な世界に置いていってしまいますから。」私は、言われた通りにルーラの大きな鎌に捕まった。
「これでいいのかい?」私は、ルーラに問いかけた。
彼女は私の手が鎌の棒にしっかり捕まっていることを確認し、満面の笑顔で「それでは行きますよ。絶対に離さないでください。」
そういうと辺りが今まで感じたことのないスピードで動き出す。
下から上へまるでロケットが上昇していくスピード、いやこの世のものではこの速さには到達していないだろう。
「わーおい、なんだこれ、助けてー死んじまう。わーわー」恐ろしさのあまり、私は叫んだ。
「うるさいですよ。もう死んでるんで、これ以上死ぬことはありません。」呆れながら強い口調でルーラが叫んだ。
「わかっているが、もうヤダ、わー助けてー」パニックになった私は大声で叫んだ。
そんな私を無視してルーラはドンドン上昇していく、何かを通りすぎる感覚はあるのだが回りはどんな景色なのか目視できず、私は両手で鎌に捕まりただひたすら「わー助けてーもうヤダー」この言葉を繰り返し叫んでいた。
しばらくすると、急に景色が止まり、辺りが明るくなる。
私は2段くらい登った階段から飛び降りたような感覚を足に感じ急に地面が現れた。
(到着したんだ。助かったー)私は安堵し、その場に尻もちをついて座り込んだ
「は~い、お疲れ様でした。お考えの通り死の国に着きましたよー。」ルーラが笑顔で元気よく叫んだ。
「はあ はあ はあ、先にどうなるか説明してくれ、あとちょっとでヤバかったよ。」全速力で走ったあとのような状態で私は弱音を吐いた。
「まあ、無事に着いたのだから良しとしましょう。こちらについて来てください。」ルーラは笑顔で話すと果てしなく続く、白い石畳の一本道を歩き出した。
私はルーラの後について歩き出した、周りは草木はなく一面平な赤い土の大地が続いていた、前後にはただ真っすぐな白い石畳の一本道が続くだけだった。
「私達はどこに向かっているんだ?」ルーラに疑問を投げかける。
「私の上司の審問官がいる街に向かっています。
今からそこで、審問官と会ってお話していただきます。そこで、死人としての貴方の運命が決まります。何事も正直に話してくださいね。嘘は貴方の為になりませんので。」ルーラはマニュアルじみた答えをする。
10分くらい歩くと急にルーラが止まり、振り返る
「私の手を握って、ください。」そして、右手を私の目の前に差し出す。
「手を握ればいいんだな。」ルーラの手を握る、冷蔵庫で冷やされた豆腐のような温度と柔らかさであった。
「そのまま一緒に歩いてください。」ルーラの右隣に手をつないだまま並び一緒に歩き出した。
一瞬周りの空間が歪み、何かを通り抜けた感覚がした。
すると突如目の前に大きな壁と鉄の門が現れた。それはアニメに出てくる城塞都市のようだった。
「何だこのデカい壁は、歩いている時には全く気付かなかった。!」私は目の前の状況につい大声を出してしまった。
「これが管理官がいる死人の国の入り口です。結界のようなものに守られ、私のように死人の国のパスを持った人間しか結界の外からこの城壁を見たり、出入りすることができないのです。すごいでしょう!もう大丈夫ですから、そろそろ手放してください。」誇らしげに上から目線で説明するルーラの手をすぐに放した。
「この中に審問官がいるのか?早く中に入ろう!」
私は、何もないところに現れた、ファンタジー色の濃い建物に一気に興味とテンションが上がった。
「焦らないでください。さあ、受付があるのでついて来てください。」ルーラは城門に向かって歩き出した、私はその後を少し浮かれた足取りでついて行った。
(こんな気持ちはいつぶりだろう、学校に入学して初めて校舎に入ろうとしている時に似ているな)
こんなことを考えていると
「中に入るともっとビックリしますよ。それとすぐ審問官と面接ですので、あまり興奮し過ぎないでくださいね。」からかうように私の心を読んだルーラが語りかけた。
「いちいち人の心をのぞくな!」大きな声でルーラに訴えた。
そうこうしているうちに城門に到着した。
その前には、屈強な鎧のような物を着た男が立っていた。
「こんちは、ご苦労様です。」ルーラが慣れた感じで話しかける。
「時間かかったな。今日最後の死人だ。情報を確認する。リストオープン」すると男の前に透明なディスプレイが出てくる。何かの情報が映し出され、それを見ているようだ。
「時間が遅かったから、遅くなっちゃいました。今日最後の死人なんだから間違えないですって。
明日からバカンスなんで早く入れてください。」
ルーラが浮かれた感じで男にお願いする。
「わかったから、待っていろ!」ぶっきらぼうに男が答えたその直後、情報画面を見ながら男の表情が硬くなる。
「お前、この死人誰だ?今日入国する奴と違うぞ!」男がゆっくりと低い声で答えた。
「え、何言ってるんですか!?」しょうがないなという表情をしながら、ルーラもリストをオープンする。私の顔とリストを何度も見比べる、ルーラの顔ら笑顔が消え、段々焦りに変わってきた。
(何かあったのか?二人の表情に私も不安になった)
すると二人は私の顔をじっと見つめ
「鑑定を確認させていただきます。」ルーラがそう言うと私の正面に立ち胸の辺りに手をかざす、透明なディスプレイが私の前に現れる。
私の方からはその内容はわからない。
「ゲームの世界のように私の能力やレベルが分かるのか?なんで今更そんなもの見てるんだ?」 私はルーラに聞いてみた。
情報を見て今にも泣き出しそうな表情で
「本当に今更なのですが、貴方のお名前は?」
異変を感じながら「阿久津 商人」と自分の名前をゆっくりはっきりと答えた。
「大変だ。私、なんてことをしてしまったのだろう。」ルーラは絶望した顔で声を震わせながら、半泣き状態で呆然と立ち尽くした。
「おい、どうしたルーラ、俺に何か問題があったのか!」ルーラのただ事ではない表情に私も動揺し、つい大きな声で叫ぶように問いかける。
「ルーラ何をしているんだ。しっかりしろ、とにかく審問官様に急いで相談してこい、阿久津さんには衛兵休憩所で待ってもらうから。」男は命令を下すようにルーラに大声で叫んだ。
「はい、わかりました。」ルーラは我にかえり、私に対し
「審問官様にお話し、すぐ戻ってきます。申し訳ありませんが、衛兵休憩所で暫しお待ちください。」ルーラの低姿勢な態度に少しあっけにとられながら、「わかった。」と私が返事をすると、光に包まれ、ルーラはその場から消えてしまった。
「では、ご案内しますので、私について来てください。」言われるがままに男の後について行った。
(さっきより、男の態度が急に丁寧になった。ルーラのあの取り乱し方から過去の経験からいくとこういう状況は、あちらに何らかの大きなミスがあった時だ。何があったんだ?)男の後についていきながら、そんなことを考えていた。
城門隣の人一人が十分通れる大きさの鉄の扉を男が開ける。中は8畳くらいの石壁に囲まれた部屋で、壁際には、剣、槍、盾といった武器がいくつか並べられて、食卓にある木のテーブルと椅子が2脚置いてあった。
「大変ご迷惑をお掛けしますが、ルーラが戻るまでこちらでお待ちください。私は、ドアの前にいます。何かありましたら、お声をかけてください。」先程とうって変わってとても丁寧な対応であった。
(それにしても、何があったんだ。2人の状況からしてただ事ではないのは分かるのだが…)腕を組み、目を閉じて色々な可能性を考える。
15分くらいたっただろうか、休憩室のドアが空き、ルーラが入ってくる。
(意外と早かっな。もう解決したのだろうか?)そんなことを考えているとルーラが思い詰めた表情で話出した。
「阿久津さん今から私と審問官に会っていただきます。通常は官邸まで街の中を歩いて移動するのですが、事情により今回は転移術で官邸の部屋まで転移します。お待たせしたうえ申し訳ありませんが、急ぎますので、私の手を握ってください。」と言うと真剣な顔で手を差し出した。
「問題は解決したのか?何があったのか説明してくれ」私は当然のことをルーラに聞くと落ち込んで今にも泣き出しそうな顔で
「後のことは審問官から話があります。お願いですからこれ以上はお話できません、阿久津さんには何の非もありません、急いでください。」
ルーラが何らかのミスをしたのだと確信し、これ以上は無意味と判断して私は黙って手を握った。
すると強い光に包まれ、耐えきれず目を閉じた。
「着きました。」その言葉を聞き目を開ける、そこは高級そうな絨毯がひいてあり、貴族の応接室にあるような低めのテーブルとソファーが置いてある特別感のある部屋だった。
部屋の中には私達の他に黒い高そうなスーツを着たスラットした英国紳士のような男性がいた。
「お初にお目にかかります。ルーラの上司であり、審問官を勤めておりますルイスと申します。この度はご足労ありがとうございました。」 そういうとルーラと二人私に一礼する。
「阿久津 商人と申します。よろしくお願いします。」社会人として恥ずかしくないように私も一礼した。
「どうぞそちらにお掛けください。」ルイスは真剣な表情でソファーに案内した。
「では、失礼します。」私がソファーに座るのを確認するとルイスとルーラはソファーに座るのではなく、私の右斜め前の床に並んで正座した。
「どうしたんですか?そんなに大きなミスがあったんですか?」前世の経験から場の雰囲気と二人の行動で、つい死神側に大きなミスがあったと決めつけ発言してしまった。
「おっしゃる通りでございます。私共でとんでもないミスを犯してしまいました。」ルイスは苦痛に満ちたような声と表情で答えた。
「どんでもないミス、冗談じゃありませんよ。いったい何があったか説明してください。」私は
ルイスの状況を見て、重大なミスがあったことを察知した。
「こちらのルーラの確認不足で、本来の連れて来なければならない死人と間違えて、阿久津さんを連れて来てしまいました。阿久津さんとリリという女性は刺され後、巡回中の警察官に発見されてリリはそのまま死人になるのですが、阿久津さんは病院で一命を取り詰め、刺した2人を告発し、穏やかな余生を送るはずでした。ところが、ルーラが確認作業を怠り、間違えて阿久津さんを死人としてこの国へ連れてきてしました、同時に私共は歴史を変える大失態をしてしまいました。大変申し訳ありません。」ルイスは高級なスーツが乱れるのも構わず、土下座した。
「ミスでは済まされませんよ!死ななくて良かった、これから頑張ろうと思っていたなのに…」
悔しさで涙が出てしまった。
そんな姿を見てルーラは泣きながら
「私のせいで、阿久津さんの人生を変えてしました申し訳ありません。」と土下座をしながら声を出して泣いていた。
「俺が生きていれば、ユイとマイは正当に裁かれ、俺の正義と社会の不公平が正せた。そうだ、それがわかっているなら俺の魂を肉体に戻してくれ、そうすればことは済むじゃないか!」怒りと絶望が混じり、混乱しながら思いついたことを2人に向かって話した。
「阿久津さん、あちらの世界とこちらの世界では、時間の流れが違っていて、阿久津さんがいた世界はこの間に10年程が経過しております。戻す為の器となる肉体は火葬されいます。元に戻すことは不可能です。本当に申し訳ありません。」
それを聞き、ショックで何も考えられなくなり、無意識に近い状態で力なくつぶやいた。
「わかりました。でも私は、どうなってしまうのですか。」
ルイスは土下座をやめ
「この国は、様々な世界から集められた死人が、来世で活躍できるように能力をつける場所となっています。しかし、今回は歴史と人生を変えてしまった重大事項の為、他の神々や機関に情報が漏れないよう慎重かつ迅速に動けるよう色々な方法を考えております。なるべく阿久津さんの希望が叶えられるように努力致します。ご納得頂ける結果と来世への旅立ちが決まるまで、このルイスが可能なことは全てサポートさせて頂きます。」
真剣な顔で訴え掛けるように答えた。
「わかりました。よろしくお願いします。」
その言葉に少し落ち着いた私はルイスに返事した
ルーラは泣いたまま顔をあげようよとしなかった
こうして、私の人生は終了し、来世への転生準備が始まろうとしていた。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
次の章も頑張って書ければと思ってます。
いい文章が書けませんがどうにかやってみます。
次回は時間が取れないので少し間が空きます。




